人生3
その人に助けてもらったのはそのときだけだった。その後いじめはまた始まった。
俺は学校が嫌いだった。他の生徒からの俺に対する同情とか、嫌悪とかが全部俺の中に流れてくる。それをいつも、耐えていた。
でも家にも帰りたくなかった。家にいると、必ず長男が俺の部屋にやってきて、俺に性的暴行を加えた。抵抗すると、殴られたし、蹴られた。俺は、途中で、抵抗することをやめた。
長男がいないときは、養父に呼び出された。養父は、俺を裸にして、隅々まで舐めるように見るのが好きだった。最初はただ服を脱いで立っていればよかったのが、だんだん、机の上に足を開いて座らされたり、四つん這いにさせられたりしていった。実際に舐められたり、体中を触られたり、指を入れられたりもした。俺が抵抗すると、養父は、「誰がこんな裕福な暮らしをさせてやってると思ってるんだ!!昔の生活に戻りたくなければ言うとおりにしろ!!」と怒った。俺は命令のとおりに動くしかなかった。
そんな日々が続いて、家族関係は悪化していった。夫婦関係は目に見えて悪化していったが、長男と養父は相変わらず俺のことしか考えていないようだった。
気持ち悪い、気持ち悪い、気持ち悪い。
これは、俺の考えだろうか。いや、違う、これは、養母の心だ。
養母は俺たちの関係に気づいて、だんだんと、気がおかしくなっていった。
そしてある日、養母は、泣きながら俺に包丁を突きつけてこう言った。
「お前なんか引き取らなければよかった」
お前のせいで家族は狂ってしまったのだ、お前が来たから。
俺は何も言えなかった。結局、俺はどこにもいてはいけない存在だったのだ。
このままだと殺される、そう思った。しかし、直前に、養父と長男が助けに来た。
「やめろ!!」
そう言って、養父は俺を庇った。長男も養母の前に立ち塞がった。それを見た養母は、悲しそうに笑って、目の前の長男を刺した。長男はそのまま倒れこんだ。
それを目撃した養父は、養母を止めようとしたが、養父もまた、刺されて倒れた。養母は、養父を、包丁で、何度も、何度も、何度も何度も何度も刺していた。
俺の座っていたところまで血が飛んできた。俺は恐怖で動けなかった。
何回も養父を刺した養母は、俺を見て、おかしく笑い、そのまま、実の息子と夫を殺した包丁で、首を切って自殺した。
俺は、一部始終を目の前で見ていた。そして、
俺は、その家から逃げ出した。




