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108 相原莉緒の尾行(ストーキング)

 時間はほんのちょい(さかのぼ)る――



 今日もウチは仕事を終え、さっさと退社して残業命令も当然スルー。明日ブチョーのネチネチ小言が増えそうなのがちょいダルい。


 てかマジで、あのブチョーのイヤミを平然とかわしてたセンパイってハートが強すぎるんじゃね? まあセンパイの場合、ただの鈍感かもしれんけどさ。


 でもそんなセンパイがガードしてくれたお陰で、ウチはあんまブチョーに絡まれなかったんだよね。今頃になってそれを実感したりとか。


 やっぱセンパイ、会社に戻ってきてくんないかなー。その方がもっといっぱい会えるし♡ なんてねウヒヒ。


 つってもセンパイと会う機会が少なくなったのは、センパイがしゅきになったウチとしてはマジつらたんなワケで。


 とりまジーチャンの見舞いも終わっちゃったし、今度はブチョーの愚痴を聞いてもらうってネタでセンパイを飲みにでも誘おうかなー……。



 とか考えながらの帰り道。今夜の晩ごはんを買いにモールに寄る途中に偶然見かけたのが、ウチのしゅきぴであるセンパイだった。


 これってマジで運命なのでは!? ――なんて思ったのもつかの間で、センパイのすぐ近くにいつぞやの神JKが歩いてて、さらにはその隣には謎の金髪美人。


 えっ、この状況ってなに!? めちゃ気になるんですけど!!



 ――てことで、ウチの尾行がスタートしたワケである!


 センパイを尾行するのもこれで二度目。なにげにウチがストーカー化してるような気がしないでもないけど、まだ大丈夫だよね……?


 そんな尾行の最中、なんかよくわからんけどあっさりナンパを撃退するセンパイに惚れ直したり、金髪美人が一生懸命エスカレーターに乗ってんのを見て、ウチもこっそり拍手をしたり――


 そんなこんなでセンパイがようやく一人になったので声をかけたのだった。


「おんやー? センパイじゃないっすか。こんな所でどしたんすか?」


 我ながら白々しいと思いつつ声をかけるウチに、センパイは特に大きくもないフツメンの目をパチクリとさせ、はあと息を吐いた。


「なんだ相原か。どうしたもなにもショッピングモールは買い物をする所だろ。そういうお前は会社帰りか?」


「そーです、んで晩ごはんの物色中ですよー。いやーそれにしても、センパイが辞めてからブチョーの小言で毎日大変なんですけど。センパイ、やっぱ会社に戻ったりしません?」


「やなこった。そんなに大変ならお前も辞めたらいいだろ」


「それはダメっすねー。ウチが無職になったら親がこれ幸いとお見合いを勧めてきますもん。今どき信じられない話っしょ? だからせめて次の就職先を探してからでないと」


「そういやお前っていいトコの娘だったな……。まあそれなら次の仕事が見つかるまで頑張るこった。それじゃあなー」


 と手を振って、さっさと立ち去ろうとするセンパイ。


「ちょまっ、ちょい待ってってばセンパイ! 買い物するならウチも付き合いますって! どこ行くんです?」


「……あー。今日は知り合いと一緒に来てるから、ついて来られても困るんだよな」


 ウチのようなかわいい子が同伴するっていうのに、迷惑ってバッサリ言い切ったぞ、このセンパイ。


 まあそういうトコロも気を許してる感があって嬉しいんだけどね! ……ちょいM入ってんのかな、ウチ。


「へー……お知り合いさんすか。誰だれ? どんな人?」


 しれっとウチの本題に突入。どうだろ、センパイは教えてくれるかなー?


「近所に住んでる女の子と、その子の知り合いの外国の子だよ。そして俺は二人の付き添い。今はちょっと別行動してるけどな」


「えー、女の子二人とデートっすかー? センパイも隅に置けないっすねー。もしかしてどっちかと付き合ってたり?」


「バカ、そんなんじゃないって。近所の子は俺からしたら妹みたいなもんだ。そして外国の子はちょっと田舎の方から来てるんで付き添いがいるんだよ」


 すらすらと語るセンパイ。ウソを言ってるってカンジはなさそう。


 まあたしかに金髪美人はエスカレーターに乗るのも不慣れだったもんなー。そして神JKの方が近所に住んでる妹みたいな子ってことか。


 ……あっ、そういや前に、センパイん家の大家さんのお孫さんがお年頃で、誕プレ贈るからってウチに相談してきたことがあった。もしかするとあの時の子が神JKなのかも?


 ちなみに誕プレはウチがいろいろと相談に乗ったにもかかわらず、結局センパイのセンスが(おもむ)くままに中古のゲームソフトを贈ったそうだ。


 あの時は年頃の女の子に贈るもんじゃねーだろ、マジヤベーなこの人って思ったわ。


 ……さて、それはさておき、どうやら神JKはセンパイのご近所に住むJKで妹的存在だということが判明した。


 ウチもけっこーイタいことをした自覚はあるけど、神JKの正体がわかって超スッキリ。やってよかったストーキン……じゃなくて尾行。


 できればもっとセンパイとお話ししたいところだけれど、今は都合悪いみたいだし、これ以上お邪魔するのは止めておこう。


「それじゃーウチはこの辺でバイバイってことで。でもまた今度飲みに行きましょーねー。ブチョーの愚痴でも聞いて――」


 と、そこで超かわいい声が耳に届いた。


「おじさまっ! スマホのバッテリーが切れてたみたいです。どうしたらいいでしょうか――あら?」


 小走りでやってきたのは神JKだ。その後ろには金髪美人もいる。神JKは超長いまつ毛が乗った目でウチを見つめながら口を開く。


「おじさま、こちらの方は……」


「どもー! ウチはこの松永センパイの元会社の後輩で、相原莉緒って方だよー。よろー☆」


 ギャルピしながらウチが挨拶。神JKはじいっとウチの顔を見て、ハッと口に手をあてた。


「ああっ、いつかのお写真でおじさまと腕を組んでいた方……!?」


 おや? どうやら神JKはウチをご存知の様子。前にセンパイにナンパから助けてもらったときに、冗談っぽく腕を絡めて写真撮ったっけ、アレを見たことがあるのかな。というか――


「え、おじさま? センパイ、おじさまって言われてるんすか!? うははっ!」


「うるさいな。伊勢崎さんからすれば、俺なんかおじさんなんだよ」


 イセザキというのが神JKの名字らしい。伊勢崎? アレ、どっかで聞いたことあるよーな名字かも。気のせいかな?


「失礼いたしました。私は伊勢崎聖奈と申します。おじさまには日頃からお世話になっております」


 丁寧に頭を下げる伊勢崎ちゃん。ってか初めて間近で見たけど、伊勢崎ちゃんヤバいくらいカワイイな! オーラ半端ないって! マジなんなんコレ!?


「☆雁▲ィ◯? U縺↓z→→米ゅ◎ヤ/ゅ→謖ィ■……」


 と、そこで金髪美人が口を開く。なんだろ英語ならちょびっとだけわかるけど、これは聞いたことない言葉だわ。


 だけどそれを聞いたセンパイは普通に話しかける。


「ああ、ええと、彼女は俺の元同僚です」


「hホ;ニ@gg縺8jれ」


 納得したように頷く金髪美人。え? もしかして言葉通じてんの? よくわからん、なんだよマジ。そしてぽかーんとするウチにセンパイが顔を向けた。


「まあそういうわけで、俺は彼女たちと同行するから悪いけどまた今度な。お前も気をつけて帰れよー」


「えっ、あぁ、ういっす」


 そうして三人はさっさと来た道を戻っていった。取り残されたウチはぼけっと突っ立ちながら、伊勢崎ちゃんのことを思い返す。


 うん、伊勢崎ちゃんマジめっちゃかわいかった。あとおっぱいも大きくてエロい。


 ちょびっとだけ神JKとセンパイの仲を疑ってたウチだけど、あの子がセンパイのことを好きならさすがの鈍感センパイもコロっといっちゃいそう。


 でもセンパイの伊勢崎ちゃんを見る目はたしかに妹だったわ。伊勢崎ちゃんからしても、あの子なら大統領だろうが石油王だろうがイケそうな雰囲気あるし、さすがにセンパイはナシなんだろうなー。


 それにしても伊勢崎って名字、どっかで聞いたことあんだよね。なんだか引っかかる。そんなにありふれた名字じゃないし……。


 うーん、どこで聞いたか思い出せない名前は、だいたい実家関係なんだけど……。今度ジーチャンの病室に遊びにいったときにでも、ついでに聞いてみようかな?

『伊勢崎さん』はカクヨムで先行更新しております。

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素で更新通知二度見したわ 話忘れてるから頭から読み返したんだけど……修羅場りそうで修羅場らんなこの話
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