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ねこにゃんの冒険♪

作者: ねこぱんちw

2017年ねこねこの日特別企画♪

お楽しみください!

私の名前は岩谷美香。

K県A市にあるI書店に勤めるピチピチの17歳!(でも本当は25歳)ちょっとチャームな女の子?である。

けっしてサリーちゃんではない・・・

私が勤務するI書店は朝8時~夜10時まで営業する2交代制の書店で、ローテーションで朝勤・夜勤が交互にやって来るので体のリズムが取れず、疲れが取れないのが最近の悩みである。

疲れた体に鞭打ち、コミック担当としてがんばって働いていたのだけど、営業会議の席で社長に言われた「売り上げが上がった?3年前を見ろ!こんなものがんばった内には入らん!何だ?文句があるのか?お前の代わりなんていくらでもいるんだ!」にやる気がダダ下がり・・・

会社辞めようかしら?

この越後屋みたいなの悪役顔の社長には社員を育てる気があるのか疑問ギモンだいぎもんである・・・


本日の業務終了、いそいそと閉店準備をして帰宅する私。

帰宅してお風呂に入り、やっと自由になる時間・・・

「はぁ・・何やってるんだろ私・・・それにしてもあの社長、ムカツク!」

ボスボスッ!

ベッドの上で枕に八つ当たりする私であった・・・

「もう止め止め、明日もあるから寝なきゃ・・・はぁ・・何処か遠くへ行ってしまいたい・・・もう疲れた・・・」

仕事の疲れもあり、そのまま眠りに落ちる私。

「なら、俺様が連れて行ってやるよ♪」

何処かでそんな声を聞いたような気がした・・・


ピチョンッ!

顔に落ちる水滴。

「冷たい!って・・・ここ何処よ!?」

自室のベッドで寝ていたはずが何故か森の中・・・

何故、どうしてWhy!?

キョロキョロと挙動不審な私。

すると、変な歌が聞こえてきます。

「「エブリィ!キャリィ!エブリィ!キャリィ!エブリィとキャリィはいつもなかよし~エブリィとキャリィはいつもいっしょ~♪」」

木々をガサガサ言わせて現れたのは頭を立てに2つ並べたような不思議な体にローブ姿の小人さん?

そして視線が交錯する・・・

「「「あ!?」」」


「こんなところにねこにゃんがいるなんて珍しいににゃん。」

「そうんだね~何処から来たんだろ~」

上下の顔が別々にしゃべりだす・・・

とってもシュールな光景だわ・・・

「ねこにゃん?が何のことだかわからないけど私の名前は岩谷美香!気がついたらここにいたの!あなたたち、ここが何処だかわかるの!どうやったら帰れるか教えなてちょうだい!」

矢継ぎ早にマシンガントークで質問をぶつける私。

「何にゃ、自分の姿に気がついてないのかにゃ?」

「まずはそこからだね~、ついて来て~」


ズンズンと歩いていく小人を慌てて追いかける私。

「ちょっと・・・待って!待ちなさいよ!先に私の質問に答えなさいよ!」

「はやくくるにゃん!」

「こっちこっち~」

私の叫びを無視して森の奥へとズンズン突き進んで行く小人さん・・・

あぁ・・もう・・・行けばいいんでしょ!行けば!

「到着にゃん♪」

「到着~」

森の開けた場所に到着。

そこには美しい池が1つ。

「ここは?ここで私に何をしろと?」

疑問だらけの私。

早く説明プリーズ!

「もちろん現状の確認にゃん!」

「池をのぞくの~」

私を急かす小人さん。

はあ?意味がわからないわ・・・

仕方なく言われるままに池をのぞくと・・・

そこに映し出されたのは銀色の魚型サークレットを額につけた猫の姿が・・・

「ちょっと・・・何よこれ!?・・・何で私が一頭身の猫なのよ!嘘だと言ってぇぇぇーーーーーっ!!!」


「現状認識完了にゃん♪やっと話が進められるにゃん!」

「異世界から来た者はこの世界ではみんなねこにゃんになるの~!聞いてる~?」

小人さんが何か言ってるけど私はそれどころじゃないわ・・・

「嘘よ嘘よ嘘よ・・・私のナイスバディがこんな・・こんなチンチクリンの猫に・・・嘘だと言って・・・ブツブツブツ・・・」

そんな私の肩をポンポンッと叩く小人さん。

「事実を受け入れるのにゃん!」

「話が進まないの~」

「嫌ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!」

森の中に私の絶叫が響き渡っていたわ・・・


「ハアハアハアッ・・・」

冷静になるのよ私!そう、COOLになるのよ!これは何かの間違いよ!

もう一度池を覗き込む私。

「・・・」

池に映るのはやっぱり変な猫が1匹・・・

「落ち着いたかにゃん?」

「現実を直視したかな~」

小人の声は気のせい!

これは夢!きっと夢!夢だってば!夢だって言って!!!

「こんな・・・こんな姿が現実だって言うの!?認めれれるわけないでしょ!!何で!何で私が一頭身の猫なのよーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!」

ガックリと項垂れる私に誰かが声をかけて来たわ・・・

「お前が望んだことだろ?こんな世界嫌だって!何処か遠くへ行きたいってな!だから俺様がちょーーっと手伝ってやったんだ♪嬉しいだろ?」

振り返ると、空中に停滞する小悪魔の姿が・・・

「マジェスタにゃん!」

「マジェスタ~」

そう、こいつ・・・こいつが原因なのね・・・

「あんたが・・・あんたが・・・あんたが私を!!!!」

「礼なら要らないぜ!これからお前は自由だ!好きに生きれるぜ!俺様、なんていい奴♪それじゃあ楽しく生きろよ!」

さも、いい事したなと言わんばかりに満面の笑みを浮かべて飛び去って行くマジェスタ。

こいつ・・・私が感謝してると思っているの!?

次に会ったらぶっ殺す!!!


「ハアハアハアッ・・・」

まだ怒りでヒートアップ中の私。

この怒りどうしてくれようかしら!

「ふぅ・・・いい加減落ち着くにゃん!」

「冷静になるの~過ぎたことは忘れるの~」

しかし、脳裏に浮かぶマジェスタの勝ち誇った顔・・・

「ギリギリギリギリッ!ムッキーーーーーッ!」

しばらくお待ちください・・・


「そろそろ気は済んだ~?」

「今は元に戻ることだけを考えるにゃん!」

「はぃ・・・」

やっと冷静さを取り戻しました・・・

今は逃げて何処かへ行ったマジェスタより元の姿を取り戻すのが先!

「それで何か元に戻る方法はあるの?」

「あるにゃん!エミーナに頼むのにゃん!」

「そうそう~願いの湖に住んでるエミーナならきっとなんとかしてくれる~」

「早速、湖へGO!」

気持ちを切り替え湖を目指します!


やって来ました噂の湖。

「ハアハアハアッ・・・ここなの?」

息が・・・何もダッシュで来なくてもよかったんじゃないのかしら?

「ここなのにゃん♪」

「湖のエミーナに願いを言うの~、対価と引き換えに願いを叶えてくれる~」

対価・・・え!?・・・私、何も無いんだけど・・・

視界にチラリと見えるのは銀色の魚型サークレット。

ゴクリ・・・最悪、これでお願いするしかないわね・・・


「エミーナ出てきて欲しいにゃん!」

「エミーナ出て来ておくれ~」

エブリィたちの声が届いたのか、湖面の中心より波紋が広がっていく・・・

湖面が光り輝き一人の妖精が顕現する。

湖のように澄んだ青い髪を腰まで伸ばし、心まで見透かしそうな青い瞳で私たちに問いかけてきます。

「私を呼ぶのはお前たちか?さあ、望みを言うがいい、対価と引き換えにその望みを叶えましょう。」

本当に現れちゃった・・・

どうする私!?

迷っていても仕方ないし、言っちゃいましょ!

「はい、私が呼びました!どうか私の姿を元の姿に戻してください!そして、あるべき場所へ返してください!」

にゃっ!と挙手してアピールアピール!

エミーナが手をかざすと光の粒子が現れ、私たち3人を包み込んでいく、エミーナがパチンと指を鳴らすと光の粒子が消え、ふぅぅ・・・とため息をつくエミーナ・・・

「そう・・・また、マジェスタが原因なのですね。いいでしょう、対価を差し出しなさい。さすれば望みを叶えましょう!」

「あの・・・これでお願いできますか?」

おずおずっと銀色の魚型サークレットを差し出す私。

「対価として問題無いわ。でも、あなたはわかっているのかしら?これはあなたの夢が結晶化したものよ。人は夢を無くして生きていけるのかしら?夢に縋らずに生きられる人なんて私は知らないわ。」

そう言われても他に対価に差し出せるものなんて無いし・・・


「大丈夫!私は夢に縋ったりしない!それに夢が無くなったら新しい夢を見つけてみせるわ!」

ぐっと肉球を握り締めて力説する私!

「そう・・・なら、契約は成立だわ。早速、元の姿に戻してあげましょう。」

指をくるくる回すエミーナ。

すると、光の輪が出来上がり、その輪が私を包んでいく・・・

私を包み込む形で魔法陣が形成され、徐々にねこにゃんの姿から人の姿へと変化していく私。

さよならねこにゃん!お帰り私!

「それでは報酬をいただくわね。」

そう言って銀色の魚型サークレットに触れるエミーナ。

ピンっと銀色の魚型サークレットの表面を指ではじくと数枚の鱗が落ちていく。

「報酬はこれで十分よ。あなたの勇気に免じてこれで勘弁してあげるわ。さあ、あなたの用意がいいのならこのまま始めるわ。目を閉じて自分のあるべき場所を思い浮かべなさい。」

私は目を閉じ、私のいるべき場所を思い浮かべる。

帰りたい!帰りたい!あの場所へ!あの世界へ!


目を開くと私の前には光り輝く大きな扉が1つ。

「その扉を潜ればあなたの世界へ続いているはずよ。お別れね。あなたのこれからに幸おおからんことを!」

そう言って姿を消すエミーナ。

「よかったにゃん!」

「気をつけて帰るの~」

2人が目に涙をためながら私に言ってきます。

「ありがとう!右も左も解らない私を導いてくれて!あなたたちに会えてよかった!」

扉を開け、消えていく私。

2人は私に向かっていつまでも手を振っていた・・・

いつまでも・・・いつまでも・・・


目を覚ますと、住み慣れた自分の部屋。

そして、いつも寝ているベッド。

「帰って来た・・・帰って来れた・・・よかった・・・」

枕元の時計を確認、うん、まだ早いわね。

もう一眠りしましょ、おやすみ・・・


目覚まし時計のジリリンって音で起床。

さあ、起きなくちゃ!

ベッドを抜け出し、洗面所へ。

顔を洗い、鏡に映った自分の顔を見て驚愕する私・・・

鏡に映る私の顔にはびよ~んと伸びた立派な猫ひげが・・・

その日、私が会社を休んだことは言うまでも無い・・・

こちらの話は、フィクションです!?

登場する人物・団体等は多分関係ありません!?

きっと・・・たぶん・・・


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