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人形屋

カランカラン


街の小さな人形屋に久しく聴いていなかった音が鳴り響いた。


一人の少女は店内に所狭しとある人形達の事を見ていた。


「いらっしゃい。今日はどんな御用かな?」


いきなりの声で驚いてしまい後ろを振り向くと、

そこには黒髪に緑の眼をした不思議な男性がたっていた。


「そ、その……そこの人形が気になって……」


「ああ、ソレか。

それは中々上手く出来たモノで私も気に入っているんだ」


「……綺麗ですね」


「ああ、とても美しいよ……」


主人はまるで自分の恋人のように……

愛おしそうにその人形を撫でていた。


「……その、ご主人は人形が好きなんですか?」


「そうだね……。昔から人形のつぶらな瞳に滑らかな肌……そんな人形が好きだったんだ。だから、私はこうやって店をやっているんだよ」


「……君は人形はどんなモノだと思っているのかな?」


主人はそう少女に聞くと少女は戸惑いがちにこう答えた


「私……ですか?私は……人形は人の心を表した物なんじゃないかと思い、ます。」


「…………なるほどね、確かにそうかも知れない。」


主人は目を細めた後で、人形についてを語った。


「あ…そろそろ帰らないとお母さんが心配しちゃう」


「…………残念だな。」


「私も、です。どうせならこの素敵な場所にずっといられたらいいのに………」


その言葉を聞いた瞬間、主人の目がギラりと光ったかと

思われた瞬間!少女の手を思い切り掴んだのだ!


「きゃっ!……あ、離してください!」


「………何故?君がずっといたいと言ったんじゃないか。

私はそれをしようとしているだけだよ。」


「ヒッ!?」


「…………ああ、何て美しい手なんだ。その滑らかな肌に手首のくっきりとした凸凹……美しいよ。君の瞳の色も中々だ。その綺麗な艶のある髪も素晴らしい……さあ……ここで僕と一緒に暮らそうか、新しい人形(彼女)?」


その言葉を聴いた瞬間、彼を突き飛ばし急いで入口のドアを明けに走った


だが……


「なんで!?なんで開かないの!?」


「逃がさないよ?私の美しい愛おしい人形?

私の力でその扉はもう開かない。ここは私の楽園だからね………ああ、そんなに怯えないでくれ。

君のその恐怖に満ちた魂は美しいが、その表情は頂けない。彼女達の様に笑っているか無表情でいてくれなくては…………けれども、もうそこのモノ(人形)は要らないな。君と言う彼女を見つけたんだ。ソレはもう売ってしまおう。」


「どういう、事……?」


震えながらそう呟くと、嬉しそうに言葉を紡いで言った


「そこのモノはね。元は人間なんだよ。私がその娘達を美しく仕立てあげ、その器に美しい魂をいれるんだ。

……恐怖に満ちた魂程美しいモノを、私は知らない!

さあ!君も私の愛すべき美しき人形になってもらおう!」


そういいながらナイフを少女に突き刺した………。


「ふふ…………君の今の顔は美しいよ。

せっかくだ、君には一番美しいドレスを着せて上げようか

……私の可愛い可愛いドール?」


「……タス……ケ…テ…」

それが彼女が聴いた男の声だ。








ーここはある狂気を身に宿した人間ではなく人形しか愛せない男が創り出した楽園(人形屋)ここに訪れた少女達は誰も生きて、人として出る事が出来ない店………さあ、次に彼の彼女(人形)になる人物は一体誰か……想像してみるといいー

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