恨み嫉み
「うぐぐ…」
ケタルは満身創痍になりフットを諌める。
「フットさん落ち着いてください落ち着いてください…」
『俺は何もかもが憎たらしい…皆殺しだみんなみんな皆殺しだ!!』
ケタルに放たれるフットの猛攻。
「ぐあああーーーーっ!!」
ドカーーーーン!!
ケタルは弾き飛ばされ柱にぶつかる。そしてそして柱も同時にケタルも崩れた。
「ぐぬぬ…こうなったらラリホー!!」
ケタルは眠りの呪文をフットに放つ。
しかしそれも鎧に弾かれる。
『クックックこの悪魔の鎧は呪文を通さぬ!』
悪魔の鎧はこうニタニタと嘲った。
「どうすれば良いどうすれば良い…はっ!」
ケタルは感じた。
フットが自分自身の心の闇と戦っているのを。
(体が言う事を聞かねえ…心がザワザワして何もかもぶち壊してえ…憎い憎い憎い!目の前にいる奴も、人間も…おいどうしちまったんだよ俺…俺はこんな人間じゃ無かったはずだ!!!)
対立し合う自分の意思と奥底の闇の意思。
(フットさんも心の中でもがいている…ぶち壊したい気持ちと僕と戦いたくないと言う意思が…)
ケタルは剣で防御態勢を取っている。
『ぐおおおぉ!!!』「がはあああん!!!」
ケタルはまたもフットの猛攻に晒された。
もう駄目かも知れない…ケタルはそう思った。
確かに自分はノーナの加護で破壊の剣と嘆きの盾を装備出来ているがフットは悪魔の鎧で呪いの影響をもろに受け、理性を失っている状態である。
無差別に人を殺す殺人マシーンとなっている。
仲間であるケタルも例外では無い。
チイチイも、ハーキも斬られるだろう。
それだけはあってはならない。
ケタルは立ちあがろうとする。しかし力が入らず膝をついてしまう。
そして内部から痛みが走りケタルは血を吐いてしまった。
「がはっ!!」大地にケタルから吐いた血が染め上がる。
(も…もう駄目だ…)
体の自由が効かず痛みばかりが襲い朦朧と仕掛けていたところに小さな影が飛んできた。
「アンタら何してんねん!!」
甲高い声とともに美少女が現れた。
「チイチイ様!!」そう現れたのはチイチイ父装備を纏った真の勇者チイチイだった。
「グルルルル…」うなる悪魔の鎧。
「匂いでわかるで…その中におるんはフットやな?」
チイチイは悪魔の鎧の正体がフットであるのを悟った。
ケタルは地面に這いつくばったまま呆然とチイチイ達を見守ることしかできなかった。
フットの猛攻と自身の病気が加速していたところだからだ。
「僕はどうなっても良いフットさんを助けてください」とケタル。
「人の事心配するよりお前の事を心配せえ」
とチイチイはフットに目を向けたままケタルに言った。
案の定、フットは立ちとまりもせずにチイチイに斬りかかってきた。
ガチイン!フットとチイチイの剣が重なり合う。
「目を覚ませボケ!」チイチイがフットを薙ぎ払う。
しかしフットは憎しみを向けたようにまたチイチイに向かってきた。
カキインカキインとフットとチイチイの激しい攻防戦。
「でゃー!!」チイチイの突きでフットは弾かれるも立ち上がる。
『殺す…殺す…殺す…』
フットからは明らかに殺気が。
「悪魔の鎧でだいぶやられとるな…だったらこれで…」
チイチイは呪文を剣に乗せた。
『うおおおおおおおぉ!!!』
フットが渾身の一撃を放とうとチイチイに向かってきた。
「シャナク斬り!!」
シャナク斬りとは、解呪呪文と共に相手を斬り伏せ、共に呪いを解く剣技である。
パキーーーーン!!
フットの鎧は粉々に割れて中身のフットが姿を現した。
フットは地面に崩れた。
「はぁはぁ…そうやケタル大丈夫か世界樹の葉や!」
「ごくごく…ありがとうございます…」
チイチイから薬草を飲まされなんとかケタルの病状は治る。
やがてフットが目を覚ました。
「いてて俺はなんかいけねえ事をしてた気がする…」
「お前な…」チイチイが文句を言おうとしていた所ケタルが止める。
「悪い夢を見ていたんですよ」とケタルはフットを労った。
「そうか…」「それよりハーキを探しに行こうや。あの子女の子やから心配やで」
「そうですね」
そしてチイチイ、ケタル、そして復帰したフットはまだどこかに取り残されているハーキを探しはじめた。




