エピローグ
それからのことはよく覚えていない。
ただ確かなのはマドンを倒し、世界に平和が戻った事くらいだ。
「お…終わったの…?」
「そうみたいだな…」
起き上がるはハーキとフット。あとウルフとミエと言う勇者もフット達と共闘することになり、マドンの核に入り込み魔物の猛攻に遭いながらもなんとかマドンの核を破壊することが出来た。
フット達はマドンの核を破壊した後、美しい春を連想させる草原のような所にいた。
上には青空が広がる。
「それよりここはどこなの?」
「そう言えば…」
そんな時フットの前に光が現れる。
「うわっ!」勇者達は眩さに目を覆う。
眩しさが止んで目を開けるとチイチイがいた。
「あんさん達目を覚ましたようやな…」
チイチイはこう言う。
よく見るとチイチイの体が半透明になっていて、背中にうっすらと翼のようなものが生えているのが見えた。
「チイチイ様…その体…」と戸惑うミエ。
「あぁ、ウチはそろそろ空の向こうに帰らなあかん」
「空の向こう?」
「あぁ、ウチはな、実はこの世界の人間や無いねん。この世界は空の向こうのつい200年前に出来たんや」
チイチイは淡々と答えた。
「言ってることがよくわかんねえ」「俺もだ」
とフットにウルフ。
「はぁ、わかりやすく言うとやな。チイチイ父がこの世界を作ってウチが勇者としてこの世界を救いに来たと言うことや」
とチイチイが言った。
「そしてそしてこの役目も果たしたからそろそろウチは元いた世界に帰らなあかん。あんさん達との旅は辛い事もいっぱいあったけど楽しかったで…」
とチイチイは微笑んだ。
「嫌だよチイチイ様!ずっと貴女を慕っておりましたのに!!マカロニアを共に建て直して女王になって欲しいとも思っておりましたのに!!」
ハーキが泣きまくる。
「すまんなそれは出来へんねん。ウチは向こうで沢山やりたい事もあるさかいな。ほななみんな…」
そう言うとチイチイは空高く飛んで行ってしまった。
その姿はまさに天使とも呼べた。
勇者でもあり天使でもあり、または鬼でもあったチイチイ。
数個の顔を持ちながらもスイーツ世界の平和を愛する心はただ一つ。
彼女もまた、向こうの世界で旅行なり喧嘩なり小説を書いたりして忙しい日々を過ごすのだ。
そしてこれを書いているノファンも。
障害者手帳は手に取って障害者として過ごす事にはなっているが平穏はそれほどない。
安定の日々ではあるが脳内は常に不安定で頓服で紛らわし、職場でもあれこれとダメ出しを喰らいながら仕事をしている。
睡眠障害にも苦しめられ、眠れない日々の為睡眠薬は欠かせない。
また職場までの距離も5キロはあり、自転車で30分かけて移動しなければならない。
バス無料券はあるものの鳴門市と徳島市の境の所で、半分距離があるため自転車での移動が必要になる。
着く頃にはへとへとなのだが、障害者雇用とは言えど支店長からのダメ出しは休んでいれば必ず食らうので常に動き回らないといけない。
その分、自分の部屋に帰った時はまるで温泉に浸かっているような至福感に満たされる。
そうだノファンも常に戦っている。
孤独と、仕事と、発達障害の症状と…。
そんな事は置いといてそれぞれの日常に戻る勇者達。
また帰ったあと、フットにこんな話が持ちかけられた。
「フット!是非王様になってくれないか!」
「え?俺が王様!?」
フットは感激すると同時に二つ返事で承諾してしまう。
ところがこれには罠が…。
『まだだ…まだ終わっておらぬぞ…我はまだここにいる…』
向こうの世界でいつもの日常を過ごしていたチイチイだったがその禍々しい声に反応する。
『なんや今の声は…まだ脅威は消え去ってないと言うんか…またスイーツ世界に降りる必要があるな…』
チイチイ父がこう言う。
「えまたウチに遠征に行けと?」
「そう言うことや」
またチイチイはチイチイ父の命で勇者としてスイーツ世界に舞い降りる事になった。
「ホンマにあの人は人使い荒いな。しかししかし暇やったしいっちょ行ってみるか!」
常に旅行をしてバイタリティ充分なチイチイは翼を生やし再びスイーツ世界の地上に舞い降りた。
次はもうひとつのエンディング回…。
もうちょっとお付き合いください(笑)




