厨二病と呼ばれる我と頼れる眷属3(40話)
「うぅ、、、」
目を覚ました私の視界には見慣れない天井の景色が広がっていた。異常な体のだるさに加え若干の腹痛がまだ残っている
「起きた?」声の主は私の母だ。
「ママ、、、あれ?学校は?」私が今いるところは見るからに病室だ。授業を最後まで受けた記憶はない
「澄乃あなたね学校で倒れたのよ?おぼえてない?」
「そうなの?全く覚えてないや」
ママに言われ記憶を探ってみる。確か最後に会話した人は、、、
ー「だって笹田さんてかわいいのに」ー
いやいやいやいや!何を思い出してるんだ私!!
大事なのはどこで倒れたのかじゃん!
「そういえば私なんで倒れんだろう。」
「胃腸炎らしいわ。大事をとって1週間入院することになったからゆっくり治しなさい。」
胃腸炎、、、いやまって!入院?しかも1週間!?
「面会時間もそろそろ終わりだからママは春乃を迎えに行くわね安静にしておくのよ?」時計を見るとそろそろ5時になろうとしている。妹の春乃を迎えに行く時間だ
「あ、あのママ」
「どうしたの?」
「まだ学校始まったばかりだからあんまり休みたくないんだ、、、だから1週間も入院したくない」
「何言ってるの?それでまた学校で倒れたりしたらまた迷惑かかるのよしっかり休みなさいいいわね?」
「はい、ごめんなさい。」
確かにママの言う通りだけど。でも1週間でかなりクラスの雰囲気が変わると思うんだ。ただでさえ慣れてないのに1週間もいなかったらと考える。
おわったなぁ私の薔薇色の高校生活
「はぁ」と深いため息をついた
周りを見渡しても共同部屋なのに誰一人いない
私のベッドは窓側の一番端っこ。寂しいな、、、
ダメだダメだ!悲観的になっちゃダメだ!
1週間後のこと考えなきゃ!えーとまずは誰に話しかければいいんだろう、、、
そういえば名前わからない人が多いや
先のこと考えれば考えるほど自然と目に涙が溢れてくるそしてその涙は頰を伝い大きな雫となってベッドに滴り落ちる
そんな時だった
『コン』と窓に何かが当たる音がしたのは
一回だけではない何回も音がなる最初は気のせいかと思ったけど誰かがわざとやってるのだと気付いた。しかしカーテンが閉まってるため外を見る事はできない。私は重い体を動かしベッドから起き上がりカーテンを開けた
「あ、やっと出てきた!体大丈夫??」
そこには二階にもかかわらず木によじ登り私に向かって手を振っている倫太くんの姿があった
「、、、倫太くん?なんで?」私は急いで窓を開けた。倫太くんが登ってる木と私のいる病室はとても近く入ろうとすれば全然入れる距離とゆうか倫太くんは既に入ろうとしていた。
「笹田さんちょっと危ないから窓から離れて」
そう言うと木から窓へとジャンプして部屋へと入室した。
「体調は大丈夫?」
「お、おかげさまで」
実際私の体調は全然大丈夫ではない。むしろ立ってるのがやっとだ。
「入院するんでしょ?だったら病人なんだから寝ときなよ」
そう言って彼は私にベッドへと催促させる
(いや、立たせたのは倫太くんだよね!?)
と思ったけど口にはしなかった。
「これ授業で使ったプリントだから、入院期間毎日来るから安心してよ」
なんで毎日?
「あとさ今日幸助のやつがさ!」
「幸助?」
「あ、茅場ね!」
仲良くなったら呼び捨てにするのは当たり前だよね。そんな当たり前のことなのにどうしてこんな気持ちになるんだろう。
「ーあの野郎箱庭に僕を売ったんだよ!?それでクラスの奴らもみんなして僕を「ごめん倫太くん」
「ん?どうしたの?」
「、、、もう明日から来ないで」
待って私は何言ってんの
「なんで?」
「私と仲良くしてると倫太くんまで陰キャだと思われるよ?」
違うんだ
「知ってる?中学の頃私ね丸眼鏡掛けてて髪もおさげで長くて」
私はただ置いてかれるのが嫌なんだ
「休み時間も今と同じでずっと本読んでたんだ。」
私のいない間にみんなが仲良くなるのが嫌なだけなのに
こんな思いとは裏腹に私の口は言いたいくないことをペラペラと喋ってしまっていた。
「こんな私と一緒にいたら倫太くんまで距離を置かれちゃうよ?嫌でしょ?」
これでもう倫太くんと話すこともなくなる。そう考えると辛いけどきっとその方がお互いにとってもいい気がする。
「う〜んそれってさ今と関係あるの?」
「え?いや、だからこんな私と仲良くしていたら倫太くんまでそんな風に見られるよ?てこと」
予想外の返答に呆気にとられてしまった
「だって笹田さん昔のことしか話してないもん
なんか無理に遠ざけられてる感じがするし、もしかして僕のこと嫌い?」
「そ、そんなわけない!むしろもっと仲良くなりたいよ!」
「じゃあそれでいいじゃない、もっとたくさん話して仲良くなろうよ?」
「え、いやでも、、、」
「過去を変えるのは無理だけど未来はまだ変えられるさ!暗い未来を明るくしようよ!」
僕と一緒に!!
あぁ、、、優しいな倫太くんはこんなにも仲良くなろうとしてくれてたのにそれなのに私は突き放そうとしてたなんて
「笹田さん!?僕泣かせるようなこと言った?」
「ち、違う!違うの!」
自然と流れてきたこの涙は悲しみからではなくて嬉しさから溢れてきたものだと強く実感している
「私の方こそ仲良くして下さい」
私の嗚咽混じりの返事に彼は小指を突き出して笑顔でこう答えた
「じゃあ契約だね」と
「契約?」
「うん!笹田さんが楽しく学校生活ができるようにする契約」
「うん」
こうして私は契約の指切りをした
「あ、そうだこれ本好きって言ってたからクラスの奴らにオススメの本を聞いてきたんだ」
彼が出した本は私が普段読む小説とは全く違うもので挿絵がついてるこれは恐らくライトノベルと思われる
「じゃあそろそろ帰るねまた明日も来るから!」
「レイシス・ヴィン戦記読んでみようかな」
レイシス・ヴィン戦記は今の10代に人気な作品らしいストーリーは自分に自信のない女の子が突然現れた魔法使いの男の子と契約をして魔法使いとなり世界のために戦うというもので少しだけ今の私と繋がるものを感じた。真似したら私もかっこよくなれるかな
それからの毎日午後5時は私にとって特別なものになっていった
それはある日の会話だった。
「笹田"さん"てやめていい?」
「いいけどなんて呼ぶの?」
倫太くんはうーんと腕を組み悩むそして1つの結論に至る
「澄乃?」
え?今なんて?澄乃って言った?
「嫌だった澄乃?ってめちゃくちゃ顔真っ赤じゃん!どうしたの?」
「な、何でもないから!顔見ないで!」
顔が熱いどうしよどんどん熱くなる
「え?でも」
「見るなー!」
「グハッ!!!」
私の感情に任せた平手打ちは倫太くんの頬にクリーンヒットした
「あ、ごめん倫太くん!と、とりあえず名前は笹田でいいから!」
「わ、わかったよじゃあ僕のことも呼び捨てで呼んでよ」
そ、それって倫太て呼べってこと?そんなの無理だよ!あ、そうだそれなら!
「、、、貴様は眷属だ」
「はい?」
「先日契約したではないか?よって我と貴様は主従関係異論は認めんぞ」
「なんか変なスイッチ入っちゃったぞ?」
どうしよ咄嗟にこの前の本のキャラの真似しちゃったけど引かれたよね?
「わかった僕は笹田の眷属だね」
「あはは、本当に眷属だなんてそんな〜」
「笹田はその喋り方の方が生き生きしてていいと思うよ」
「そうかな?」
実際は自分が本当に物語のキャラクターになれた気がしてすごく楽しい
「でも、倫太くんが優しいから受け入れてくれるだけでクラスのみんなからは引かれちゃうよ」
「そんなことないさ、クラスのみんなはどの笹田も受け入れてくれるよ!だってキャラの濃い人たちで溢れてるんだから!」
そのキャラを出すのは怖くもある。だって受け入れられなかったとしたら現段階でもかなり低いスクールカーストの下まで行くのだから。きっと教室へと迷い込んだゴキブリでも見るかのような冷たい視線を浴びて残りの3年間を過ごすことになることは明確だ。それだけはどうしても嫌だ!!
でも、もし...もし本当に受け入れてくれるなら
ー私は変わりたい!!ー
それから数日後の学校登校日
「えーまだ来てないが本日より笹田が学校に復帰する皆仲良く接してやってくれそれではHRを終了する」
どうやら封印が解けるのに時間がかかったようだ
「まだ終わるには早かろう...」
『ガラァァ』
「、、、笹田」
「笹田さん」
「笹田ちゃん」
教室に入ると皆が我を特別な目で見ている。
まぁ無理もなかろう。呪いの影響で右目が義眼になってしまったのだから。そしてこの腕の包帯を解くと龍が暴れ出すしな。
「笹田ぁ!貴様なんだその格好は!校則違反だ今すぐその眼帯と包帯を取れ!」
お、思いの外怒っているな
「は、ほぅこの私に刃向かうつもりか?やめておいた方がいいぞ?」
休戦協定を出そうか考えたその時だった。
「頑張れ笹田!!」
眷属の声だ
「おい杉本!貴様も別室に連れてくぞ!」
こやつの怒声からだった
「頑張れ笹田さん!」
「そんなやつやっつけろ!」
「面白いぞ!」
この空間のもの全てが我に声援を送り出したのは。こんな経験は初めてだ俄然やる気が湧いてくる
「行くぞ!必殺ーー
我が間合いを詰めようとしたその瞬間だった
『ガシッ』
襟を掴まれたのだ
「「「「「 あぁ 」」」」」
皆のものが一斉にため息をつく
「えっ!?あのせんせ、、、じゃなくてboxgarden!離せ!」
「事情はゆっくり聞いてやる」
「い、いやだ〜!!」
「結局眼帯も包帯も取られちゃったよ。」
ママにバレないように外でつけてたらすごく時間かかったのに没収なんてあんまりだと思う
気づけば教室の前だ。ちゃんと切り替えねば
『ガラァ』
「「「笹田さん!」」」
教室を解放した瞬間我はたくさんの僕どもに囲まれた
「な、何事だ!?」
「あれレイシスの真似だよね!?」
おそらくこやつが我に勧めたのだな大儀であった
「真似ではない我こそレイシスなのだ」
この後、我は質問責めにあい続けた
どうやら無知なやつらの間では我は入院中に脳をやられたなどと話していたが気になどしてない。
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あれから一年経った今でも時々この時のことを思い出す。
「眷属よたまには一緒に帰ってやろう」
「素直に帰りたいと言えよ」
「今日の帰り道は邪悪なオーラに包まれているのだ」
「僕の帰り道どんだけ危ないんだよ」
「眷属を守るのは主人の務め」
「はいはい守ってくださいご主人様」
こいつは鈍感だからな聞こえないのはわかってる
だから大きな声で言うのだ
「愛しておるぞ」とな




