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伝わらないこと、伝えたいこと  作者: 仙夏


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07

親父はすぐに車を出して結構走ってから大きな公園の駐車場で車を停めた。

父 「…前に俺に聞いた腕に火傷の跡がある奴って…」

悠 「…澪があの火事で火を点けた奴にその跡があったって。」

父 「…じゃあ、あいつが?澪はあいつが火を点けたんだと思うんだな?」

俺が澪を見ると澪は泣きながら頷いた。

悠 「…そうだって。」

父 「…母さんとの結婚を最初に反対したのは、あいつなんだ。殺人事件とかが好きなあいつは母さんが如月家の血筋だってすぐに見抜いた。」

悠 「まじか…じゃあ、親父たちが結婚してからあの火傷をしたんだな。」

父 「そうなるな…俺が結婚する前はあんな傷無かった。はぁ…如月家じゃなかったか…」

悠 「…」

父 「あの場で言ったら何しだすか分からないからな。あいつは昔から少し変わっているから。度を越えて…」

悠 「…だから、葬式くらいでしか会わなかったんだ。」

父 「あぁ、なぜだか今回は気が向いてしまって。母さんのためかもな。」

悠 「…かもな。でも、澪の証言しか証拠がない。」

父 「…警察にも言いようがないしな…」

悠 「…あっ、でも、澪が警察署に忍び込んだとき、あの火事について調べ始めた奴が居るって言ってた。」

父 「警察署に忍び込んだ?妹にそんな危ないことさせんな!」

悠 「ち、違うって。勝手に澪が行ったんだよ。な?そうだろ?」

澪を見ると澪は凄く嬉しそうに笑っていた。

悠 「何笑ってんだよ。ふっ、全く。」

父 「…ふぅ。久しぶりだな。三人で出掛けたことなんてなかった。」

悠 「…あの火事で何もかも変わった。仕方ないよ。」

父 「…あいつに腹が立つな。」

悠 「…だな。俺、その刑事に会ってみる。」

父 「そ、そんなのできるのか?」

悠 「やってみる。」

父 「…分かった。俺も行こう。」

悠 「まじで?どうしたんだよ、急に。」

父 「何がだ。」

悠 「…最近、父親らしいじゃん。」

父 「…カレーライスのおかげだな。久しぶりに澪を感じられた。」

悠 「…じゃあ、明日行くぞ。」

次の日、俺らは三人で警察署の前で張り込んでいた。

父 「いつ出てくるかも分かんないんだぞ?直接乗り込んだ方が良いだろ。」

悠 「駄目。俺らが変人になっちゃう。」

澪 「…」

俺と親父は寒さに震えながらコーヒーを飲んだり肉まんを食べたりしていた。

澪 「…あっ、来た。」

そちらを見ると警察署から二人の男が出てきた。

悠 「どっち?」

澪 「右の背が高い方。」

悠 「おっけ。親父、背が高い方だ。」

父 「あぁ。」

二人の前まで走るとその男の人は驚きながら親父を指差した。

刑事 「あっ、雨宮さん。」

父 「あ、あの…ちょっと話したいことがあって。」

刑事 「…あの火事のことですか?」

父 「え、ええ。」

刑事 「…先輩、先に行ってください。俺、この人たちと話してきます。」

先輩 「…分かった。」

一人が行くと、刑事さんは俺らのコーヒーの缶の数を見て近くのファミレスに向かった。

刑事 「…メモしても?」

父 「はい。」

刑事 「…妹さんが亡くなったんだよね。聞いたよ。」

悠 「…はい。」

刑事 「…俺、それでもう一回あの火事を調べてみようかなって。あまりにも自殺って片付けたのは早いと思うから。」

悠 「…実は…その、俺、妹が見えるんです。あー、信じてもらわなくても大丈夫なんですが…その…」

刑事 「…続けて。」

刑事さんは、親父がドリンクバーを四人分注文して飲み物が一つ多く用意されているからか頷きながら聞いてくれた。

悠 「…あの火事現場に妹も一緒に居たんです。それで、男の人が火を点けたって。その男の人には腕に火傷の跡があって…」

俺が親父を見ると親父は刑事さんを見た。

父 「…昨日、久しぶりに私の弟に会ったんです。弟にはその傷がありました。」

刑事 「…お父様の弟さんですか…あまりそこまで追ってませんでした。都外にお住みですよね?」

父 「はい。それに弟は妻を嫌っていました。これくらいしか我々に提供できるものはないんですが…」

刑事 「…妹さんはほかに言いたいことはないですか?」

悠 「…澪、ある?」

澪が首を横に振った。

悠 「…大丈夫みたいです。でも、信じてくれるんですね。」

刑事 「まぁね。俺も妹居たからさ。素直に言いたいこと言っていれば良かったって後悔するときがある。」

悠 「…」

父 「…ありがとうございます。」

刑事 「こちらこそ。もう少し調べてみます。良い報告ができるかは分からないですが。」


俺たちが刑事さんと別れて家に帰ろうとすると、クリスマスのイルミネーションがきれいに輝いていた。

父 「…今日は、クリスマスイブか。」

悠 「だな。忘れてた。」

父 「…ちょうど十年もお祝いしていなかったな。」

悠 「…買ってく?ケーキ。」

父 「…でも、どこも予約でいっぱいだろ。」

悠 「あぁ…そっか…」

父 「…スーパー見てみるか。」

俺たちはスーパーで小さなケーキを買って、家に帰って久しぶりに食卓を囲んだ。

澪と親父といっぱい話していっぱい笑った。

深夜二時頃になって、部屋に戻ってベッドに座ると急に澪が倒れた。

悠 「澪…?」

? 「はーい、時間切れでーす。」

悠 「誰…?」

俺の前には、変な黒いマントをまとった男がいて棒を二本持っていた。

そして、その男の持っている棒の先には糸がついていてその糸は澪に繋がっていた。

まるで…操り人形かのように…

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