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---数年後
俺は、親父の車の助手席に乗りながら花束を膝の上に乗せていた。
父 「ほら。」
親父に渡された食いかけのハンバーガーを受け取り、俺は飲みかけの飲み物を親父に渡した。
目的地に到着して、二人で歩くと春の心地よい風が俺らの間に吹いた。
俺たちは、母さんと澪のお墓を掃除してきれいに花を供えた。
父 「…母さん。澪。これ、見てくれよ。」
親父は先日報道された新聞記事をお墓に向けて見せた。
刑事さんたちの活躍によって叔父があの日、火を点けた犯人だということが分かり、無事に逮捕されたという記事だった。
叔父は野菜配達員を装って家に入り込み、母さんを殺すために家に放火した。
澪があの家に居たことは叔父は気づいていなかったそうだ。
そして、叔父の犯行の目的は、如月家の人間を消そうとしたこと。
あの刑事さんは叔父が逮捕される数日前に家に来て俺と親父に叔父を逮捕することを報告してくれた。
父 「…ありがとうな。澪。悠、お前もだ。」
悠 「…あぁ。澪、ごめんな。素直じゃない兄貴と親父でさ。今は思ったこと全部言って、伝えたいことは全部伝えてる。」
父 「伝えすぎてほとんど喧嘩だけどな。」
悠 「…でも、それで良いんだよな。二人で何とかやってくから。母さんと見守っててよ。」
帰り道、俺は親父の後ろを歩いていた。
悠 「…親父。」
俺が声を掛けると親父は立ち止まって振り向いた。
父 「何だ?」
悠 「…叔父のこと、ごめんな。」
父 「…何謝ってんだよ。逆に感謝してる。」
悠 「…ありがとう。」
父 「…蕎麦でも食って帰るか。」
悠 「あぁ。いつもんとこ行こう。」
俺は親父の背中を押しながら歩き出した。




