「無情」の考え
「無敵」と「無情」の戦いは激化していく、、
だが、「無情」と「無敵」の差はあまりにも大きかった、、
そして、「無敵」が「無情」に問いを投げかける、、
その問いに「無情」は、、
「無敵」と「無情」の戦いは激化していった、、
だが、「無情」の攻撃は「無敵」には届かず、「無情」にのみ傷が増えていった。
「どうした?傷はお前だけにしかついていないようだが?」
「、、っ!!それでも私は進み続ける!!」
「無情」はその決意のもと「無敵」に刀を振りながら攻撃を続け、、
しかし、「無敵」はその攻撃をいなし、躱しの攻防一体を続けた。
それは確実に「無情」の体を削っていく、、
すると、「無情」は攻撃をやめ、傷を見つめる、、
「くそ、、ここまで差があるのか、、」
「どうした?攻撃を続けないのか?進み続けるのではないのか?それとも、、我との差を見て絶望でもしたか?」
「そうね、、貴方と私とではどれだけ頑張ろうと縮まらない差がある、、それでも、貴方に挑んだものたちに決して負けを認めるなと、、言われてしまったのでね、、」
「そうか、、だが?お前が我に勝てる策があるのか?」
「、、私の権能は、、「世界の固定」、、私が見た物、触れたものをその場に固定する、、」
「無情」が自身の権能を「無敵」に言った瞬間、、
「無敵」の背後と頭上から無数の攻撃魔術が襲ってくる、、
しかし、「無敵」はまるでその攻撃を読んでいたかのように、頭上から向かってくる攻撃を足元にあった小石で的確に処理をし、背後から来る攻撃には軽く掌底をしてかき消した、、
「、、お前の攻撃はこの程度?それに、、これでは「固定」ではなく「結合」ではないか?少しではあったが空気の動きが鈍くなった、、まるで何かとくっついて動きが制限されているような、、そのような感覚だ。我が戦ってきたものたちはそのわずかな動きすら当たり前のように読むものたちだぞ?まさか、我がそのようなこともわからないと思ったのか?」
「、、、、、、」
「どうした?沈黙したところで何も変わらんぞ?」
「無敵」が「無情」に対して小言を言ったと同時に「無敵」の背後が爆ぜる、、
その衝撃に「無敵」は初めて驚いた表情をあらわにする、、
「はぁ!?攻撃は全部消しただろうが!?」
「、、隠蔽魔術ですよ、、最後の一発だけは隠しておいたのです。それに、あなたの言った通り私の権能は「世界の固定」と謳ってはいるものの、、その効果は「結合」、、まだ、私は「世界」を「固定」できるほど権能を扱いきれてないのでね。」
「そうか、、お前はまだ「無の称号」を授かったばかりだったな、、なるほど、、「未熟を武器にせよ」、、「魔の英雄」の言葉だった?全く敗北を知るものたちの言葉は随分と的を得ているな、、」
「、、敗北が人間ですからね。」
「なるほど、、確かに人間だな、、敗北を知り、恐怖を知り、弱さを知る。故に人間は、、強さを求め、知識を求め、安寧を求める。愚かだとは思うが、、素晴らしい生き物だと思うぞ?だがな、言葉では”平等”や”公平”を謳っている割には、他者に何かを押し付けることもある、、それはおかしいことではないか?人間が求める”平等”や”公平”とは皆が同じであり、尊重されるべき存在ということ、、なのにどうして相手に考えや理想を押し付け、喧嘩や戦争をするのだ?教えてくれよ?敗北を知るもの、、、「無情」よ。」
「、、相手に何かを押し付け、自身の正しさを証明したいのでしょう、、人間は自身が正しいかどうかも分からないままその生涯を終えていく、、だから、相手に何かを押し付け、自身が正しいことを証明して、自分の人生に何か意味があったと目に見える形で残したい、、だから、その証明をするために喧嘩や戦争をする、、それでもこれは私の考え、、他の者たちがどう考え、「世界」がどう考えているのかは知りませんがね、、」
「そうか、、では、クライオスのやってきたことはお前にとって”正義”か?それとも”悪”か?」
「きっと、、クライオスの行ってきたことは「世界」にとっては”悪”なのでしょう、、でも私はクライオスの行いを”正義”だ、”悪”だというつもりはありません。それを決めつけてはクライオスの行いが正しかった、間違っていたと決めつけることになる、、他者の人生を他人が決めつけることなんてどう頑張っても許されることではないですよ。」
「そうか、、お前の考えは分かった、、故にお前はやはり殺そう、、もう、歓迎も手加減もしない、、だから、、お前も権能を扱えるようになれよ?」
「無敵」は「無情」の考えを聞き終えると初めて攻撃の姿勢をとる、、
それは「無敵」から帰ってきた肯定であった、、
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