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第一話 八月二十日

あけましておめでとうございます

 さて、地面に着いたのはいいのですが、困ったことにここがどこだかさっぱりわかりません。

 あ、もちろんお腹の中だってことはわかっていますよ?落ちる途中でみたところでは、このお腹の中は一つの世界になっているようですから自分は今、その世界のどこにいるのだろう?と思ったのです。


 周りにはいつもの畑や掘っ建て小屋が見えます。いつもと何の変わりもない世界です。でも空は少し赤みがかかっていますし、太陽も見当たらないのに何故かとっても明るいのです。


 村のみんなは、二つの反応に分かれていました。

 呆気にとられ何が起きたかわからず、状況を飲み込んだとしても、ただ絶望してしまっている人達。

 もう一方は、自分の気持ちを割り切り、早くもこの世界でなんとか生き延びようと動き出した人達。

 ちなみに僕は後者です。

 あのチラリと見えたお城や大きな街に行っていろんなものを見てみたいという衝動に駆られて、早くもうずうずしています。

 今まで平凡にただただ繰り返してきた日常に飽き飽きしていましたから、これはある意味、僕にとっては嬉しい出来事だったのです。

 ここから一歩踏み出せば新しい世界が広がっているんです。そこが生きるのに辛い場所だったとしてもきっと僕は後悔しないでしょう。少なくともここの生活よりは楽しいものに違いありません。今のままでは農場で働く畑を耕すロボットです。


 思い立ったが吉日。このままぼーっとしていたら誰かに声をかけられ何かを手伝わされ、結局ずるずるとここに留まらないといけなくなりそうです。みんなには悪いけれど、僕は先に旅立たせてもらおうかな。


 行ってきます。

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