師弟の結末
「魔の英雄」と「月曲」の戦いが始まった、、
「月曲」が放った攻撃を「魔の英雄」はまるで遊びのようにいなす、、
そして、「魔の英雄」が神からの「称号」を嫌う理由、、
勝負の結末、、「月曲」から語られる衝撃の真実と「願い」とは、、
「月曲」が月光を槍のようにして「魔の英雄」に襲い掛かる、、
しかし、相手は「魔の英雄」、、、
「月曲」の攻撃をまるで遊びのようにいなした、、
「こんなものかい?「月の称号」を得た者ってのは。」
「これは私がおかしいのではなくあなたがおかしいのですよ?普通は「月の称号」を持つものが優位な夜でその攻撃を簡単にいなすなんて、、」
「貴方が鍛練不足なのでは?それにね、神からの「称号」に頼ってばっかりそれじゃ、、私に攻撃は届かないわよ?あぁそれに私は神からの「称号」が嫌いで少し力んでしまったかもね。」
「え?ど、、どうしてですか?」
「神というのは、私たちを俯瞰して見ている”上位存在”、、そのような存在が嫌いです。そういわれるやつらは自分で努力をしないで、、相手の限界を決める、、、そんなふざけたことが許されるわけがない、、限界は誰かが決めていいものではない、限界とは自分で決める最も邪魔な保護膜だ。」
「それはあなたの考えですか?それとも誰かの教えですか?」
「これは私の考えだよ。なんでこんな話をしたのかというと、、あなたがもうすぐ死ぬからです。レイヤ。」
「、、そのようですね、、さっき、、神への暴言を吐いている途中に私に攻撃をした、、どうやら私はそれを読み切れなかった、、」
「そうですね。私の話を聞いてくれてありがとう。レイヤ。」
「、、私もありがとうございます。そして、、さようなら、、」
「月曲」が「魔の英雄」にお礼とお別れを言う、、
しかし、それは「月曲」自身の死に対してではなく「魔の英雄」に対してであった、、
「、、ぐふっ、、そうですか、、これが「月曲」と呼ばれる由縁ですか、、」
「えぇ、、私は月の光を屈折させ、槍のようにしたり、姿をくらましたりできるのです。そのような意味では私は月の魔力を一番うまく扱えるのです。しかし、、私は扱いが上手いだけで強度も速度も攻撃力も乏しいのです。」
「でも、、それが私を打ち取るに至った、、未熟も武器にしなさい、、どうやら、あなたは私の教えをきちんと覚えていたのですね。嬉しいですよ。私の教えを覚えてくれてい、、、て、、、」
「魔の英雄」はかつての教え子である「月曲」に感謝を伝え、その生涯に幕を下ろした、、
「魔の英雄」が死んだことにより夜の空間が消えた、、
「、、っ!!先生!!先生!!」
「さぁ、、次はあなたです。「命闇」、、構えなさい。」
「、、私はあなたを殺せません、、私はだた先生の最後を見届けるためにここに来ました。」
「そうですか、、では死にますか?」
「、、、それも出来かねます。ですので、、私は先生を”受け継ぎます”。」
「命闇」は自身の下に闇を広げる、、
その闇は「魔の英雄」を引きずり込み、、
その力を「命闇」に流し込んだ、、
「、、なるほど、、あなたは自身の「闇」に取り込んだものの力を自身の力とするのですね。」
「えぇ、これが私の力です。それではやりましょうか、、」
「魔の英雄」の力を自身の力とした「命闇」は自信満々に「月曲」に勝負を挑む、、
しかし、「月曲」から帰ってきたのはため息であった、、
「どうして、ため息を吐いたのですか?」
「いや、、先生の力を取り込んだだけで勝てると思っているのかと思ってね、、」
「何を言っているですか?あなたは先生の攻撃をまともに受けていたではありませんか?」
「それはね、先生が三つの魔術を同時に使って、かつ、私との会話をしていたから、、でも、あなたにそんな脳があるの?先生を取り込んだぐらいで勝てると思ってるあなたに?」
「、、っ!!馬鹿にするな!!私は「魔の英雄」の!!先生の最後の弟子だ!!」
「あっそう、、」
「命闇」の怒りがこもった攻撃が「月曲」に向かって行く、、
その攻撃の練度は「魔の英雄」に匹敵するものであった、、
しかし、「月曲」はその攻撃を月の魔力を使うのではなく、防御魔術で防いだ、、それが意味することは、「命闇」は「月の称号」を使うにふさわしくないと判断したため、、、
それが「命闇」の逆鱗に触れた、、
「ふざけてるのか!?どうして月の魔力を使わない!!」
「ん?あなたの攻撃は単純な魔術で対処可能だから。」
「、、っ!!なめるな!!私は「空楽 帝国魔術師」!!「魔の英雄」アイレス先生の最後の弟子!!そして第二席!!「命闇」ブラレルトだ!!お前が相手にしているのは「二つ名」と「英雄」の力を得たものだぞ!?」
「そうだね、、でもね、、どうして”人から”と”神から”の「称号」があると思う?」
「え、、?そ、、それは、、」
「そこには大きな差があるからだよ。熟練者、達人、偉人、仙人ならまだしもお前のような「二つ名」程度ゴロゴロといる、、”人から”の「称号」はあくまで自身の力を言語化したもの、、そして、得られる恩恵は「魔力、筋力の向上」だけ、、それは「英雄」や「魔女」、、挙句は「七絶」までもだ。
つまり、”人から”の「称号」は所詮畏敬の表れに過ぎない。」
「だ、、だが!!先生はお前に一撃を与えた!!たとえそれが幻であってもだ!!」
「はぁ、、お前は他者の力量を図れんのか?先生はその気になれば「月の称号」「太陽の称号」に届くほどの腕だ。でも、あの人は誰かが付けたものなど嫌っていた、、本当に生粋の探究者だ、、だからこそ驚いた、、あの人から”人から”の「称号」である「英雄」の名を聞いた時は、、」
「せ、、先生は!!「英雄」の「称号」を嫌っていなかった!!それなのにお前に何がわかるのだ!!先生の元を離れ恩を仇で返すようなお前に!!」
「私はあの人の下で生まれ、あの人によって強くなった。」
「は、、?い、、今、、生まれって、、お、、お前まさか!?」
「私は「魔の英雄」アイレスの実の娘だ。そして、あの人を一番知っているし、あの人を殺したものだ。」
「ど、、どういうこと、、ど、、どうして親を殺したの!?どうして恩師である人を殺したの!?」
「あの人の願いだからだ、、、お前ら弟子には決してできない、、あの人の「生涯での願い」だから。」
その言葉を聞いた「命闇」は先ほどまでの勢いを完全になくし「月曲」の話に耳を傾けていた、、
そして、「月曲」から語られる「魔の英雄」の願い、、
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この作品は不定期です。