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【Rose bride】 (声劇用台本 3:1)

作者: 二階堂史城

声劇用台本(50~60分)

処女作。駄文。


※演者さんの性別は問いませんが、キャラクターの性転換は不可。

【Rose bride】




《登場人物》

エドワード:16歳。金髪碧眼、ショートヘア。

      芯がしっかりしている反面、多少融通が利かない部分がある。

      ローズの事を何よりも気にかけている。

      無自覚ではあるが、ローズを妹と呼ぶ時に若干の間がある。


ローズ:15歳。金髪碧眼。ストレートのロングヘアを緩くハーフアップにしている。

    いつも明るく、気丈な性格。

    体が弱く、心臓に病気を抱えている。

    好きな人がいる?


レオ:16歳。赤髪ショートヘア、ブラウンの瞳。

   兄貴肌だが、怒ると何を言い出すか分からないやんちゃ者。

   エドとローズの幼馴染みで親友。ローズの事が好き。


チャーリー:27歳。オールバックに片眼鏡。

      ブレンダーガスト家執事長。一人称は「(わたくし)

      好青年。エドとローズの良き理解者。

      兄妹のお互いの想いに感づいているが、建前上、その素振りを見せないでいる。


ディラン:58歳。白髪がかった金髪碧眼、(ひげ)を蓄えている。

     ブレンダーガスト家当主。エドとローズの父。

     厳格な軍人。※レオと兼役推奨。




《役表》3:1

エド♂

ローズ♀

チャーリー♂

レオ/ディラン♂




【ブレンダーガスト家中庭 薔薇園にて】



ローズ:うーん、いい香り…。


エド:ローズ!ローズ!はぁ、はぁ…、やっぱりここに居たのか…。


ローズ:エド…。ごめんなさい、少し外の空気を吸いたくなってしまって…。


エド:だからって、誰にも何も言わないで外に出るなんて…。


ローズ:ごめんなさい…。


エド:とにかく、部屋に戻ろう?日も傾いてきた。


ローズ:そうね。…っくしゅん!


エド:!


ローズ:エド、心配しすぎよ?くしゃみくらい、誰でもするわ。


エド:けど…。


ローズ:大丈夫、風邪なんて引いたら大変ですもの。


エド:だから、外にはあまり出て欲しくないんだ…。


ローズ:いくら病気だからって、私は鳥かごの中の鳥じゃないわ。

    ずっと部屋にこもりっぱなしじゃあ、息が詰まって死んでしまいそう。


エド:それは…そうだけど…。


ローズ:…戻りましょうか。お父様やチャーリーまで心配してしまうわ。


エド:薔薇(ばら)、一本持っていこうか。


ローズ:え…?


エド:好きなんだろう?


ローズ:でも、(とげ)が…。


エド:大丈夫、ちゃんと(はさみ)を持ってきたし、棘の取り方もこの間チャーリーに教わったから。

   …はい。


ローズ:わぁ…ありがとう、エド!嬉しい…大切にお部屋に飾るわね!


エド:枯れる前にまた取りに来るよ。ローズが無断で部屋を抜け出さないように!


ローズ:もう!エドったら…。


エド:ははっ。ほら、行こう?


ローズ:ええ。




エドМ:僕の妹、ローズは心臓に病気を抱えている。


    ここは1972年、欧州。

    風の噂で、5年前に初めて心臓移植に成功したと耳にした。

    ローズは医者に「あまり長くは生きられない」と宣告されている。

    もし叶うなら、僕の心臓をあげられたら…なんて考えた事もあった。

    けれど、ローズはきっとそれを望んではいないだろう。


    ローズの笑顔を守りたい…。僕の願いは、ただそれだけだ。





【ローズの寝室】



ローズ:……ん…。


エド:おはよう、ローズ。


ローズ:?!エド、どうしてここに?!


エド:いや…なんとなく君の顔が見たくなって…。


ローズ:だからって、レディの寝ている部屋に忍び込むなんて紳士のすることじゃないわ!


エド:昔は一緒に寝たりしてただろう?


ローズ:それは子供の頃の話でしょう?!


チャーリー:(メイド達を引き連れて)今朝は随分と賑やかですね。おはようございます。


エド:あ…チャーリー。おはよう。


ローズ:ねぇ、チャーリー聞いて?!エドったら私が寝ている部屋に勝手に入ってきたのよ?!


エド:チャーリーだって、毎日起こしに部屋に入ってきてるだろう?


ローズ:それとこれとは話が別よ!チャーリーはお仕事でそうしてくれてるんですもの!


チャーリー:まぁまぁ、お二人とも。坊ちゃまも悪気があってされたことではないでしょうし。

      それに、お嬢様の寝顔は本当に可愛らしいですから。


ローズ:なっ?!

      

エド:あ、それ僕も思った。


ローズ:エド?!チャーリーまで!


エド:ははっ!ローズ、顔真っ赤だぞ。


ローズ:もうっ!


チャーリー:お嬢様、あまり感情的になられますとお体に障りますよ。

      それと、今日の朝食はお嬢様のお好きな

      フランボワーズのスコーンをご用意致しました。

      さ、お洋服に着替えましょうか。

      

ローズ:…分かったわよ。そういう事だから出てって。


エド:はいはい、また後でね。

   あ…それと、今日の午後にレオが遊びに来るって、昨日電話があったんだ。

   本当はそれを伝えたくて来たんだけどね。

   

ローズ:レオが?


エド:うん。いつも突然来るあいつが、電話を寄越すなんて…明日は雨かもしれないな。


ローズ:ふふっ、そうね。


エド:じゃあ、食堂で待ってるよ。


ローズ:ええ、なるべく早く行くわね。


エド:うん。





【午後――ブレンダーガスト家中庭 薔薇園にて】



レオ:それでさ!ジミーの奴、「剣術なら誰にも負けねぇ!」って聞かなくてさ~。

   

エド:ジミーは負けず嫌いだからね。


レオ:っつったって、あいつこないだフェンシングの大会で俺に負けたんだぜ?!しかも公式の!!

   なのに威張り散らしてさ…全く、ほんっっっとむかつくぜ!


ローズ:…ふふっ。


レオ:ローズ、何笑ってんだよ!こっちは真剣なんだぞ?!


ローズ:あ…ごめんなさい。士官学校にも色んな人がいるんだなって思って。


レオ:まぁな。なよっちぃのからジミーみたいなのまで、色々さ。


ローズ:私は、家庭教師に見て貰ってるから…。


エド:っ、レオ!


レオ:あ…すまん…。


ローズ:ううん、いいの。もし学校で発作なんて起きたらと思うと…怖いもの…。

    それにね?こうして外の世界の話を聞くのは、私にとってとても新鮮なことなのよ?


レオ:俺、ほんと思うんだけど…ローズはいつだって前向きだよな。

   俺さ、ローズのそういうとこ、好きだぜ!


ローズ:あら、レオったら口がうまいんだから。

    そういう事は大切な人だけに言うものよ?


エド:………。


レオ:どうした?エド。気難しい顔して。


エド:いや…何でもないよ。そろそろ寒くなってきたし、ローズは部屋に戻った方がいい。


ローズ:エド…?


エド:早く。風邪でも引いたらどうするんだ?!


ローズ:わ…分かったわよ。変なエド…。

    じゃあレオ、またね。


レオ:あ、ああ…またな。



(ローズ、去る)



レオ:どうしたんだよ?俺、そんなに変な事言ったか?


エド:お前…ローズの事が好きなのか?


レオ:出たよ、シスコン…。


エド:質問に答えろよ!ローズを口説くような真似して、一体何を考えてるんだ?!


レオ:もし俺がローズの事を好きだとして、お前はどうするつもりな訳?

   ……好きだよ。ガキの頃から。

   それとも何か?自他ともに認めるシスコン野郎のエド様は、

   誰かにローズを奪われたくないってか?!


エド:お前…っ!!(レオを殴る)


レオ:―――っ!何すんだよ!!(殴り返す)


エド:痛っ!!お前に…粗雑なお前なんかにローズは渡さない!絶対にだ!!


レオ:ハッ!言ってろよ!!

   誰を選ぶかなんて、ローズが決める事だ!!

   少なくともだ!兄貴のお前を選ぶなんて絶対にあり得ないけどな!!



(レオ、去る)   



エド:レオの奴…っ!!




エドМ:それからだった。僕の中で、何かが変わったのは。





【ローズの寝室】



ローズ:どうしたの?!その顔…。腫れてるじゃない。


エド:…レオに殴られた。


ローズ:え?!レオに?!


エド:…お前の事が子供の頃から好きだって…言われて…頭にきて…。


ローズ:…殴ったのね。


エド:……。


ローズ:エド…。もう、しっかりしてよ…。

    それに、私はとっくにレオの気持ちに気付いてたんだから。


エド:え…?


ローズ:レオはあの性格でしょ?嘘は吐けないし、いつだって真っすぐじゃない。

    エドの前で言ったのは初めてだったみたいだけど…、

    私は今まで何度も好きだって言われてるもの。


エド:そう、なのか…?


ローズ:そうよ。エドが知らなかっただけ…。

    それと、明日も学校でしょ?ちゃんとレオに謝らなくちゃ。…ね?


エド:………。


ローズ:まったく…。

    …もう子供じゃないんだから、シスコンは卒業してよね?…お兄ちゃん。



エドМ:お兄ちゃん、か…。





【その夜――エドの寝室】



エド:はぁ…。


チャーリー:失礼します。坊ちゃま、お風呂のご用意が…、坊ちゃま?


エド:え?あ…うん。今行く。


チャーリー:…お嬢様と喧嘩でもなさったんですか?


エド:…え?


チャーリー:喧嘩…ではなさそうですね。

      全く…困ったお方ですね。レオ様と喧嘩して、頬を腫らしたと思えば…。


エド:な…っ、何もないよ!本当に何もないから!


チャーリー:大概にして坊ちゃまが落ち込む時は、

      お嬢様が関係なさっていらっしゃる事くらい、(わたくし)にはお見通しです。

      

エド:う…。


チャーリー:何があったか、お話してくださいませんか?


エド:……嫌だ。


チャーリー:おや、それは困りましたね。お風呂も早くしないと冷めてしまいますが…、

      私と致しましては、このままお嬢様やレオ様とわだかまりを残したまま、

      明日を迎えていただきたくはないのですが…。


エド:………、ねぇ…チャーリー。兄妹って、何なんだろうね…。


チャーリー:と、言いますと?


エド:僕はローズにいつだって笑っていて欲しい。

   けれど…僕はいつだってローズを怒らせたり、困らせたりしている…。

   本当はそんな事したくないのに…しちゃ、いけないのに…。


チャーリー:してはいけない、というのはまた違うと思いますよ。

      少なくとも坊ちゃまは、お嬢様を思い過ぎているのだと思います。


エド:思い、過ぎてる…?


チャーリー:ええ、そうです。大切に思うあまり、空回りしていらっしゃるように思えるのです。


エド:空回り…。


チャーリー:坊ちゃまが覚えていらっしゃるかは存じ上げませんが、

      3年前、お嬢様が大きな発作を起こされた時に仰った言葉…、

      私は忘れようにも忘れられません。


エド:……『僕の心臓をあげるから、ローズを助けて』


チャーリー:覚えていらっしゃったんですね。

      そこまでお嬢様を大切に思っていらっしゃる坊ちゃまを、私はとても尊敬致します。


エド:ローズには後でこっぴどく怒られたけどね…。


チャーリー:それは、お嬢様も坊ちゃまを大切に思っていらっしゃるからですよ。

      たった一人のお兄様として。


エド:お兄様、か…。


チャーリー:ええ。だからこそ、坊ちゃまにはご自身ではなく、

      他のどなたかを真剣に愛して欲しいとお考えなのではないでしょうか?


エド:……分からないよ。


チャーリー:分からない、とは?


エド:レオと喧嘩してから…ずっと心の中のもやもやが消えないんだ…。

   …ううん。小さい頃から、僕はずっとローズだけを―――


チャーリー:坊ちゃま…!


エド:っ!ごめん!今の話は忘れて!きっと…気の迷いだから…。

   お風呂、行ってくるね!


チャーリー:…坊ちゃま。





【翌日――士官学校 渡り廊下】



エド:…レオ。


レオ:………。


エド:昨日は、ごめん…。


レオ:………。


エド:昨日、ローズに『しっかりしてよ、お兄ちゃん』って言われたんだ…。


レオ:……だから?


エド:だから…、えっと…その…。


レオ:ローズの事が好きなんだろ?妹としてじゃなく、一人の女として。


エド:!!ち、ちが…!


レオ:何が違うってんだよ。お前のローズを見る目、それだもんよ。


エド:は?!何言って…。


レオ:お前さ、恋したことねぇだろ。


エド:それは…。


レオ:そりゃそうだよな?身近に好きな奴が居るんだからさ。

   それも無自覚で、だ。ハッ!バッカみてぇ!


エド:それは違う!ローズは僕の…妹だ。妹を、そんな風に思った事は一度も…!


レオ:無い、って、言い切れんの?


エド:…っ。


レオ:ほらな?あーあ、気持ち悪ぃ。実の妹好きになるなんて、マジで気持ち悪ぃんですけどー?


エド:…っ。……違う、よ…。


レオ:は…?何が違うってんだよ?


エド:昨日…君と喧嘩、して…ローズを渡したくなかったのは…本当の事だ。

   それはまぎれもない、事実…。

   けど…ただ僕はローズを心配しすぎて…、思い過ぎてたんだ、って…気が付いたんだ。

   あ、ああっ!勿論妹と、して…だよ?

   だから…ローズにも『シスコンは卒業して』なんて…言われてしまったんだと思う…。

   それに…、ローズは君の気持ちに気付いてる。


レオ:……そりゃあ、あんだけ好き好き言ってりゃあな。ずっと(かわ)されてるけど…。


エド:え…?


レオ:…何でもねぇよ。それより、授業始まるぜ?さっさと行かねぇと。


エド:あ…うん…。えっと…ごめんね。


レオ:あーもーいいって!俺、面倒くさいの嫌いだから。…俺も、言い過ぎたし……。


エド:…うん、ありがとう。





【ブレンダーガスト家 玄関】



エド:ただいま。


チャーリー:あっ!坊ちゃま!お嬢様が…!!


エド:っ?!ローズがどうしたって?!





【ローズの寝室】



エド:ローズ!!


ローズ:は…っ、は…っ、うぅ、…っ!!


エド:ローズ!!しっかりしろ!!ローズ!!


チャーリー:坊ちゃま!今は治療中です!離れてください!


ローズ:エ、ド…?ううっ、く…、はっ、はぁ…っ!!


エド:ローズ!!先生、お願いです!!ローズを助けてください!!


チャーリー:先生も手を尽くしてくださっております!どうか離れて!


エド:嫌、だ…!ローズが…、ローズが!!


ローズ:ふふっ、…大、丈夫よ…っ、エド…っ、はぁ…っ、はぁっ…。

    こ…、くらぃ、で…、はぁっ、死ぬ……け、な……、じゃな…っ、うぅっ!


エド:何で…こんな時に笑うんだよ…。僕はいつも…、いつだって、君を笑わせられないのに…!!


ローズ:馬、鹿…ね…、はぁ、っ!私…は、エド…が、っ、

    はぁっ…、笑、って…くれ、れば……、っ、満、足…なのよ…?


エド:ローズ…!!


ローズ:だ、から…、笑…っ、て…?はぁっ、はぁ…っ、ね…?お願…、うぅっ!!


エド:ああ、笑うよ…!ほら!笑うから!!

   生きろ!!ローズ!!


ローズ:全、然…笑っ…、ない、じゃない…、はぁ…はぁ…っ、もう…怒…、わよ…?

    っ!!ぅああっ!!


エド:ローズ!!


チャーリー:坊ちゃま離れて!これ以上はお嬢様が…!!


エド:ローズ…!!ローズーーー!!



エドМ:その時だった。先日飾った薔薇の花びらが、一片(ひとひら)はらりと落ちたのは。

    まるで、ローズの寿命を、(むしば)むかのように。





【その夜――ローズの寝室前 廊下】



チャーリー:一時はどうなる事かと思いましたが…、お嬢様はお強いお方ですね。


エド:今、ローズは…?


チャーリー:ゆっくりお休みになれるよう、お薬でお眠りになられておられます。


エド:そう…。


チャーリー:駄目ですよ、坊ちゃま。治療の妨げをなさっては。


エド:ごめんなさい…。


チャーリー:私に謝っても致し方ありません。

      今後、いつこのような大きな発作があってもおかしくはないのですから。


エド:え…?


チャーリー:…もう、お嬢様の心臓は以て2年だと…先生が仰っておりました。


エド:嘘、だろ…?


チャーリー:助かる方法は、心臓移植のみ…。

      しかしながら、心臓移植は未だ成功例が少ないのです。

      例えドナーが見つかっても、お嬢様の体が持ち堪えられるかどうか…。


エド:そ、んな…。ローズが…死ぬ…?


チャーリー:私共も尽力致します。ですからどうか、悲観的にならないでください。


ローズ:(扉の中から)誰…?誰かいるの…?


エド:ローズ…?っ!


チャーリー:坊ちゃま、駄目です!中に入ってはいけません!ああ、もうっ。





【ローズの寝室】



エド:目が、覚めたのか…?ローズ。


ローズ:(眠いような、疲れているような様子で)ええ…。夢を…、見ていたわ…。


エド:夢?


ローズ:ええ…子供の、頃…、エドと一緒に、この部屋で…窓から流れ星を見た夢…。


エド:ああ、そんな事もあったっけ…。


ローズ:ねぇ、エド…。


エド:ん?


ローズ:今晩、一緒に寝てくれない…?


エド:え…?


ローズ:久しぶりの、大きな発作だったから…一人じゃ寂しいの…。


エド:…君の寝顔を見るのは、紳士のする事じゃないんじゃないのかい?


ローズ:今日だけ…特別に許してあげる。ね…?お願い…。


エド:…ああ、分かったよ。少し詰めてくれるか?


ローズ:ええ…。


エド:…何年ぶりだろうな。こうして一緒に寝るのなんて。


ローズ:ふふっ、そうね…。


エド:思い出すな…お父様に叱られて、この部屋で不貞腐(ふてくさ)れながら一緒に寝たの。


ローズ:あれは…エドが大切なロザリオを、壊したからよ…?


エド:そうだっけ…?もう忘れちゃったよ。


ローズ:私は覚えてるわよ…?あのロザリオは…お母様の形見だもの…。

    大きくなったら、お父様が私に下さるはずだったものよ…。


エド:そうだったんだ…。ごめん…。


ローズ:もう10年以上前の事ですもの…。謝らないで…。


エド:うん…。


ローズ:ねぇ…、手を繋いでもいい…?


エド:え?あ…うん…。


ローズ:あったかい…。


エド:あったかいね。


ローズ:人の肌に触れるのなんて…、着替えとお風呂と、治療の時くらいしかないんですもの…。


エド:着替えとお風呂って…日常茶飯事じゃないか。


ローズ:ふふっ、そうね…。

    あ!流れ星…!


エド:本当だ!綺麗…。


ローズ:お願い事、したの…?


エド:ううん、する前に消えちゃった…。

   けど、そうだな…するとしたら、君の病気が治りますように、だな。


ローズ:私の事はいいのに…。


エド:良くないよ。大切な、妹だ。心配もするさ。


ローズ:……あと2年、かぁ…。


エド:!! 聞いて、たのか…。


ローズ:……ウトウトしてたけれど…本当、だったのね…。


エド:あ…。


ローズ:(目を瞑り眠そうに)いいの、よ…。あと2年も……あるん、だから……。

    精一杯…幸せを、満…喫…する、わ……。


エド:…君の幸せって?


ローズ:エド、と…一緒に…居る、事……。


エド:え…?


ローズ:すー…すー…。


エド:…ふふっ。おやすみ、ローズ。いい夢を。





【数日後――応接室前 廊下】



ディラン:今更そんな話はないだろう。帰ってくれ。



エドМ:偶然通りかかった応接室から聞こえてきたのは、お父様の声だった。



ディラン:あの子は大切なブレンダーガスト家の跡取りだ。無理なものは無理だ。



エドМ:他に、中年の男性と女性の話し声が聞こえてきた。何の話だ…?

    僕はそっと扉に耳を押し当てた。

    


ディラン:余裕がない貴方達を見兼ねて引き取ったというのに、

     それを今更返せなどという道理が通用するとでも思っているのか?


エド:!!

    


エドМ:その言葉を聞いた瞬間。僕は応接室の扉を勢い良く開けていた。



エド:今の話、どういう事ですか?!お父様!!


チャーリー:坊ちゃま?!



エドМ:父と向かい合うように座っていた中年夫婦が驚いた表情をした後、

    男性の方は『大きくなって…』と言いながら僕の名を呼び、女性の方は泣き崩れた。



エド:この方達はどなたですか?!僕を引き取ったって…、どういう事か説明してください!!


ディラン:出掛けているものとばかり思っていたが…、聞かれてしまったのでは仕方がない。

     今聞いた通りだ。お前は、私の子ではない。この二人の…私の友人の子だ。


エド:嘘、だ…。


ディラン:嘘ではない。お前が赤ん坊の頃、戦争があった事は勿論知っているだろう。

     その時、ここに居るお前の本当の両親が、

     お前を育てられない事を私達に相談してきた。

     その頃なかなか子供が出来ず、苦労していた私達にとっても、

     お前を引き取る事は願ってもない事だった。

     跡取りが出来たんだ。これ程嬉しい事は無かった。

     

     (間)

     

     私の目が黒いうちは…、いや、お前が死ぬまで、

     一生明かす事は無いと思っていた。

     …が、聞かれてしまったか…。


エド:嘘だ…。嘘だ!嘘だ!!嘘だ!!!


チャーリー:坊ちゃま!落ち着いてください!


エド:チャーリーは知ってたの?!

   僕がお父様の子じゃないって…、ローズの本当の兄じゃないって!!

   ローズはこの事を知ってるの?!ねぇ、教えて!!チャーリー!!


チャーリー:…お嬢様は、この事を知らないでしょう。私は…ご主人様から聞かされておりました。


エド:な、んで…?何で黙ってたの…?

   騙してたの?!皆で僕を騙してたんだね?!


ディラン:エド、客人の前ではしたないぞ。軍人たるものいつも冷静であれと言っているだろう。


エド:うるさい…うるさいうるさいうるさい!!皆嘘吐きだ!!

   揃いも揃って皆で僕を騙してたんだ…!!嘘吐き!!嘘吐き嘘吐き嘘吐き!!


ディラン:…チャーリー。エドを部屋まで連れていけ。


チャーリー:ですが、しかし…、


ディラン:これでは話が進められん。落ち着くまで、部屋に鍵を掛けておけ。


チャーリー:…かしこまりました。


エド:やめろ!!離せ!!離せよ!!嫌だーーーっ!!!





【エドの寝室】



エド:う…っ、うぅ…っ。


レオ:エドー?…っと、え?ど、どうした?!何で泣いてんだよ?!


エド:レ、オ…?

   (涙を拭って)どうしてここに…?鍵、掛かってたんじゃないの…?


レオ:ああ、チャーリーが開けてくれた。

   何があったかまでは聞いてねぇけど、話聞いてやってくれ、ってさ。


エド:チャーリーが…?そ、っか…。


レオ:そんで?何があったのよ?


エド:……、僕…さ、本当はこの家の子じゃ、ない…んだって…。


レオ:え、うっそ…。


エド:多分、本当の事だと思う…。

   さっき、本当の両親って人達が来てて…、お父様からそう、言われたから…。


     

     (間)

     


レオ:…ふーん。


エド:ふーん、って…。


レオ:いいんじゃねぇの?本当の両親についてけば。


エド:えっ?


レオ:だってよ、ローズの事、本当は好きなんだろ?


エド:だからそれはちが―――


レオ:いーや違わねぇ。お前さ、無自覚か?ローズの事『妹』って呼ぶ時さ、変な間があんの。


エド:え…?


レオ:俺も俺なりに、色々考えたんだよ。

   なんでローズが振り向いてくんねぇのかー、とか、

   ローズ見る時、なんでお前が妹見る目してねぇのかー、とかさ。

   まぁ…そんで、行きついた結果がさ、

   もしかしたら、ローズに好きな人がいるのかも…ってのと、

   お前がローズを好きなんじゃねぇか、って、さ。


エド:ローズに、好きな人…?


レオ:ローズの気持ちは正直わかんねぇ…。あいつ、気持ち隠すの上手いだろ?

   俺を恋愛対象として見れねぇ、ってだけかも知れねぇしさ…。


エド:そ、っか…。


レオ:けど…、お前はさ、もやもやすんじゃねーの?ローズの事考えると。


エド:……しない。


レオ:だーかーら、変な間を置くなっつーの!認めてるようなもんだぜ?


エド:………。


レオ:ローズの側に居てぇのは分かるけどさ…、血、繋がってないんだろ?

   だったらチャンスじゃねぇか。


エド:チャンス…?


レオ:そう、チャンス。ローズをちゃんと愛せるんだぜ?


エド:…っ?!


レオ:だろ?もう何のしがらみもないんだぜ?

   何たって、血が繋がってないんだから結婚だって出来るしな!


エド:けっ?!?!


レオ:…はぁ、ったく…ローズの事好きな俺に、ここまで言わせんなっつーの…。

   つーかお前…マジでローズの事どう思ってんの?


エド:…、ローズは…僕の、妹だ…。ずっとそう思って生きてきた。


レオ:妹ってだけか?


エド:………。


レオ:本当の両親のとこに行ったら、離れ離れになるんだぜ?いいのか?


エド:…嫌、だ。離れたくない!!


レオ:そりゃ、どうしてだと思う?


エド:…っ。


レオ:我慢する必要なんてもうないんだぜ?

   ……もう一度聞く。ローズの事、どう思ってる?

   

エド:僕は…、僕はローズが好きだ…!!


レオ:よし、よく言った!ま、これで俺とはライバルになった訳だけどな!


エド:うん…そうだね。


レオ:ったく、スッキリした顔しやがって。


エド:そう…?


レオ:なんかこう、肩の荷が下りた~!みてぇな?

   ま…形は違えどシスコン卒業できたんだし、いいんじゃねぇの?


エド:やめてくれよ…。


レオ:ははっ、悪い悪い。

   で、どうすんの?本当の両親と一緒に行くのか?それとも、ここに残るのか?


エド:……。


レオ:…ローズの心臓の事は聞いてる。

   けどさ、ドナーが見つかるまで文通とか電話とかして、お互いの近況言い合ったりとかさ、

   そういうのも悪くねぇじゃん?俺ならそうする。


エド:…もし行くなら、文通も電話もしない。

   ローズにも会わないで出ていくよ。


レオ:はっ?!


エド:迎えに来た時、ちゃんと成長した僕を見て欲しいんだ。

   

レオ:…ま、お前がそう決めたんなら、俺は何も言わねぇけど。

   つーか!!ライバルになったからには絶対ぇ負けねぇからな!!


エド:僕も絶対負けない!!


レオ:よーし、その意気だ!!

   あいつと結婚するのは俺だからな!!


エド:ははっ、レオってば張り切りすぎ!

   …けど、必ずローズを振り向かせてみせる。絶対に!

   ……あ…、まだ、居るかな…。さっき、暴れながら出てきちゃったから、行きづらいや…。

   

レオ:チャーリーにも何か言ったんだろ?

   顔には出さなかったけど、結構心配してたっぽいぜ…?


エド:あ…うん。チャーリーにも謝らなきゃ…。


レオ:ん、そうしとけ。

   …で?本当に行くのか?


エド:…うん。今決めた!


レオ:そっか…、寂しくなるな…。


     (間)


   ……、俺が見る限り、お前とローズに差はなかったよ。


エド:…?


レオ:愛されてた、だろ?


エド:…うん!


レオ:分かってるならよーし!ほら、さっさと行ってこい!


エド:ありがとう、レオ!僕行ってくる!


レオ:あいよ!頑張れよー!





【応接室前 廊下】



エド:チャーリー!


チャーリー:坊ちゃま…。


エド:チャーリー…さっきはごめん…。

   チャーリーは僕の為を思って黙っててくれたんでしょ…?

   僕…ちゃんと皆に愛されてたのに…。お父様にも、チャーリーにも…。


チャーリー:…レオ様とお話しされたんですね。


エド:うん…。

   ねぇ、まだお父様は居る?それと…僕の本当の両親も。


チャーリー:……、行かれるおつもりですか?


エド:うん。


チャーリー:そうですか…。

      ですが、ご主人様がお許しになられるかどうか…。


エド:チャーリーも、協力してくれる…?


チャーリー:…やれやれ。可愛い坊ちゃまの頼みなら、仕方ありませんね。

      執事長として、精一杯援護させていただきます。


エド:ありがとう、チャーリー!



エドM:ふと、応接室の扉が開いた。



エド:…あ、お父様…。それに…。


ディラン:…エド。謹慎はどうしたんだ?


エド:お父様…さっきはごめんなさい…。冷静になって、考えて…。

   僕、愛されてたんだな、って…思って…。

   あ…っ、その…っ、お話はどうなったの…?


ディラン:お前には関係ない。部屋に戻りなさい。


エド:僕!本当のお父様とお母様と一緒に行く!!


ディラン:!馬鹿者!!何を言い出すかと思えば…。

     お前はこの家の跡取りなんだぞ?!


チャーリー:ご主人様、僭越(せんえつ)ながら私からもお願い致します。

      坊ちゃまを愛していらっしゃるなら、

      どうかこのお話を受け入れてはいただけませんでしょうか?


ディラン:チャーリー。お前まで何を言い出すんだ。


チャーリー:坊ちゃまが我が儘を言う事など、今までそうそう無かったはず…。

      その坊ちゃまが、ご自分の今後の人生をお決めになるという事は、

      坊ちゃまにとって、とても喜ばしい事なのではないでしょうか?


ディラン:……。


エド:僕は…、僕はローズが好きだ!!


ディラン:?!


チャーリー:!坊ちゃま…。


エド:だから、僕はこの家を出ていく!出て、成長して、ローズを迎えに来る!!

   

ディラン:…っ、この大馬鹿者!!お前達は兄妹なんだぞ?!


エド:僕らは本当の兄妹じゃない!!…違う?


ディラン:………。


エド:僕が居ない間…、ローズを、お願い。


ディラン:……どうしても、行くのか?


エド:うん。


ディラン:…勝手にしろ。


エド:ありがとう。

   …ねぇ、僕が戻ってきたら、祝福…してくれる…?


ディラン:…さぁな。


エド:そっか…。


     (間)


   お父様、16年間お世話になりました。愛してくれて、ありがとう。



エドМ:それから、3日後。

    僕は最低限の荷物だけをトランクに詰め、家を出た。

    目指すは隣国の花屋…、僕は、エドワード・ロビンソンになった。





【エドの寝室】



ローズ:エド…?

    …え?なに、これ…。


チャーリー:お嬢様。


ローズ:チャーリー、エドの荷物がないの!

    私とお揃いのスノードームも!


チャーリー:坊ちゃまから、これを…。


ローズ:手紙…?

    ローズへ…。



エドМ:この手紙を読んでいる頃、僕はこの家には居ないと思います。

    勝手に出ていく僕を許して欲しい。

    僕は、この家の子ではありません。

    それを知ったのはつい数日前の事です。



ローズ:え?!どういう、事…?



エドМ:僕は、とある事情により、この家に拾われました。

    そして、君と出会った。

    君と過ごす日々はとても有意義で、そして幸せでした。

    お父様やチャーリー、そして、君に…。

    皆に愛されて、本当にとても幸せでした。


    最後に。

    ローズ、僕は君の事が好きだ。


    必ず君を迎えに来る。それまで、どうか元気でいて欲しい。

    体に気を付けて。―――エドワード




ローズ:っ、エド…、エド…っ。


チャーリー:お嬢様…。


ローズ:う…っ、う…っ、うわあああああん!!





エドМ:1年半後。




【隣国 ロビンソン家1F 花屋にて】



エド:よいしょ、っと。母さん、ここでいい?

   あ、郵便屋さん!いつもありがとう。

   …あれ、僕宛てだ。差出人は…、レオ?!



エドМ:その手紙には、チャーリーからこの家の住所を聞いた事、

    近況報告と、ローズの心臓移植が成功した事が書かれていた。



エド:成功、したんだ…。やった…やった!!

   待ってろよ、ローズ!必ず、君を迎えに行くからな!!





エドМ:―――そして、それから3年の月日が経った頃。



ローズ:すみません、薔薇を1本くださいな。


エド:はいはい、ちょっと待ってね。



エドМ:どこかで聞いたことのある声…。まさか…!



エド:…!ローズ?!


ローズ:久しぶりね、エド。


エド:どうしてここに?!チャーリーには教えるなって、口酸っぱく言ってきたのに…!


ローズ:エドがなかなか迎えに来てくれない、って

    レオの前で泣いちゃったら教えてくれたのよ。


エド:あいつ…っ。


ローズ:もう5年になるのね…離れ離れになってから。


エド:そうだね…。

   …少し、歩こうか。近くに公園があるんだ。

   ごめん、父さん母さん。ちょっと出掛けてくるよ。


ローズ:あら、お店はいいの?


エド:うん、今の時間は暇だから。

   さ、行こうか。


ローズ:ええ。


エド:(歩きながら)けど、ビックリしたよ。突然訪ねてくるんだもの。

   その…とても綺麗になったね。


ローズ:あら、エドこそずいぶ…、キャッ!(つまずく)


エド:っと!大丈夫かい?


ローズ:あ…えっと…、ご、ごめんなさい…!


エド:足元気を付けて。ここ、路面があまり良くないから。


ローズ:え、ええ……。


    (間)


エド:…?どうしたの?急に黙り込んじゃって。しかも顔が赤―――


ローズ:あ…っ、あんまり心臓に負担掛けないでよ、もうっ!!


エド:……?



エドМ:ローズを抱き留めた時、ワンピースの胸元からちらりと見えたのは、

    手術の傷跡だった。



エド:傷…残ったんだね…。


ローズ:!ちょっと、どこ見てるのよ!


エド:ああっ、ごめん!

   見るつもりじゃなかったっていうか、不可抗力っていうか―――


ローズ:…大変、だったのよ…。


エド:え…?


ローズ:エドが居なくなった後…、私、ずっと泣いてた…。

    大きな発作も何度かあって…手術も、して…。

    なのに貴方は、ずっと迎えには来てくれなかった。

    凄く…寂しかったのよ…?


エド:それは…ごめん…。君を迎えに行けるくらい、成長したくて…。


ローズ:分かってるわ。別に責めてる訳じゃないの。

    こうしてやっと会えた…、それが今は一番嬉しいの!


エド:ローズ…。

   あ…そういえば、ここには一人で来たのかい?


ローズ:ううん、メイドさん達と一緒。

    気を利かせてくれて、一人にしてくれたの。


エド:…ここに来る事、お父様には反対されなかった?


ローズ:『もう大人なんだから好きにしなさい』ですって。

    エドの事も、何だかんだ言ってはいたけど、ちゃんと認めてくれてるみたいよ?


エド:認、め…?


ローズ:お父様達の前で言った事、もう忘れちゃった?


エド:あ…。


ローズ:だから私がここに居るのよ?もうっ、待ちくたびれちゃったじゃない。


エド:ローズ、えっと…それって…。


ローズ:…ねぇ、エド。今好きな人、いる?


エド:…いるよ。目の前に。


ローズ:ふふっ、嬉しい!私も、エドの事が好きよ?


エド:!ほ、本当に…?


ローズ:ここまで来て、嘘を吐く理由ある?


エド:本当、なんだね…?本当に、僕でいいんだね?


ローズ:エドがいい。…ううん、エドしか考えられないの。


エド:っ、ローズ…。


ローズ:…っ、そんな強く抱き締めないで…痛いわ…。


エド:あ、ごめん!


ローズ:ううん、いいの。…もう一回、抱き締めて?


エド:…うん。




エドМ:それから暫く経ったある日の事――ローズの誕生日。




【ブレンダーガスト家近隣 教会にて】



レオ:おっめでとー!!


チャーリー:おめでとうございます。お嬢様、旦那様。


エド:ありがとう。


ローズ:ありがとう、二人共。


ディラン:おめでとう。エド、ローズ。


エド:!お父様…。


ディラン:…ごほんっ、私は挨拶に行ってくる。

     後は任せたぞ、チャーリー。


チャーリー:はい、かしこまりました。


ローズ:もうっ、お父様ったら照れちゃって…。


レオ:あーあ、やっぱこうなっちまうかー。くっそー!悔しいぜ!!


ローズ:ふふっ、レオったら。


エド:…ローズ。


ローズ:?


エド:これからは、ずっと一緒だ。


ローズ:ええ、ずっと一緒よ。…あなた。



エドМ:病めるときも健やかなるときも、死が二人を分かつまで。




―END―






ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

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