さらば友よ
「終わりだな死ねええええい!!」
ベリアルがトドメの一撃を放ってきた。
ケタルは決死の瞳をしベリアルの剣を受け止める。
「辛うじて受け止めたか…むっ!?」
ケタルはベリアルの剣を受け止めたところで体に光を集め出していた。
「な、何をするつもりだ貴様っ!」
狼狽えるベリアル。
「僕はどのみち長くない。世界が平和になるのを生きて見るのが叶わなくなるのは寂しいけど…この僕の犠牲で皆が救われるならそれも悪くないっ!!」
そしてケタルは決死の呪文を放った。
「メガンテ!!!」
ビカーーーーッと言う光とともに轟音が鳴り響く。
「っ!ケタル馬鹿な事はやめえーーー!!!」
「お兄ちゃん!!」
「ケタル何考えてるんだよ!!」
他勇者3人はケタルが自爆呪文を唱えているのに大声で放つ。
「皆さん…僕は皆さんと旅が出来て幸せでした。そしてそしてハーキ。こんな病弱な兄の為に苦労させてごめんね」
「お兄ちゃん嫌だよ!私もお兄ちゃんがいないと何も出来ないよ!!」
ハーキは泣き喚く。
「強く生きるんだハーキお前なら出来る…っ!」
とケタルは一言言い自分の中に呪文の粒子を集めた。
『自爆するつもりかこの男…っ!』とマドン。
そしてそして、眩い光が城を覆ったかと思うと悪霊の神々達はその光に飲み込まれ、消滅した。
チイチイ達は解放はされたが仲間を失った喪失感で途方に暮れていた。
「お兄ちゃんお兄ちゃん…」特にハーキは泣き崩れている。
「ケタル…」フットも呆然としていた。
一方のマドンも一定のダメージを受けていたが生きていた。
『ぐぬぬこの儂は死んでおらぬこうなったらこの城ごとお前らを道連れにしてやるわーー!!』
マドンが暴れ出した。
「うわ地震だ!」
「くっマドンめハーキ最後の戦いややるで!!」
チイチイがハーキを起こそうとしたがハーキは悲しみに暮れたまま立つことがままならなかった。
「お兄ちゃんが死んじゃったら私はもう…」
ハーキは絶望で戦闘不能な状況となっていた。
チイチイはそんなハーキを引っ叩く。
パシーンと渇いた音が鳴りハーキの頬はほんのり赤く染まる。
「ハーキちゃん!チイチイ様何するんだ!?」とフット。
チイチイは構わずハーキの胸ぐらを掴み叱りつける。
「アンタがこんな事でケタルが喜ぶと思ってるのか!こんな時こそマドンを倒してケタルの仇を討たんとあかんのやろうが!いつまでもグズグズするな!!」
チイチイもまた、涙を瞳に溜めながらも思いきりハーキを叱咤していた。
悲しいのはチイチイだって同じなのだ。だからと言って悲しみに暮れている場合では無い。
今こそ世界の命運がかけられた最後の戦いなのだから。
「うん…!」ハーキはチイチイの一言で目が覚め、服で自身の涙を拭った。
「こう言う時こそ私がしっかりしなきゃ…勇者だもんね…!」
「ああ、最後の戦いや行くで!!」
とチイチイはハーキを起こし戦いに臨んだ。
城に地震が起こり出す。
『ははははもうじきこの城は崩れる!!お前達も終わりだああああああぁ!!!』
マドンは狂い笑いながら勇者達を罵った。
「くっ!ここで終わりか…っ!」チイチイが覚悟を決めた時テレパシーを感じ取った。
「誰や!?」チイチイはウサ耳を立てる。
『ケンノエだ。白鳥の姿となってこっちに向かっている!ここが崩壊する前に入り口まで脱出するのだ!』
なんと精霊王ケンノエが自ら白鳥となってマドン城まで飛んでいたのだ。
「みんな急ぐで!!」チイチイは勇者達を走らせる。
その時地面が割れてハーキが落ちかける。
真下は崩れ落ちると海に真っ逆様。
「ハーキ!!」ハーキの手首を掴むはフット。
「大丈夫か!!」「うん!」
そしてフットはハーキを引っ張り上げて脱出を目指す。
ガラガラガラッ!
「しまった塞がれた!!」
城の瓦礫が崩れ進路が絶たれてしまう。
「ウチに任せとき!浪速ストレート!!」
しかしチイチイが強烈な拳でそれを打開。
通路が開き再び勇者達は脱出を志す。
「はぁはぁMPが切れかけとる!」「俺もだぶん回しも仁王立ちもする元気が無え」
「みんな元気だしてまりょくのうた!」
ハーキがまりょくの歌で勇者達を元気づける。
それぞれがそれぞれの役割を果たしながら入り口まで走っていった。




