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あらすじのような前書

「こんなプロローグじゃ大丈夫じゃない、大問題だ!」


こんな感じで開幕です。

 天空には実際に神々が住んでいてこの世界を見守っている、などと言ったことを信じている人間は、ここ日本には比較的少ない。

 しかし、神がそうでないとしても、高い場所から見守る立場と言うものは何に対しても必要なものだ。会社には必ず上司がいるし、その上に会社同士の組織があり、国があり、世界がある。

 これは魂そのものに関しても言えることで、日本では、死んだ人間の中の一部の認められた魂がそのまま天界に向かい、天人として国を見守る職に就く。これは国毎に独立していて、その呼ばれ方、仕事の割り振り、選別基準も様々だ。

 つまり世界まで広がった権力はそれぞれの文化圏に還元されるのである。


 で、日本の天界。ここでは一度来ると、五百年~七百年ほど輪廻転生の輪から切り離されるので、割と暇だったりする。

 暇であるから、趣味の遊びに興じることも少なくない。その中に、武術が混じっていたとしても特に不思議ではないだろう。

 清らかな空間である天界でも、武術は幅広くたしなまれていて、時には職の垣根を飛び越えての武芸大会なども行われることがあるほどである。


 そしてここ、天界には、“速演の春槍(そくえんのしゅんそう)”、“奏威の冬砲(そういのとうほう)”と並び称される武芸者がいた。

 二人は天界で知らないものがいないと言うほどの強さを持ちながら、時折地獄や人間界からやってくる魔物や妖怪と戦う天界防衛隊には参加せず、地上の季節を管理している季節界と呼ばれる領域の仕事に就いている。

 というか、実は二人とも女性で…


「そろそろ冬ね。桜の準備しないと」

「まだ気が早いわよ、恵水(えみ)。下ではやっと木枯らしが吹き始めた時期なのに」

「だって去年、準備が少し遅れただけだったのに芽吹(めぶき)様に怒られて大変だったんだもん」

 恵水と呼ばれた、癖のある短めの茶髪の女性が頬を膨らませながら不平を言う。

 その姿はせいぜい十代後半の少女のそれで、とても数百年間こうして過ごしているようには見えない。

「それは、こっちでは少しと思うかもしれないけど、下では騒がれるくらい遅れてることもあるのよ。下の人たちはせっかちだから」

 対して、その横に座っている長い黒髪の女性は落ち着いて話している。この手の話には慣れたという様子だ。

 しかし、自分も以前はそのせっかちな人々の一人だったことは覚えているのだろうか?覚えていて尚そう言うのであれば口出しはしないが。

「じゃあやっぱり早いほうがいいんじゃない?」

「それはそれで困るわよ。冬が短くなっちゃうじゃない」

「それはあなたの趣味でしょ?」


 いつものように不毛な言い合いをしているこの二人こそ、“速演の春槍”こと山咲姫(やまさき) 恵水(えみ)と、“奏威の冬砲”こと山雪姫(やまゆき) 理渡(りと)であった。

 二人はそれぞれ春と冬に関する仕事に従事していて、親友である。今日のように、二人そろってお茶を楽しむなどと言ったことはざらだ。

 そうでありながら、たまに誰かが訪ねてくると、二人が庭で試合をしていたなどということもよくある。二人は親友であると同時に、互いに互いの強さを認め合う好敵手でもあるのだった。

 ちなみに二人の模擬戦はなかなか決着がつかないためいつぞやから時間制になったが、以来現在に至るまで数え切れないほどの引き分けを積み重ねている。


「そうじゃなくて、均整がとれてないと駄目なのよ」

「あーもういいわ。そういう話は面白くないし。要は予定通りやればいいってことでしょ?」

「もう、恵水ってば…。まあいいわ、それで」


 これは、そんな、暇なはずの時間をすごしている二人の物語である。


「世界は管理されている!」

 なんてことを妄想していただけなんです。これ書きだしたころは。

 実は割と長い間温めていたコンセプトです。が、書きだしたらあら不思議、中二病全開フルスロットルな感じになってしまってますので、ここから先は注意が必要ですww

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