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世界シリーズ番外編

少女が泣いた後の世界状態

作者: 448 23

それぞれのタイトルにある「世界」とは何かを考えてお読み下さい。

「よく頑張ったな」

「……うん」

 キルが消えた。あの日の数日前に聞いた真実。柱を直す代わりに死ぬ、と。オードとはそういう者たちのことだ、と。わたしは受け止めた。本当はいやだった。いってほしくない。投げ出したい。でも、後戻りはできないから。ここまで来てしまったから。だから、わたしは受け止める。

 そう伝えたときのキルは嬉しそうだった。キルの存在理由は、それそのものと言って良かった。柱のためだけの存在。無数にある「世界」で活躍する一族。

「キルがね、笑ってた」

「……そうか」

「すごく、きれいだった」

「……そうか」

「……ずっと、笑ってた」

「……そうか」

「うん、笑ってた。ずっと笑ってたんだ。ほんと、ひどいよね。わたしはこんなに泣いてるっていうのに。それなのに、笑ってたんだ」

「……そう、か……」

「ねえ、お父さん。キルが言ってたんだ」

「ん……?」

「×××、×××××××。だって」

「……」





 これは、少女の物語。長い月日の後にやっと知った真実。



 おもいっきり泣いたあとに、父に伝えることが出来た。

 あの日の、キルの言葉を。

「ボクは、すごく幸せだよ」

 物静かで、ときに熱い父が泣いていた。

少女は強かった。

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