フットの母親
その影が姿を現した時フットの表情が険しくなった。
「おかん…っ!」
「あいつが!?」
フットの声にチイチイが反応。現れたのはなんとフットの母親だった。
「何故ここに…っ!」
「貴方を殺すためよ」
フット母がこう答えた。
「アンタ子を殺すってどう言う神経してるねん!?」
「悪霊の神々にならないと殺せとのマドン様のお言いつけよ」
チイチイが怒鳴るもフット母は表情を何一つ変えずこう返す。
なんとフット母はフットを暗殺しにここまでやってきたのだった。
「フット、勇者などと幼稚園児のような事言ってないでマドン教に入るのです。宗教は人を救うのよ!」
そんな事を言うフット母にフットは刃を突きかざす。
「くそうアンタはいつも俺を縛ってきた!勇者になる事を否定して兵士に行かせた!アンタに縛られるのは沢山だ!」フットが激昂。
「そしてそして、俺が働き出した時も貴女は「正社員なのか!?」と批判しかしなかった!何故そんな親を肯定しなければならないのだ!!」
「そうそれが貴方の答えね」フット母が静かに零すと両手を広げて唱えた。
「ギガデイン!!」「「うわーぁ!!」」
特大呪文をいきなり仕掛けられフット達は大ダメージを受ける。
「くそう…っ!」「なかなかしぶといわね流石は勇者…」
フット母はこう言う。
「アンタの根性叩き直したる!!」
チイチイが突進。
「召喚!可愛い下僕どもよ息子達を可愛がっておあげなさい!」
フット母が魔物を召喚した。
ドカンドカンドカン!!
魔物達の攻撃が襲う。
チイチイはそこで立ち往生。
「覇王斬!!」フットは魔物らを覇王斬で斬り抜ける。
「何故アンタは悪霊に身を売り渡したのだ!?」
「ふふふマドン様は世界に永遠の平和と安寧をもたらそうとしてくれてるのよ。それを否定する勇者は息子だろうと死ぬべし!」
フット母はなんとマドン側に着いてしまっていた。
「ビーストモードからの!浪速ストレート!!」
チイチイが攻撃を仕掛けた。
魔物達がフット母のダメージを肩代わりし次々と崩れる。
「フット!貴方も悪霊の神々となるべきなのよ!」
「おかん!貴女は騙されているのだ!!うあァー!!」
フットはグランドクロスを放ち魔物達を上空に振り飛ばす。
「親の言うとおりにしなさい!親の言う事は絶対なのよ!!」
「貴女は親なんかじゃない!!」
そしてそしてフットとフット母が激突し合う。
「それだけいい腕してるのに何故悪霊の神々を否定するの!?」
「俺は平和のために戦っているのだ!』
鍔迫り合いしながら放ち合う親子。
火花を散らしながら。
「ここまで毒親やったなんて!」チイチイはフット母の毒親ぷりに悪寒さえ覚えた。おかんだけに。
フットは剣の火花を散らしながら叫んだ。
「子供は親の操り人形じゃない!!」
「貴方は私を否定するつもりなの!?」
「貴女なんか大っ嫌いだ!!」
ドカーーーーン!!互いの攻撃で爆発が広がった。
ーーー
「うぐっくそう…っ!」
フットは地面に項垂れ泣き崩れていた。
「フット…」「マドンめ覚悟しろ必ずお前を倒してやる!」
フットは涙ながらも拳を強く握り誓った。
フット母は暫く見ぬ間に狂信者となっていた。そしてフットを悪霊の神々を引き込むように。
チイチイもそこそこ温かな家庭に育っていただけに冷え切った家庭の事情や子供の事は聞いた事なかったがフットのようなそんな家庭の子もまたいると今知った。
そしてフットは自分自身の親の亡骸に花を手向ける。
「次生まれた時は幸せになっておくれ…」
とそして祈る。
「何故?アンタの家族は毒親やったんやろ?」
毒親に花を手向けだしたフットにチイチイが聞く。
「毒親とは言っても家族ですからね。あの人は厳しかったとは言え僕が小さい頃はまともで僕を愛情たっぷりに育ててくれました…」
フットは深い悲しみに包まれた目でフット親を天国まで見送った。
そして立ち上がる。
「行きましょうチイチイ様…修行はまだまだ終わっていません」「ああっ!』
そして勇者二人は深き悲しみを背負ったまま修行の続きへ…。
ーーー♪
親の骸(原曲:ドラクエ4勇者の故郷)
狂った家族を天まで見送って
逆らい戻る息子をどう思う?
それでも勇者は堕ちた母親に
愛情を向ける
ああ花束を手向き、そして冥福を祈る。
幸せになるようにと。
踵を返し勇者はまた勇み歩く。
母親は墓から息子を見守る。
『立派になったね』とそうっと呟き。
そう親は子供を永遠に子供と思うもの。
どんな子供でも
密かに愛を向ける。
愛を向けるのだ…。
ーーー♪




