時を戻せる僕と海の家1(25話)
見渡す限り一面水着の女性そして、海の香り
僕は来たんだ!この理想郷に!!
『ザァァァァ!!』
僕の妄想をかき消すように聞こえてくる
チャーハンを炒める音
「おい倫太!ラーメン上がったぞ!」
「へいへい」
「杉本くん!そっちのオーダーとってくれ!」
「はいよ」
なんで海水浴場に来たのに泳げないんだろう。
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時を遡ること1日前
それは終業式後のHRのこと
「明日から夏休みだ!」
担任の箱庭先生が教卓に立ち僕たちクラス一同にそう告げる
『うぉぉぉぉ!!』
クラス一同が大いに盛り上がる。
「が、羽目を外しすぎないようにすること!」
「・・・」
「どうした杉本?嬉しくないのか?」
僕が盛り上がってないのを見て箱庭先生が声をかけて来た。
「いや、ここ最近身体的苦痛がすごくて」
「なんだいじめか?俺に相談してみろ」
「いや⁉︎あんたもその中に入ってるからね⁉︎」
「なんだ俺がいつお前に手を挙げた?」
「放送室の時とかノートの時とかそれと、、、」
いや、あと1つあるけどこれは言いづらいな
「それとなんだ?」
「パンツの時とか、、、」
言ってしまった。
「パンツ?何したのあの変態 ヒソヒソ」
「あいつ頭湧いてんじゃねえのか?ヒソヒソ」
「気持ち悪い ヒソヒソ」
どうしよう、四方八方から僕をディスる声が聞こえる。
「全部貴様のせいじゃないのか?杉本?」
「、、、なんとも言えないです。」
ただ周りからの好感度が下がっただけだった。
「そういえば貴様に言わないといけないことがあったな職員室に後でこい」
「なんですか?告白ならお断りしますよ?」
「まだ殴られたりないようだなぁ?」
先生は手をポキポキと鳴らし拳を作る
「ほら!すぐ暴力だ!!」
「周りのものは帰っていいぞ」
え?
『『失礼しまーす』』
こいつらみんな帰りやがった!
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「頼んだぞ杉本」
「失礼しましたー」
『ガララァァ』
また、めんどくさいこと頼まれたなぁ
「りんちゃん!」
職員室のドアを開けると目の前に奈津がいた。
「待っててくれたのか?」
「うん!それよりりんちゃんまた怒られたの?」
「またってなんだ⁉︎毎回怒られると思ってるのか?」
僕の呼び出し=説教その考えを改めて欲しいな。
「違うの?」
首を傾げ僕に問う奈津
「頼まれごとだよ、それもかなり面倒な」
「頼まれごと?何それ?」
「海の家だよ、先生の妹さんが経営してるらしいんだけどどうやら人手が足りないらしいんだ。」
そういえば先生は他の人も誘っていいって言ってたな。
「奈津も来てくれないか?」
「うんいいよ!」
こいつの場合誘ってなくても来そうだけどな
「他に誰か誘うの?」
「そうだなぁ誰も考えてなかったな」
幸助と七瀬は誘ったら来てくれるだろうし、
あとは風松は器用だからこういう仕事得意そうだなぁ
そんなことを考えていると後ろから聞き覚えのある声が聞こえて来た。
「、、、フフフなにやら面白そうな話をしているではないか、この我が力を貸してしんぜようか?」
後ろを振り向くと案の定そこにはかなり汗をかいて職員室の前の角に笹田が立っていた。
「何の用ですか?」
「さっきも言ったであろう?力を貸すと」
このコミュ障が海の家でバイト?本気で言ってるのか?
「よかったねりんちゃん!」
「笹田、海の家って知ってるか?」
「存じている、多くの水魔法によりできた『魔人水領地』別名『海』で遊戯をする者たちをもてなすものだろう?」
あっているんだけどすごくまどろっこしい。
てか、グレイトフルデッドって意味違うだろ
「良く知っているじゃないか、でも残念だが笹田、お前は戦力外通告だ」
「な、何故だ⁉︎この私が力を貸すのだぞ⁉︎」
「そうだよりんちゃん!澄乃ちゃんがかわいそうだよ!」
、、、かわいそう?フッ!笑わせてくれる。
「じゃあ聞くが笹田、お前は初めてあった男性と話せるか?」
「そんなもの楽勝だ!」
えらく自信満々な表情だ。
「言っておくが1人じゃないぞ?団体のお客様だってありえるお前1人で注文を全部取ることができるのか?」
「、、、それは」
自然と笹田の目が下にいく、だが僕は笹田が泣くまで攻撃をやめない
「どうしたの澄乃ちゃん?目を見なさいよ?」
「うぅ、、、」
少し泣きそうになりながら僕の目を見る。
だが、僕はこいつが泣くまで言葉責めをやめない。
「、、、りんちゃん」
そして呆れた目でぼくを見る幼馴染
「だいたいお前は海の家を甘く見過ぎなんだよ!あそこはな!ただのバイトなんかじゃない!」
笹田からごくりと唾を飲む音がする。
ー「戦場だぁ」ー
できるだけ低い声でそれでいて少しセクシーなボイスで僕はその言葉を告げた。
「せ、戦場!?」
あれ?思っていた反応と違う?もっと怯えるのかと思ってたけど?もしかして逆効果だったか?
「フッ!ならば私の出番だな!」
あれ?気合い入っちゃった?まるで子猫のように純粋な目がすごく輝いている。
「りんちゃんもういいでしょ?澄乃ちゃん連れてってあげよう?」
奈津が僕を諭すように問いかける
確かにこうなったらどうしようもないな、、、
「泣いても知らないぞ?」
「心得ている!私が戦場を駆け巡ってやるぞ!」
フラグにしか聞こえない
「その話私も参加していいか?杉本くん」
その聞き覚えのある男混じりの話し方
、、、まさか⁉︎
「鳴海さん⁉︎どうしてここに?」
「学級委員の集まりがあってな、今帰るところなんだ」
鳴海さんはとてもしっかりしているし高身長のクールな顔立ちだ。料理はちょっと難があるが
「大歓迎だよ!!鳴海さんが来てくれるなら百人力だね!」
「そう言ってくれると嬉しいぞ」
あとは、風松と幸助と七瀬だな
「おい眷属!私とこの女との対応の差はなんだ!!」
「そのままですが?」
「ぐぬぬぬ!あまり調子にのるなよ『冷徹巨人!』
「なんのことだ?」
冷徹巨人さんは話を理解できてないようだ。
「あ、そうだ奈津」
笑顔で2人の会話を見ている幼馴染に声をかける
「どうしたの?」
「七瀬に連絡入れといてもらっていい?」
「うんわかった!」
それじゃあ僕は風松に連絡だな
『トゥルルル トゥルルル』
『ガチャ』
「・・・」
どうしたんだろう返事がない
「も、もしもし?」
「もしもし」
「普通そっちから返事しない⁉︎」
「、、、要件はなんだ?Mr.杉本依頼か?」
「いや、今回は違うんだ明日予定空いてる?」
「すまないが明日は用事が入ってるんだ。遊びの予定なら無理だぞ」
今回は風松の力が必要だ、こうなったら奥の手を使うしかない
僕は後ろにいる3人に聞こえないくらい小さな声で喋った。
「もし、奈津の水着が観れるとし「話を聞こうか」
早い!早いよ!
「いや、箱庭先生の妹さんが経営している海の家でバイトすることになったんだよ」
「なるほど、、、他に誰がくるんだ?」
急に興味津々だな
「えーっとまず僕とたぶん幸助」
「(ボソッ)AとA」
今なんか聞こえたような、、、?
「それと笹田と鳴海さん」
「AよりのBとC」
いや、確かに聞こえたぞ?
「七瀬と奈津」
「Dと、、、(ドサッ)」
風松がノックアウトする音がした!
「か、風松⁉︎どうしたの⁉︎」
「す、すまない意識が飛んでいた。」
こいつ妄想だけで失神しかけていたのか⁉︎
真の変態じゃないか⁉︎
「ところで今のアルファベットは何?」
「気にしないでいい、俺も参加させてもらう」
「用事は大丈夫なの?」
「参考書を選別しに行くだけだ」
さすがとしか言えない。
「わかったじゃあ後でまた連絡するよ」
「頼む」
『ブチッ』
「奈津どうだった?」
「来てくれるってー!」
奈津も僕とちょうど同じタイミングで電話が終わったようだ
「そうか、じゃあ集合時間は後で連絡するから今日は帰ろうか」
この時の僕には分からなかった。
まさか、あんなことになるなんて、、、
26話に続く
25話読んで下さりありがとうございます!
今回は海の話となります!




