ドナーの副作用
魔物も強力になっていく。
「イオナズン!」チイチイは最高呪文で魔物達にダメージを与えるが与えられるダメージはたかが知れていた。
その代わりケタルが「ギガデイン!」と唱える。
「「ウボアアアィ!!」」
魔物達は一斉に総崩れ。ケタルが目覚ましい活躍を見せる。
チイチイは段々と悔しさを覚えるようになっていた。
「あぁもうっ!今まで出来てた事が出来ん!ギガデインもベホマズンもウチのものやったのにっ!!」
チイチイが突然騒ぎ立てる。
そんな時チイチイの髪が逆立ち足元から風が上がりビリビリと電気が走る。
「おいおい災害はしっかりアンタのものになってるのかよ!?」
「えどう言う事?」
何も知らないハーキがフットに聞き出す。
「た、大変です宥めてあげないと….っ」
ケタルが動こうとした時…。
大突風が起こりパーティは全滅。
「おお勇者達!死んでしまうとはふがいない!」
こう神父に言われフットは(うるせえ…)と思うのだった。
チイチイはずっとご機嫌斜めである。
何故なら自分の能力がケタルのものになってしまい殆ど活躍できなくなったからだ。
「ベホマズン!」ケタルが最高の回復呪文で権勢を立て直してもチイチイが災害で滅茶苦茶にして教会に飛ばしてしまう。
「どうすりゃ良いんだよ…」「僕のせいで…」
フットとケタルは対応に困る。
「私が慰めにいく」とハーキ。「お前に何かあったら…」とケタルが止めようとするのをビシリとハーキが指を指す。
「良いから黙って見てて!お兄ちゃん私がいないと本当に駄目なんだから」
そしてハーキはチイチイを慰める。
「チイチイさんのおかげでケタルお兄ちゃんは助かったんだよ。体は弱ってしまっても補助呪文は役に立ってるしとっても助かってる。だから元気出してください」
「うぅ…ハーキおおきにおおきに…」
チイチイは嬉しく号泣。
ともあれ、チイチイは悔しさで災害を起こす事があれ以降無くなった………ら良いな♪
そして再び旅を再開。
「あれ眠気が…」ケタルが立ちくらみを覚えそのまま大地に身を預けた。
「ケタル!」「お兄ちゃん!!」
ケタルは眠りこけてしまい仕方なくパーティは野宿する事に。
ーーー
あれからケタルはずっと目を覚まさない。
「桜はんにまた診てもらった方が良さそうやな」
チイチイがそう言いケタルを担ぐ。
そして桜のいるクリニックへ。
旅の間ハーキは悲しみを吐露するようにケタルの事を3人に話す。
「お兄ちゃんは自閉症の他に体も弱くて…でも長男で王子だからと無理して頑張ってきたの…それに勇者とチイチイ父様のお告げを聞いてから更に無理をするようになっちゃって…」
「そうなんか…」とチイチイ。
「でもこのまま目を覚まさなかったら旅はどうするんだ?」とフットが言い出す。
「アンタケタルをほっぽって魔王のところまで行こうとしてたやんか」
「チイチイシーーーッシーーーッ」
チイチイがこう言い出しハーキに聞かれてはまずいとフットはチイチイを制止。
ハーキはそれを聞いても動じる様子もなく「仕方ないですチイチイさん可愛いですもんね」
確かにチイチイは可愛い。男なら独り占めしたくなるものだ。
そして桜クリニックへーーー
再びケタルの容態を桜は診る。
「心配いらないわ慣れない強力な呪文と技を使って寝ているだけよ」
「良かったぁ…」と胸を撫で下ろす3人。特にハーキはどっと気の疲れが吹っ飛ぶ。
「まあでも、無理はしないようにとケタル君には伝えてあげてください。元々体が丈夫でないようですし技を使い過ぎると体に響きますからね」
「「はい」」
そしてケタルが目を覚ました後旅を続行。
しかし思ったのでチイチイに聞く。
「何故チイチイは今までギガデインとか強力な技を使ってても平然としていたんだ?」
「ウチは小さい頃からおとんに鍛えられてん。やから平気なんや」
「流石はチイチイ…」
流石はチイチイ根っからの勇者だった。




