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アレッタ・ラ・モルテ  作者: 小林錯弥
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追憶

 少年には双子の姉がいた。突如日本に現れた《アルバニア》と呼ばれる生命体が人間を襲い、何故か記憶を奪うようになってからは毎日に危険があり、注意が必要であったが、それは外に出る度に交通事故に遭わないよう気をつける程度のものであり、実際襲われる人間の数自体は多くなかった為にそこまで警戒していなかった。

 それ故なのか──

 小学校からの帰り道、突然空から羽の生えた、美しいものが舞い降りてきて……。子供ながらにまずいと思った時にはもう、隣を歩いていたはずの少年の姉は力無く地面に倒れ伏していた。

 たった1人の、優しくて強くて大好きな姉だった。

 そして少年は凄まじい虚無感と脱力感に苛まれ、その場に立ち尽くしてしまう。そんな少年に用は無かったのかそのアルバニアは何処かへ飛び去っていった……。

 それからは記憶を失い、いわゆる認知症状態となっていた姉の介護に少年の家族は追われていた。

 そしてある日学校から帰った少年は入院している姉の見舞いに病院へ足を運び、病棟5階の姉の病室の前まで来た。控えめにノックをしてドアを開けると──


 少年の姉は、窓に足をかけ今にも飛び降りるようなところだった。


 少年はその光景に酷く驚き、必死に止めようと窓まで走ったが間に合わず……。その時姉は確かに、『ごめんね』と言うとあっさりその身を投げ出してしまったのだ。


 ──これはもう、10年も前の話である。少年の姉が死んでから、少年は今の今まで罪悪感に駆られ続けていた。あの時止められなかったこと、そもそもアルバニアから姉を守れなかったこと。

 現在17歳となった少年──いや、青年の名前は如月雅臣(きさらぎまさおみ)

 雅臣はもう限界だった。これ以上、この思いを抱えたまま生きていく自身が、彼にはどうしようもなく無いのだ。

「母さん、ごめん」

 そう呟くと、手に持った(はさみ)を喉に突き立てた──

前に書いていたものをリメイクしたいと思いこれを書きました。

まだまだ駄文ではありますが、すこしでも面白いものが書けるよう、頑張っていきたいと思います!

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