時を戻せる僕とテスト1 (3話)
穏やかな春の昼下がりこの時間帯に目を覚ました僕に、後悔の文字はない。 そして僕の頭の中には「テスト」という単語が君臨していた。
「さてどうしたものか・・・」
父さんも母さんも旅行で家にはいない
「よし!サボるか!」
覚悟を決め2度目の睡眠につこうとした時
『『プルルルル プルルルル 』』電話だ
ガチャ
「はいもしもしどちら様ですか?」
「その声は杉本、本人だな」
どうやら声の主は担任の箱庭先生のようだ
雰囲気から察するにかなり怒っている
「oh!スギモト?ダレデスカ?ボクワカンナイ」
『『ガチャ』』
そっと受話器を置き僕は部屋に戻ることにした
『プルルルル プルルルル』また電話だ
「はいもしもしどちら様ですか?」
「杉本お前は俺に相当怒られたいらしいなぁ」
『『ガチャ‼︎‼︎』』
まずい相当怒っているなぁ
こうなったらやむを得ないな
僕はそっと口づけをするように心の中で唱えた
『『リセット』』 と
ーーーーーーーーー
『プルルルル プルルルル』
ガチャ
「はいもしもし箱庭先生」
「なぜお前は俺とわかったんだ⁉︎」
「もうやだなぁ先生、僕と先生は2人で1つじゃないですかぁ『『ガチャ‼︎‼︎』』
プープー
おかしいなぁ僕から電話をきることがあっても
先生からきることなんてないと思うんだけどなぁ
ピンポーン
今度は家のチャイムが鳴る
ん?こんな時間に誰だろうAmazonか?
「あ、もしかして『魅惑の人妻百選』か!?」
それは僕がこの両親が不在の状況を生かして密かに注文したAVだ。
「はーい!」
声高らかに玄関のドアを開けた
ガチャ
「杉本、急いで準備をしろ。」
ドアを開けたその先には身長190後半はあり図体≪がたい≫がいい大男が仁王立ちしていた。そうその男こそが僕の担任の先生である箱庭である。
その強面と厳しい指導から裏では軍曹と呼ばれており、噂ではメイウェザーにタイマンでギリギリ勝ったとか勝ってないとか。
バタン
おかしい、なんで人妻じゃないんだ…
ガチャ
「さっさと準備せんか!馬鹿者が!!」
この男普通に人の家のドアを開けてきやがった!!
「あ!!玄関入りましたね!不法侵入で訴えますよ!?」
僕は法という武器を手に取った。だって、そのほうが勝てる気がして。
「生徒に社会のルールを教える立場の先生が法を犯していいんですか!?良いわけないですよね!!」
僕はたたみかけた、だって、ここで引いたら負けな気がして。
「悪霊退散!!さぁ!さっさと出ていけぇぇぇ!!」
僕は塩を投げた、だって、少しは効くような気がして
「黙れ」
「はい」
なーーーんにも聞いてなかったようだ
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
そして誰もいない教室で1人僕は静かに席についていた。
先生いわくテストの延期ができないため、欠席者を無理やり集めてテストを受けさせるらしい
それにしても誰もこない、このままだと僕1人で
テストを受けないといけないのじゃないか
それはまずいぞ!
その時
『ガララァァ』とドアが開いた
音の方向を向いてみるとそこには僕の願いが通じたのか七瀬が立っていた。
「りんた・・・あなたもテスト受けてなかったの?」
母さん父さん女神っていたんですね。
「うん、そうなんだ寝坊しちゃってね、七瀬はどうして?」
「幸助が寝かせてくれなかった・・・」
「ちょっとまて、もっと言い方を考えろ‼︎」
すると七瀬の後ろから、顔面凶器・・・
じゃなくて幸助が出てきた
「おい幸助死ぬ覚悟はできているのか?」
思いの外殺意が湧いてきている。今なら箱庭にも勝てそうだ
「違うどっちかと言われれば寝かせなかったのは七瀬の方だ!」
聞いて驚くと思うが七瀬と幸助は同居している、こんな男と住むなんて七瀬も変わり者だ。
すると後ろから大柄の男が入ってきた
「おいテストを始めるから席につけ」
箱庭先生だ。
「先生3人しかいませんよ?」
いくら七瀬がいるとはいえ戦力不足だ
もっと人が欲しい
「あぁお前らで全員だ、全員席は一番前だ」
しかし、一番前というのは、こんなに近いのか、
物足りないが、念のため戦力の確認をしよう。
「なぁ幸助お前テスト、自信あるか?」
返事は即答だった
「あるわけないだろ?」
ですよねー・・・
ちなみに幸助は超がつくほどのバカだ
僕の成績とどっこいどっこいといったところである。
ー七瀬のをみるかー
「テストの説明をする時間は50分
不正行為は許さない、なおカンニングしたものは
俺の鉄拳制裁を食らった後に回答用紙を回収
する何か質問はあるか?」
ー鉄拳制裁・・・だと⁉︎ー
ちょっとまてこの至近距離でカンニングをすれば100%バレる!リセットしたとしても鉄拳制裁を
食らった痛みのままだ!
幸助が口を開いた
「鉄拳制裁って体罰に入らないんですかー?」
いい質問だ!体罰処分を食らうのなら鉄拳制裁などできまい!
「入らない」
箱庭先生は、キッパリと言った
箱庭先生は続けざまに口を開いた
「光野と杉本は成績優秀だから、大丈夫だろうが問題はお前だ茅場!」
まずい変な期待をかけられてる
こうなってしまったからにはしょうがない
自力で解いてやるよ!
回ってきたプリントを見る
(こ、これは⁉︎)
(全くわからない‼︎‼︎‼︎)