【1・キミが君でなくとも】ネトゲ彼女と交際します 6
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Alphonce:
・・・俺の方が重症だったなんて・・・
Flaw:
あー・・・気を悪くしちゃったらごめんなさい。私がそう思ってるだけだから
Alphonce:
いやフラウさんの言うとおりだ。こちらこそ気を遣わせてしまって。
Flaw:
そんなことないですよ。いつも気遣ってくれてるのアルさんじゃないですか。いつもダメージくらってばっかりなのに、他の人よりマメに回復してくれたりとか、
Flaw:
適度に休憩いれてくれてたりとかするし、助かってます
Alphonce:
当たり前じゃないか。キミを一番大事にすることなんて
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『――キミを一番大事にすることなんて』
これは事故だった。タイピングの早い神崎ゆえの事故、「誤爆」だ。
脳内変換を行っている最中にポロっと本音がこぼれてしまったのだ。
気が付いたときには遅く、エンターキーを押して送信してしまった後だった。
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Flaw:
え・・・
Alphonce:
あ、いや、そういう意味じゃなくて、その、前衛なのだから最優先で、って意味だから、深い意味ぜんぜんないから
Flaw:
そうですよね。これゲームだし、そんなことないですよね
Alphonce:
ない、とは言い切れないけど、世間でも時々ある話だし・・・
Flaw:
そうなんだ!じゃアリなんだ、そういうのって!
Alphonce:
あ、いやいや、そういう人もたまにいるってだけで、俺は全然そういうつもりじゃないから
Flaw:
わたし、アルさんのこと好きですよ
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「あ――――――――、やっちまった……地雷踏んだ…………」
神崎は、両手で顔を覆ってベッドにひっくり返った。
今さら修正しても、もう遅い。逡巡する気持ちが、ゲームに恋愛など介在しない、とはっきりと切り捨てることが出来なかった。
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Alphonce:
それ・・・どういう意味で?
Flaw:
そのまんまです
Alphonce:
もちろん、友達として、だよね
Flaw:
ちがう
Alphonce:
えーっと・・・もしかしてすごくうれしいことかもだけど。。。どうしたらいいのか俺としてはちょっと・・・
Flaw:
迷惑?
Alphonce:
いや・・・・・・迷惑じゃないけど・・・・・・・
Flaw:
アルさん、回りくどすぎる。というか、いつもおじさんぽくてめんどくさい。めんどくさいから、電話かけていいですか?番号教えてください
Alphonce:
え・・・
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(ま、マジ? 本当に女の子なのか?)
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Alphonce:
・・・ああ、いいけど。というか、これ衛星電話なんで、電話代すごくなっちゃうから俺からかける。番号教えて
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