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自分が嫌いな人へ

ここは様々な事情を抱えた人達が訪れる名前のない不思議な神社。

今日もまた1人参拝客が…

———夕日が真っ直ぐ落ちてゆく。今日もまた参拝客が訪れる


鳥居をくぐってきたのは青い薔薇のキーホルダーを鞄につけた女性、前回と同じ高校生ぐらいの子


「ようこそ」

「…どうも」


彼女はそう軽く挨拶をして賽銭箱まで向かう


参拝を終えた彼女にもう一度


「ようこそ。ここは名前のない神社、悩みを持った人だけが訪れる少し不思議な神社です。あなたの悩みは何ですか?」

「…自分を好きになれないんです」


私たちは縁側に腰をかけて話を続ける


「どれだけ頑張っても周りに追いつかなくて、才能なんていう言い訳をして逃げてしまう。私が才能という人だって死ぬほど努力をしていることは知ってるのに自分だけ逃げてしまう。それでいて変わろうとしても変われない自分が大嫌いなんです」

「そっか、でも最初は努力してたんでしょ?」

「そう…だけど…」

「ならきっとあなたは頑張ってる」

「そんなこと…ないですよ…」

「あなたが自分を否定するなら私があなたを肯定する。私だけじゃない。あなたを肯定する人は必ずいる。自分を好きになれないなら、その人のために頑張ってみたら?」

「…私、変われるんですかね」

「ええ、きっと」


そして鳥居まで彼女を見送る


「本当にありがとうございました」


彼女の声色が少し明るくなった気がする


「別に感謝されるようなことはしてないよ。それに、これは私の仕事だからね」

「人に感謝されるような仕事はいくらでもあると思いますよ」

「確かにそうだね。さて、そろそろ時間かな」

「ですね。そろそろ帰らないと叱られちゃうかも。それじゃあ改めてありがとうございました」

「気をつけて」

「はいっ」


そう言って彼女は星空のもと、鳥居をくぐる

自分が嫌いな人へ、私があなたを肯定する

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