活動記録【眠たい朝】
・・・ジリリリリリリリリリ!!!
「・・・ん~」
無駄に音のでかい目覚まし時計が今日もいつもどうりの勤務時間になったようだ。
俺は布団の中から手を出しそのまま時計へ手を伸ばす。
その間も目覚まし時計の音は止まらない。
少し離れた場所に置いた目覚まし時計は布団に入ったまま止めるのは困難ではあるがこうして無理やり布団から体を出し少しでも眠気を覚ますという考えだ。
カチッ。
俺は上半身だけ布団から出て耳障りな音を止めた。
そして再び布団に入る。
俺は日ごろからこの目覚ましでは完全には起きない。
二度寝をする。
しかしこれでも遅刻の心配はない。
なぜなら・・・
「お兄ちゃん!!起きてーーー!!」
強い波が来た後はそれよりも強い波が来るものだ。
頼んでもいないのにな。まあ、遅刻はしないからありがたいのだが。
「お兄ちゃん!!早く起きて!!」
布団が激しく揺さぶられる。震度3くらいだろうか。
「うーー、頭がいてぇ・・・」
嘘だ。俺は毎朝学校が行きたくないがために体のどこが痛いと嘘をついておく、しかし・・・
「どうせ嘘でしょ!!」
和葉には通用しない、母親だと騙せるんだが。
震度は5・・・6と強くなっていく、このままでは俺が住んでいるこの地域も危ないので俺はしぶしぶ布団から出る。
「朝ごはん用意して待ってるからね!!」
朝から元気の良いやつだ。
俺はカーテンを開けるとジメっとした自室に朝日が差し込む。
鳥がチュンチュン鳴いている。少女漫画みたいな朝だ。
眠い目をこすりながら階段を下りリビングに入ると食卓にはすでに朝食が用意されていた。
相変わらず準備が早い。
こいつは良い嫁に・・・いや誰にもやらんけど・・・
朝食はトーストに付け合わせのサラダという簡単なものだったが朝の栄養補給には申し分ないだろう。
和葉はもう食べ始めていてもう食べ終わりそうだ。
俺もトーストを咥えて、サラダに胡麻ドレッシングをかける。
いつの間にか食べ終えた和葉はもう制服に着替え始めている。
おい、ここで着替えるのはやめなさい。
そんな俺も少し時間に余裕もなくなってきたので残ったサラダを口へかき込み自室に戻り準備をする。
幸い始業式の次の日なので大した教材も必要がない。準備はすぐに終わった。
洗面台で顔を洗い、歯も磨く。
玄関では和葉がもう学校へ行く準備も終わったらしく足で地面をパタパタしながら立っている。
「お兄ちゃん早く~!」
よし、行くか。
学校指定のブレザーをはおり、これまた学校指定の革靴を履く。
玄関扉を開けて今日初めての外の空気を吸う。
まだ少し眠気が覚めないな・・・。
「ほら早く~」
俺はもう歩き始めている和葉を駆け足で追いかける。
いつも朝は途中まで和葉と行く。
とは言っても和葉の通う中学校は神総よりも全然近いのですぐに別れるのだが。
「お兄ちゃん、今日は帰ってくるの遅い?」
「どうだろうな、なんとも言ないな」
「じゃあ和葉は部活がないから今日の晩ご飯も任せて!!」
「あぁ、悪いな。じゃあお言葉に甘える」
「でもなるべく早く帰って来てね」
「わかった」
「じゃあね、お兄ちゃん!!」
中学校へ行くための別れ道に差し掛かった所で和葉と別れて俺は神総への道を歩く。
なんだか今日は妙に眠いな。
ありがとうございました。
朝チュンな朝でしたね。
次回は和真の数少ない友達の登場?
乞うご期待!!