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リセスト  作者: トンボ
日常編
7/49

時を戻せる僕とゲーム攻略3 (7話)

僕と奈津の2人は、ゲームを始めてかれこれ1時間が経過し、時計の針は早くも夜の9時をまわっていた。


あれから何回リセットを使ったのだろうか・・・

それにしても、1つ目の選択肢が③の『黙れ小僧』とは思わなかった。


『みどりくんこの資料の件だが・・・』


『(ああ佐藤さん!あなたはなんて素敵なの!)』


『みどりくん聞いているのかい?』


『あ、はい!すいません!佐藤さん!』


しょぱな挨拶で『黙れ小僧』と言い放っておいて、この移り変わりだ。みどりさんはとても怖い


「りんちゃん・・・」

奈津が元気のない声で僕の方を見る


「どうした奈津?」


「奈津、そろそろ眠くなってきちゃった」

衝撃の発言だ


「ちょっと待て!まだ夜の8時だぞ!僕1人でこのゲームを続けろってか⁉︎」


「・・・うん、奈津ね、いつもこのくらいの時間に眠くなるの」


ちくしょー!こいつ、やっぱり中身は幼女のままだ!


「わかった奈津、30分だ!あと30分頑張ってくれ!」

こうなったら奈津が寝る前に終わらせてやる!


『みどりくんこの前の食事の件だがね、私も家庭を持っている身だ、家族に迷惑はかけられないんだ』


え?佐藤さん結婚してたのか⁉︎

なるほどだから『いけない恋』というわけか!


『なんでですか佐藤さん!前に私のこと好きって言ってくれたじゃないですか!』


なんだろう、この急な泥沼展開


ープツッー

え?ここで選択肢?

①この!永久脱毛!

②お高くとまってるんじゃないわよ!

③あんたの髪の毛全部抜くわよ!


・・・相変わらず答えがわからない

しかし、考えている時間がない!ここは当てずっぽうだ!


→①この!永久脱毛!

②お高くとまってるんじゃないわよ!

③あんたの髪の毛全部抜くわよ!

ピッ!


『この!永遠脱毛!』


『・・・みどりくんきみはクビだ』


え?いきなりクビ?佐藤さん頭いじられるのに敏感すぎでしょ。


『『リセット』』



ーーーーーーーーーー

①この!永遠脱毛!

→②お高くとまってるんじゃないわよ!

③あんたの髪の毛全部抜くわよ!

ピッ!


『お高くとまってるんじゃないわよ!』


『きみは、僕のどこがいいんだい?僕は給料の半分をギャンブルに使っているんだよ?借金もあるし、第一きみは大学の先輩の田中くんを追ってこの会社にきたんだよね?』


衝撃だ・・・佐藤さんがそこまでダメ男だったなんて、すでに家族に迷惑をかけてるじゃないか


『佐藤さんにくらべたら、あんな男、耳くそ同然よ!』


おいみどり!口が悪いぞ!いくら好きじゃなくなったとはいえ、ピチピチの22歳がする表現じゃないぞ!


『それは、田中先輩は私の財布からお金ぬくし、ご飯はいつも奢らされていたし、浮気もするし借金も作るけどあなたの方がいいの!』

そいつは確かに耳くそ同然だ


『あなたみたいなダメ男が好きなの!』


てゆうか、僕はみどりの男の好みの悪さに驚いているぞ


「スー・・・スー・・・スー 」

寝息が聞こえてくる


「・・・奈津?」

どうやら隣の幼女は、電池が切れてしまったようだ。


奈津は一度寝たら朝まで起きない

付き合いが長いからよく知っている


「しょうがないここで終わるか・・・」


ゲームの電源を切り、奈津をおんぶする態勢に入ろうと近づいた時、


『ツルッ‼︎』

(あれ?なんでこんなところにバナナの皮が・・・?)


『ドン!』

な、奈津と顔が近い・・・


その態勢を表現するには『床ドン』と表現した方がいいのだろうか、


しかし、奈津の眠りが深くてよかった。


早く態勢を立て直さねば、こんなところ誰かに見られでもしたら・・・

『ガチャ!』


「へ?」

玄関から鍵の開く音が聞こえてきた


「たっだいまー!りんた!愛しのパパとママのおかえりだぞー!」


「りんちゃん!寂しくなかった⁉︎」


「・・・」

僕を見るなり2人とも黙り込む


「父さん、母さんこれはその、偶然で」


果たして、旅行から帰ってきた時、家で子供が眠っている幼馴染の女の子を押し倒している姿を見たらどうするだろうか、


「パパ!倫太の邪魔してはいけないわ!」


「そうだねママ! 倫太頑張るんだぞ!」

この親は全力で息子の手伝いをしてるつもりなのだろう。


「ちょっ!ちょっとまって!」

そっと部屋を出て行く父と母


「違う!違うんだー!本当にこれは偶然なんだー‼︎‼︎」


その夜、僕の叫び声は夜の住宅街に響いていたという。


























7話を読んでくださり、ありがとうございました!



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