おっとり勇者
いっぽうでスイーツ城ーーー
『姉さん葵だよ俺を助けてくれよ………』
琴奈はその声に毎夜苦しんでいた。
そして目を覚ます。
「葵が………今件の事件と何か関係が……?」
琴奈も勇者が誤った性格を指摘されて自滅していってる事件が起きている事を知っていた。
相手はチイチイ父と言うが最近、チイチイが指摘したことが噂に噂が広がり、スイーツ城にも知れ渡ったのだ。
ーーー
スイーツ城の朝礼には瞬一を代表に執り行われていた。
「最近、勇者達が自滅していっていると言う話を聞く。先程、ケタル殿が心身を壊し、また寝込んだと言う連絡も入った」
えぇ!?と隊員達がどよめく。
「そんなそんな……ケタル様が……」
隊員の一人であるノーナは特に動揺していた。
「落ち着いて!」瞬一が隊員を黙らせる。
「ケタル殿については妹君の看病で心配しなくて良いとのことだ」
「出来たらノーナが世話したかった……」
それを聞いてノーナはむすっとしていたが。
(余程ケタルさんのことが好きなんですねぇ…)
とシュカシュカは思った。
「はい」それを他所に琴奈が手を挙げる。
「どうしたかね海獅子君」と瞬一。
「それと関係あるかどうかわかりませんが夜な夜な、私の弟が夢に現れるんです。そして助けてくれと…」
「ふむこれは匂うな…では今は犯人探しをしているチイチイ達に連絡を取ってみるか…」
ーーー
チイチイ達が犯人探しの旅をしている途中、瞬一から連絡が入った。
『チイチイ、すまないがスイーツ城に来てくれないか?』
「瞬一?うんわかった」
チイチイがスマホを切る。
「どうしたんです?」
「瞬一から連絡が入った。スイーツ城に行くで」
そして船でスイーツ城へ向かう。
ーーー
「戻ってもらってすまない。実は琴奈君が今回の事件で悩んでいてね」
「はい…チイチイ父を名乗って勇者を誑かしている者はひょっとして弟、葵じゃないかと思うんです…」
琴奈は曇った表情と声でぽつりぽつりと話した。
彼女の心労がいかなるものか伺える。
「そうか……琴奈はん、一旦勇者になってみんか?」
「え?私が………?」
琴奈はきょとんとする。
「犯人をそれでおびき寄せるんや」
とチイチイは作戦を立てた。
やがてノーナがやって来た。
「あこないだの女の子…」とフット。
「どうかケタル様の仇を討ってください」
「あぁわかっとるよ」
そこで「僕に任せてください」とフットはにこやかに言うがノーナは無視してシュカシュカの元にもどっていった。
「嫌われてるみたいやでフット…」
「しょんな…」
フットは落ち込みまくった。
そして作戦は始められる。
「ラリホー!」チイチイは琴奈を呪文で眠らせた。
琴奈はラリホーで眠らされる。
「よしウチらにも、ラリホー!」
チイチイは自身達も呪文で眠らせた。
ーーー琴奈の夢の中。
「お前が新たなる勇者…え?」葵が表情を変える。
「やはりお前だったのですね」琴奈が声を落とす。
「まさか悪霊の神々になっていただなんて……」
「くそうこれも姉さんも、みんなも悪いんだ!姉さんがもっと俺を認めてくれていたらっ!」
葵が琴奈を襲ってきた。
「ぐっ!」そこでフットが現れ剣で葵の攻撃を押し返す。
「やはりチイチイ父に化けて勇者を誑かしていたのはお前か海獅子葵!」
そしてチイチイが颯爽と登場。
「くそう勇者達め犯人を突き止められたからには仕方あるまい!」
そして葵との戦闘が始まる。
「出でよ夜馬!!」葵が唱えると紫色の馬が現れた。
それに乗り葵は大槍で突進してくる。
「来るで!フット琴奈を守ったりや!」
「勿論ですとも!仁王立ち!!」
フットは仁王立ちで琴奈を守る。
ドカドカドカーーン!!
葵の攻撃が全てフットに入る。
「ぐぐなんのこれしき…っ!」フットは猛攻に耐えまくる。
「こっちも忘れるなや!浪速ストレート!!」
チイチイが攻撃するが葵はそれを躱した。
『ふははここは夢の中!夢の世界では貴様らには場が悪い!この勝負は俺の勝ちだ!ギカスラーーーッシュ!!』
「ぐあああぁっ!!!」フットが崩れる。
「そんなフットさん!」
琴奈が悲鳴を上げる。
「さあ姉さん。貴女も僕と同じ悪霊の神々になろうよ……」
葵は大槍で琴奈の腑を狙った。彼の目は赤く染まり正気を失っていた。




