犬になっても勇者は勇者
さてさて犬にされたチイチイだったがなんと彼女は彼女で幸せに過ごしていた。
自然界では強さが絶対、前世より勇者だったチイチイは犬でも勇者として君臨していたのだ。
『ものどもウチに着いてこぉい!!』
『ついていきます勇者様!』
犬勇者チイチイは沢山の下僕犬を連れて人里を荒らしまわっていた。
(くっそーおとんめ!せっかくウチは魔王を倒して世界に平和を取り戻そうとしてたのに!こうなったら犬となってでも世界荒らし回したるわ!!)
勇者だったチイチイは犬にされてしまってもうヤケクソで人里を荒らしまわる。
チイチイに同調された犬達も犬達でそれなりに不遇だったのでチイチイの強さと言葉に感銘を受けて舎弟になった犬達だ。
そもそも犬にされたばかりのチイチイは当初から大勢の犬達に囲まれる所から始まった。
ーーーそれは約1週間前。
『よう姉ちゃんここはお嬢ちゃんの来るところじゃないぜそれとも俺達に襲われたいのかい?』
野良犬の中のボスがこうチイチイに唸ってきた。
『は?野良犬の分際で何生意気言いよるねんウチは勇者やぞ?』
野良犬チイチイがこう吐き捨てるとどっと野良犬達は笑い出した。
『はっはっはてめえのようなどチビが勇者だとな!ならてめえの強さを見せてみろ!!』
野良犬達が一斉に襲いかかってきた。
しかしチイチイはこれらを身軽に避け、次々といなしていく。
『犬になったからか呪文は使えんけど人間の時に思いきりレベルアップしたから肉弾戦でも誰にも負けへんねん!!』
チイチイは華麗な身のこなしと攻撃力、気迫で次々と野良犬の群れをやっつけた。
『どんなもんでい!』
『ははっ!一生私達は貴女についていきます!』
とそして、今に至る。
そんな時そんな時人里ではまた一人勇者がいた。
そいつは誰だ?誰だ?誰だ?
それはケタルケタルだ〜ケタルだ〜♪
ケタルもまた勇者でちょうど犬に野畑を荒らされていると言う村にやってきた。
「これは散々ですね」
「そうですおかげで食べ物が無くなり私達は飢え死にしそうです」
ケタルは村人の悩みを聞き立ち上がる。
「よし私がなんとかしてみせよう!」
「これは心強い!お願いします!」
村人達はケタルを歓迎。
しかししかしそれを不愉快に見ている少年が一人いた。
(ふんいっちょ前に呪文が使えるからって偉そうに、俺は呪文は使えないが腕っぷしなら負けないってんでい!)
その浮いていた少年はフット。
彼も実は勇者だった。
フットは腕はべらぼうに立つがいかんせん呪文は使えなかった。
逆にケタルは剣の腕はほどほどではあるにしろ、呪文が使えた。
呪文が使える点は生活でも戦いでも役にたつ。
呪文は武力よりも強し!がこの世界の常識でもあった。




