願いと死
「月曲」が「魔の英雄」の願いを「命闇」に話す、、
その願いを聞いた「命闇」は、、
そして、「月曲」が「英雄」について質問をする、、
「鬼霧」「琥珀」が「英雄」との戦いを始める、、
しかし、二人が相手にしていた「英雄」は二人よりも強かった、、
そして、二人が自身の死を覚悟し、二人は命をもってある軍隊を動かした。
「これは先生の願いですよ。」
「願い、、?」
「えぇ、先生は帝国が嫌いでしたし、王国も嫌いだったのですよ。ですので、あの人の願いは「その国々の滅亡」だったのでそれを叶えただけです。」
「そ、、そんなわけありますか!?あの人は、、誰よりも人を愛し、国を愛し、国のために今死んだ!!その人が「国々の滅亡」!?ふざけるのもいい加減にしない!!いくらあなたが実の娘であっても言っていいとこと悪いことがあるでしょうが!!」
「貴方は、、あの人のいい所しか見ていない、、他の人間もそうだ、、英雄だからと言って何でもかんでも言っていいわけじゃない、、何でもお願いしていいわけじゃない、、あなた達は「英雄」を何だと思ってるのですか?私の言った畏敬の存在ですか?」
「そ、、それは、、」
「お前たち、人間はあの人を優しく強い”道具”だと思っている、、ふざけているのはどっちですか?「英雄」は人間ではありませんか?「英雄」とは”道具”なのですか?どうなんですか?「命闇」、、ふざけた人間よ。」
「、、いいえ、、私は、、私は一度もあの人を”道具”だと思ったことはない!!あの人は私に魔術を教えてくれた!!生き方を教えてくれた!!そんな人を”道具”だなんて思うわけないでしょう!!」
「そうですか、、では、あなたの部下たちは?母の部下たちは?「英雄」はどのような存在ですか?」
「月曲」の問いに誰一人として答えられる者はいなかった、、
それは、皆、「英雄」を”道具”と思っている節があったからである。
「、、誰も答えられませんか?それはつまり、「英雄」を”道具”だと思っているということですね。どうですか?「命闇」、、これが人間です。自身より強い存在を「英雄」「二つ名」「魔女」と名を与え、”道具”のように扱おうとする、、、これが人間です。あなたが信じた帝国の人々は所詮こんなものです。」
「、、、、、」
「さて、、私たちの戦いはこれまでですね。あとは、、」
「月曲」が「鬼霧」「琥珀」の戦っている方向を見る、、
「鬼霧」は「剣の英雄」と戦っていた、、
「、、っ!!はぁはぁ、、くそっ!!、、年は取りたくねぇな。」
「、、、、、」
「なぁ、どうしてお前は何にも喋らんのだ?」
「、、剣を交わせば相手は分かる。それに殺しに言葉はいらないだろ?「鬼霧」さん?」
「、、そうか、、そうだね、、ふぅ、、」
「鬼霧」が息を整える、、
そして、「鬼霧」は少し足を踏み込むとそれに呼応するように「剣の英雄」は「鬼霧」を切りつける、、
それが意味していることは、「剣の英雄」が「鬼霧」よりも強く速いことを表していた、、
「、、マジか、、ここまで、離れていたか、、」
「あ~、、年上に言うのもなんだが、、あんた剣の才能ないぜ?」
「、、は、、ははは!!あははは!!そんなこと「鬼霧」の「称号」を得た時から知っておったわ!!でもなぁ!!わしを、、俺を信じてくれるものがいるから!!俺は剣を使わなきゃならねぇんだよ!!この才なしの俺がよ!!」
「、、あんた、、敵じゃなかったら、、すげぇ「英雄」になっていたかもな。」
「そうだな、、では、「刀月鬼」、、命を捨て、お前を切る!!」
「そうか、、来いよ。「剣の英雄」の剣にてお前を切り伏せる。」
「刀月鬼」は自身に向けられた「剣の英雄」の殺意を感じ取る、、
その殺意は「月の称号」を持つはずの「刀月鬼」を心の底から震え上がらせた。
「どうした?震えてるぞ?怖いのか?それとも武者震いか?」
「、、恐怖だ、、お前の剣が怖い、、でも、俺は「刀月鬼」、、たとえ死のうと仲間のために前に進む、、前に進め!!」
「刀月鬼」は自身を鼓舞し、震え上がった自身の足を無理やり「剣の英雄」へと進める、、
しかし、現実は良くも悪くも「結果」を押し付ける、、
その「結果」とは「剣の英雄」が「刀月鬼」を切るという「結果」、、
「、、くそ、、結局こうなるのか、、」
「、、才能があるのは当たり前だ、、それが剣の才能だろうと、音楽の才能だろうと、弓の才能だろうとだ、、そしてお前のように自分は才能がないと”思ってる”奴は自分を嫌ってる奴だ。お前は「刀月鬼」という「月の称号」を得たではないか。それは才能ではないのか?それにな、、この決着に才能は関係ない。関係あるのは努力量だ。お前もあぐらをかかなかったように、私もあぐらをかかなかっただけ、、ただ、俺の方が努力が多かっただけだ。」
「、、ふっ、、青二才が、、年上に説教か?」
「説教じゃない。正論だ。」
「、、嫌われるぞ?お前のその性格、、」
「嫌われたって結構、、それで人が守れるなら。」
「、、くそが、、どこまで行っても気持ち悪いぐらいに「英雄」だな、、」
「刀月鬼」がこぼしながら、自身の剣を天に向け何かを打ち上げる、、
「ん?何を打ち上げたんだ?」
「、、合図さ、、さっき言ったよな、、たとえ死のうとも仲間のためにと、、」
「刀月鬼」が自身の信条を述べると息を引き取った、、
そして、最初に合図に築いたのは「琥珀」であった、、
「、、そうか、、「鬼霧」死んじまったのか~。」
「お前もそうなる。おとなしくしろ。」
「や~だね!!」
「琥珀」は「盾の英雄」にこれまで進んでくる間に殺したものたちを押しかけていた、、
しかし、相手もこれまでの歴戦の戦場を生き抜いてきた「英雄」、、たとえ、自国民の死体であっても何の躊躇もなく叩き潰していく、、
「まじかよ!?元々は自分の国の民だろ!?どうしてそんな簡単に殺せんだよ!!」
「、、、たとえ元自国民であろうとも、我が帝国に牙をむいた時点で敵であることには変わりない、、ならば慈悲をかける必要もないだろう。」
「、、怖いねぇ、、なら、、これでどう?僕は「操葬月」、、僕が本気出せばこれぐらいできるんだよ!!」
「操葬月」は手を横に大きく広げる、、
すると、次々と起き上がる死体たち、、
その数は今まで「盾の英雄」が相手をしていた数十体を優に超えていた、、
「、、これはすごいな、、ここまでの数を操るか、、だがな。」
「盾の英雄」は少し驚いたが、すぐに冷静さを保ち、次々と処理をしていく。
「まじかよ!?あの量を処理していくのかよ!?どうなってんだよ!!」
「これが帝国をあらゆるものから守っていた鉄壁の盾である!!」
「盾の英雄」はそう言いながら「操葬月」に近づいていく、、
その歩みを止めることできなかった、、
「これでしまいだ!!」
「盾の英雄」は「操葬月」を自身の盾で殴り飛ばし、盾によって下半身を切断した、、
「、、っ!!よ、、容赦、、ないなぁ、、」
「情けをかけることは自身の死につながるからな。」
「そう、、かぁ、、じ、、じゃあ、、僕の最後の話聞いてくれる?」
「あぁ、いいぞ。」
「僕と、、「鬼霧」は、、二人であることをしていた、、」
「あること?」
「あぁ、、あること、、それは「忠実な死体を統制して軍隊にする」ことだ、、そして、、帝国に来る途中でそれができた、、お前らはどう思う?
止まらない統率された不死の軍隊ってのは、、」
「つまり?」
「、、ふっ、、あの合図は、、「鬼霧」の死と、、軍隊の使用開始だ、、そして、、これが、、仲間だけに伝わる俺だけの合図、、」
「操葬月」が合図を出した、、
その合図は「操葬月」の死と不死の軍隊が動いたことを意味していた、、
その意味を知っていた「月曲」とクライオスは悲しい顔を浮かべた、、
そして、不死の軍隊は統制された動きで帝国へと向かって行く、、
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この作品は不定期です。