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【3・まちぼうけ】ネトゲ恋愛と公共事業 4

 てっきり自分が、相手の気を悪くしてしまっていたと思っていたのに。こういう所が、バーチャルでの交流の難しいところだ。



 ===== ===== ===== =====



 Alphonce:

 え? そんなことないですよ? ああ、参ったな。こっちが勘違いさせちゃったのか・・・ 多分、俺がしばらく黙ってたことを、そう思っちゃったんですね。


 Flaw:

 そうです。多分私浮かれてたかもだから・・・またやっちゃったのかと思って


 Alphonce:

 やっぱり。あれは、俺が余計な事を言わないように黙ってただけ。機嫌が悪かったわけじゃないから、安心して下さい。


 Flaw:

 そうなんですか・・・よかった(T-T)私、調子に乗りやすいから、気分を害されちゃうことが多くって・・・でも、余計なことって何ですか?


 Alphonce:

 ホントに余計な事だからあんまり言いたくないけど・・・俺、基本的におせっかい焼きだから、初心者さんを見ると、つい余計な説教とか始めちゃうんです。それで結構失敗してるんで、自重してただけ。文字しかないから、色々と難しいよね。気持ちを伝えるのとか。



 ===== ===== ===== =====



「これで少しは、猫さんの誤解は解けたろうかなぁ……」



 神崎は少しほっとした。

 気持ちは明文化しなければ伝わらない。しかし、明文化することによって角が立つこともまた多い。


 ネットの付き合いとは、とかく霞みの中で手探りをするようなものだから、行き違いや事故が頻発する。それでも求め合わずにはいられないのが、人の性というものか。

 無論彼とて、人のひな形たる存在だからこそ、同じ性を持っているのだが。



 ===== ===== ===== =====



 Flaw:

 そうなんですよ!チャットだけだから、言いたいことがちっとも通じないっていうか・・・世間じゃヘッドギアつけて、ボイスチャットするのが普通だけど、ここじゃこのゲームやるのが精一杯だし(-_-)


 Alphonce:

 へ? 俺と同じだ。ここ外国でしょ? だからヘッドギアなんか持って歩けないし、ノートPCしかないから、環境的にこのゲームやるので精一杯です(-_-)


 Flaw:

 (・_・)/\(・_・)ナカマ!


 Alphonce:

 おー、ナカマですね(^_^) どういう所でプレイしてるんですか? やっぱり普通は自分の部屋とかかな?


 Flaw:

 自分の部屋と言えるような、言えないような・・・寮みたいなとこです。そこで、ノートでやってます


 Alphonce:

 俺も職場の寮住まいですよ。空調悪いんで、ちょっと暑いです。外は涼しいけど窓がないんで。


 Flaw:

 東京は、雨でちょっと寒いですよ


 Alphonce:

 そういえば梅雨なんですね。こっちは雨なんかちっとも降らないです。


 Flaw:

 全然?水ないんですか?


 Alphonce:

 はいカラカラですよ。肌けっこう乾燥するから唇とかしょっちゅうリップとか塗ってますよ(-_-) あ、雨はなくても地下の水源はあるから水は飲めるけどね。


 Flaw:

 そうなんだ。商社の方って大変なんですね。リップまで塗らないとだなんて


 Alphonce:

 うーん、どうなんだろうか。俺よりも、警備の人の方が大変かも・・・


 Flaw:

 警備の人? ビルとかにいるやつ?



 ===== ===== ===== =====



「いやいやいやいや。それよりもっと屈強でマッチョなのだよ。ゴツい武装してるよ。俺はマッチョじゃないけどな。いや、日本じゃこういうの細マッチョって言うんかな?」


 などと下らないことを独りごちる神崎。オフタイムではただのゲームオタクだ。

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