おおごえ
「くそっコイツ強えっ!!」
「きゃあぁ!」
流石のフットもやられ放題。ハーキが戦意を砕かれ魔物の牙に晒されそうになった。
そして流石のチイチイも。
「くそっ力が全然出えひん!ウチはこんな奴らに負けるほどヤワでは無かったはずや!」と魔物相手に苦戦。
「ギガデイン!!」パーティの危機を感じ取ったケタルがここで大技を放つ。
ケタルによって体勢は整えられたがケタルは命を大幅に削ったように息を荒げる。
そして背中を痛めたようでそこで崩れる。
「お兄ちゃん!」「無茶するからっ!」
ハーキとフットが駆け寄る。
「ぜえはあ…僕はもうダメだ…」「弱気な事言うな勇者やろ!」「しっかりしろ!」
ケタルが朦朧としている中チイチイ達が懸命に励ます。
そんな時マグマが噴き出しチイチイ達を襲って来た。
「ここは危険だ早く安全な所へ避難しなきゃ!」
フットがケタルを担ぎ上げ勇者達を先導する。
ドカーンドカーン!!マグマが活発になってきた。
早く移動させないと皆が危ない。
ーーー安全な所に避難は出来たがケタルが死にかける。
「皆は早く行って…僕はもうじき死ぬ…」
「死なへん!頑張るんや!!」
チイチイが大泣きしながら叱咤する。
「やだよやだよ…ケタルお兄ちゃんが死んじゃうなんて…」
ハーキは声を震わせた。
はっ!ハーキは思い出したチイチイ父が言った事を。
『いざとなったらおおごえのスキルを使うんや。必ずお前達を助けてくれるやろう』
しかし迷った。こんな所でおおごえのスキルが役に立つんだろうか?
『迷ってる暇はないよ』そこで潤実の声を聞くハーキ。
「そうだね……せっかくチイチイ父のくれたスキルを使わなきゃ……おおごえ!!」
ハーキは大声を出した。
「うわっどうしたんだよハーキ!」「ケタルが死にかけて気が動転したか!?」
とフットにチイチイ。
やはり来ない…か。ハーキは目の前が暗転する感覚を覚えた。
こんな所にまさか奇跡が起こるなんて……。
そんな時ギュイーンと言う機械音とともに光が飛んできた。
バアアアアアアァン!!
なんとそこにかつて会った人物が姿を現したのだ。
「「水川千恵!!」」「おおごえを聞いて気配を辿ってきたら…まさか人がおったなんてな…」
なんと水川千恵が大声を聞いてやって来たのだった。
ケタルが死にかけているのを千恵の目が捉える。
「その子は一体どうしたんや?」「お兄ちゃんは私達を救う為に無茶な事をして体がボロボロに…助けて!助けてください!!」
ハーキがわんわんと泣き崩れる。
「泣き止み、その為の世界樹の葉や」
千恵はハーキを優しく宥め、綺麗に輝く樹葉を出した。
「それは世界樹の葉!」「そうや。しかしそれは貴重な薬草で百年に一度しか実らんものなんや。数には限りがあるから使うんには抵抗があるけど…」
「でも助けて欲しいんです!」
「せやな。お嬢ちゃんの気持ちもわかる。ウチに任しとき」
そして千恵は世界樹の葉をケタルに飲ませた。
すると顔色が良くなり息を荒げていたのがすうっと安定する。
「お兄ちゃん具合は?」「楽になったよ。ありがとうございます」
ケタルは千恵に礼を述べた。
「実はウチはあんさんに知らせに来たんや。スイーツ城が落とされた」
「「えぇっ!?」」
そうそう、チイチイ達が海底洞窟を攻略しようとしている時に魔物達が侵攻してきたらしいのだ。




