時を戻せる僕とゲーム攻略2 (6話)
クソゲーを買った僕と奈津は
早速ゲームをプレイするため両親のいない僕の家にいた
時計の針は夜の7時を回ったところ
「おばさんなんか言ってたか?」
このおばさんとは奈津のお母さんのことである。
年ごろの娘が男の家に行くのだ。少しは心配するだろう。
「うん!りんちゃんの唇を奪ってこいって言われたよ!」
ゴフッ!!
想像の斜め上をいく、返答に僕は飲んでいたお茶を全て吐いてしまった
説明したと思うが僕と奈津は幼馴染だ
3歳の頃から、2人とも一戸建ての家に住み、ご近所ということもあり、美園家と杉本家はなかなか付き合いが長い
「りんちゃん大丈夫⁉︎」
「ゴホッ!ゴホッ!大丈夫だ、それよりゲームの用意をしておいてくれ」
今回買ったゲームは、一世代前のテレビゲーム機専用ソフトで、ちょうど持っていたこともあり、このゲームを選んだ。
「用意出来たよー!」
「おうわかった」
2人分のお菓子と飲み物を持ち僕は、テレビの前に座った。
「よし始めるか!あぁドキドキする!この感じ懐かしいな!」
僕は、少し緊張しながら、ゲーム機の電源を入れた
「懐かしいね〜小さい頃は2人でよくこうやってゲームしてたよね」
確かに、小さい頃は奈津とばかり遊んでいた記憶がある。
懐かしい思い出に浸っているとopが始まった
『ホワァァァァァオ!』
こ、この効果音は!少しエロいビデオとかによくあるあの効果音だ!
『その口づけぇぇぇちょっとまったぁぁぁ!!』
題名のタイトルコールだ!!
中年男性のしわがれた叫び声が聞こえてくる!
「り、りんちゃん・・・」
想像を超えるクソゲー感に、奈津は少し戸惑っているようだ。
opも終わり、最初のコマンド入力に入っていた
『君の名前を教えてくれないかぁ?』
指示通り名前を打つ
「まぁ名前はりんたでいいかなっと」
ちなみにこのゲームは、選択肢型ゲームらしい
選択肢を一個でも間違うと即ゲームオーバーというなんとも鬼畜なゲームだ
「りんちゃんこれ主人公女の子だからりんたは変えた方がいいと思うよ?」
そうだったおじさんとの恋愛ゲームということを忘れていた。
「確かにそうだなぁ・・・なつにするか」
「え⁉︎」
奈津の驚いた声が聞こえてきた
「どうした奈津?」
奈津の方を向くと聞かなくてもわかるくらい嫌そうな顔をしている
「嘘だよ、そうだなぁ 名前は・・・なんかあるか?奈津」
「もちもちはどう?」
なんとも、幼女らしい考えだ
「・・・お前に聞いた僕がバカだった」
結局飲んでいた緑茶からとって、
『みどり』とつけた。
さぁ前置きが長くなってしまったが、
そろそろ本題に入ろう
『私の名前はみどり!ピチピチの22歳!憧れの先輩の後を追ってこの会社に入ったの!』
あれ?自分でピチピチと言っているのは痛いけど、それ以外は意外と普通だな
『でも出会いは突然だったの‼︎』
『新人社員の皆さんこんにちわ私は新人の指導係になりました佐藤です。』
禿げ散らかってるな佐藤さん・・・
佐藤さんを一言で表すなら後頭部が無残なおじさんってところだな
「あ、りんちゃん!この人メインおじさんの佐藤さんだよ!」
説明書を見ていた奈津が口を開いた。
しかし、"メインおじさん"はパワーワードすぎる。
『うちの会社は挨拶が基本です元気に返してくださいね』
ープツッ!ー
画面が止まった。選択肢か!
①後頭部ひどいですね笑
②何色目使ってんの変態!!
③黙れ小僧!!
佐藤さんが何をしたっていうんだろうか、
ただ、会社のルールを説明しただけじゃないか
「奈津はどれだと思う?」
「うーん②かな〜?」
ここは奈津の勘にのってみることにした
①後頭部ひどいですね笑
→②何色目使ってんの変態!!
③黙れ小僧!!
ピッ!
『何色目使ってんの変態!!』
『・・・みどりさんでしたっけ?』
『何よ!』
『あなたは、クビです。もう一度最初からやり直してください』
『そ、そんな!私の恋はまだ始まったばかりなのに!』
ーGAME OVERー
・・・だろうな
予想はしていた、一筋縄ではいかないことくらいわかっていた、しょうがないリセットを使うか、もとから使う気ではいたけれど
そっと心で呟いた
『『リセット』』 と
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7話に続く
6話見ていただきありがとうございます!