表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/4

いちチラ

雀丸すずめまる 知美ともみ、今日の私は絶対に、ツイている。



目覚ましより20分以上も前にスッキリと目覚めたし、

頭爆発や寝癖が一つも無かったし、

ヘアアイロンの効きが良くて、セミボブの左右のゆるい内巻きが綺麗に出来たし、

普段はスルーの星座占いでは全体運は上位にしては4位だったけど、恋愛運は1位だったし、

朝ごはんの目玉焼きの卵は双子ちゃんだったし、

時間があるから食べた"フォーチュンアイス"にレアアイスが入っていて、それが恋愛運上昇のハートの形だったし、


それに……



鷹野たかやくんだ……!」



駅の学校に行く為のホームには、幼馴染の大神おおかみ いつき……"いーくん"の隣に、鷹野たかや しんくんが居た。

二人は背がとても高く、周りから"ピョコン"と出ているからとっても分かりやすい。ちなみに二人ともバレー部。

……そして私はとても小さい。本当に小さい……高校生で制服を着ているのに、小学生に間違われる。更に体系的にでどこも出てないからなのか……。



「鷹野くん、今日も格好良い……。恋愛運が良いお陰かな?」



そんな事を呟いて、"ぼぉっ"としながらホーム上の階段から下に居る二人を見ていたら、背中を強く押された。



「へっ!?」



私は突然の事でそのまま前に足を出してしまい、しかもそれが階段の端からジャンプする様になり……。



「きゃ……ぁああぁあ!?」



こ、こんな時に前方の人の群れが私を避けてる!?

背中を押されたのは事故。朝でみんな忙しいのだ。そんな中に惚けて立っていた私が悪い……のだ。……多分!

あああ、でもどうしよう!? このままでは階段を踏み外して前方に落ちるのは予測出来るけど、顔面から!? だってどうすれば上手く着地出来るの!? 自慢じゃないけど、運動神経は残念なんだよぉ!!!

こんな事を考えている間にも、漫画やアニメや小説の様に時間が止まる訳無いから、私はバランスを崩したまま下に落ちている。


そして、もう下に激突すると思った瞬間、私は思わず瞳を閉じた。



「トモ!!」


―ガシッ!!!


「!??」



な、なに!? いーくんの声が聞こえた!? しかも何だか地面とは違う、抱えられた様な衝撃!??


私は恐る恐る瞬間的に閉じていた瞳を開け、自分が高い位置に居るのが分かった。

だって、安堵した様ないーくんの顔が……斜め後ろにある。


……ン? …………ナナメ、ウシロ?



「大丈夫な様だな」



……なら、この"前"から聞こえた……声、は……?


私は半分はある可能性に気が付いていながら、そこで停止させて前方の……私を抱きかかえていると思われる人物の方を向いた。



「大丈夫だろ?」


「……は、ひ、ッ!!」



そう。


私を抱きかかえる形で助けてくれたのは、いーくんと談笑していた、



鷹野くん



だった、のだ……!!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ