表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/5

ある男の遺書

………君達は天国を信じるかい?

僕は信じてるよ。

僕が死んだらきっとそこに行くんだろうね。

………でも、”そこ”に行けるのは一体どの位の人なのかな?全ての人が行けるなら地獄は存在しないんだ。

まあそれは置いといてさ、君達は天国をどう思う?

きっと天国は死んだら行く場所、とかそんなの興味ない

考えた事がないって言う人達が多いんじゃないかな?

………僕はさ、こう考えてるよ。

天国というのは選ばれた人だけが行けるって。

何を行っているんだって言われるかもしれない。

平等じゃないとどっかの宗教家に言われるというか怒られるだろうと思う。何故そう思うかって?どうしてかはわからないよそう思うんだからさ。

でも、理由といえない理由ならあるよ。

それはね、人間って何も考えずとりあえず生きる為に

仕事をしている人達っているだろう?

そういう人達さ、生きてると言えるかい?僕は思わないね。そんな人間は生きてもいないし、死んでもいないよ。

生きても死んでもいない人間が天国に行けると思う人間がいるならその人に聞いてみたいかな。天国は文字通り天の國なんだ、死んだ意思ある人間がたどり着く天の国なんだ。

………こんな事を長々と言ってごめんね璃莉。

まあ僕が言いたい事っていうのは君がそんな大人に、息をしていない、生きた死人にならないで欲しいんだ。

意思ある……自分という個を持った人間でいて欲しいんだ。

じゃあ最後に。

もし君が意思ある生きた人間になり天国に行けないようなら………僕が殺しに行こう。愛していたよ璃莉。

by.工藤晴人


(女性の名前は伏せられている)



ーーーこれが今回は起きた48人を殺した連続殺人犯工藤晴人容疑者が、自身をナイフで刺し自殺した後に発見された遺書と思われるモノの一部を切り出したものです。ーーー


ーーこれは一体犯人……工藤容疑者は何を言いたかったのでしょうかね?ーー


ーー天国と言う事を延々と言っていて、中には殺しの意味を正当化するような事も書いておりましたがこの工藤晴人容疑者は異常な精神だった、という事と何やら宗教か何かを信仰していた、というのは私でも分かりますよ。ーー


ーーそうですね。今回起きた事件の動機が警察でもまったく分からず突発的な犯行、と見ているようです。ーー


ーーなんだと!?こんなモノが見つかっても

突発的に起こしたものと言えるのか!!ーー


ーー私もそう思うな。突発的では無いならどうやって4数名という命をあんなにも酷いやり方で殺める事が出来るんだ!計画的犯行というならばもっとやり方があるだろう!!ーー


ーーおいお前!なんだその言い方は!

それでも貴様元刑事か!?ーー



ー以下、同様の会話が続くー





ピッ

「…………全く、彼は本当に馬鹿ね。警察に取られるのが分かっているからってまさかTV越しで私宛に手紙を宛てるなんて………馬鹿な人だわ」


彼は本当に愚かな人だわ。

私にそんな事を伝える為だけにそんな事を書くんだもの。

私が貴方を愛している限り、それはないのよ?

………天国があると教えて上げたのは私なのに、ね?


「……さて、この男の生は終わった。次は……どの人間に憑こうかしら?ふふ」



彼女はそう笑いながらそこから消えた

………最後に残ったモノは彼女から落ちた灰色の様な白い羽。

この世には天国はある、地獄はある。

ファンタジーと言われる物は存在している。



彼らは君の隣にいる。それは見守る天使かもしれないよ…………まあ、それがまともな奴とは限らないけどね?僕の様に、人の狂った一生を見守るのが好きな奴もいるんだから。

僕は君達がこちらに来ることを願っているよ!皆が幸せに!己が欲望を!意思を堅く持ち天国へ来ることを!!

…………さあ、僕の赤い紅い血の舞う天国へ来てくれる人はいるのかな?一生……一生待ってるよ?フフフ………

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ