死神の初恋
何時もの思いつきで直ぐ書いた駄作です。
最近、ハーメルンの小説が多重化してきたので、久しぶりになろうに投稿しようとした所業でごさいやす。
あれは夜を照らす月の光だった
それは君がくれた御守りだった
これは僕の大切な……
◆◇◆◇◆
僕は普通の少女。
見た目だけはね。
喋り口調も歳も見てきた世界も。
みんな他とは違う。
人間達は醜い争い事を好んで行う。
それは幾年も見続ければ、人生は嫌になるものだ。
ただ、分かったことはある。
争い事があるから平和が存在するのだと。
僕は死なないからこそ見てこれたのだ。
こんな醜くても愛おしい世界を。
僕は哀しく無いよ。
もう悲しく無い。
泣くのを止めたのさ。
君がくれた御守りは何時も旅をするときは、手離さないように大事に持っているよ。
あの月明かりで僕は…私はこういう生き方になった。
あの月明かりが無ければ……なんて考えた事も在ったけど、今はあの月の光が在ったからこそ僕は此処に居るんだ。
僕……いや私は死ぬことの大切さを知ることが出来た。
喩えそれが私の友を奪っても、私の友は大切な人だったのだと再確認出来る機会なのだ。
◇◇◇◇◇
私はやっと終着駅に辿り着けたんだ。
なんと嬉しいことか、悲しいことか。
君に会えなかった寂しさは、会える喜びのエネルギーだと今は分かる。
何年生きていたのか私は覚えていない。
それでも君と別れた日はちゃんと覚えているよ。
何時でも思い出せる。
天より高いところに居る君を私は見付ける事が出来るだろうか。
君が生きていた時代はもう何処にも無い。
君と共に生きた時間は短かった。
君を見付けた時、君はどんな表情をするのだろうか。
◆◆◆◆◆
私は私で、君は君。
私は死神で、君は天使だった。
私が居たことで、君は死んでしまった。
私は数万、数億年の歳月を君が生きれなかった分生きた。
私は君が居てくれて良かった。
私の命の灯火は此処で尽きる。
大事な御守りを持って会いに逝くよ。
◇◆◇◆◇
あれは夜に流れる月の涙
それは君の大事な思い出
これは私の大切な友達の記憶
悲しくてもそれは大切な思い出となる