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活動記録【自宅】

お久しぶりです。

 とても長い坂を下り自宅が見えてくる。


 帰りは下り坂なのでさして体力は使わないのだが、行きは上り坂なので朝はこの坂に一日の体力の半分を持っていかれる。

 

 俺の家は二階建ての一軒家だ。

 部屋の電気が付いている。誰かもう帰っているらしい。

 誰かとは言っても両親ではない。

 俺の両親は共働きのため帰りは遅い。

 まあ、そのおかげで家計は少し裕福なほうで、私立の高校に通えているのもそのおかげだ。

 よって俺の帰りを迎えてくれるのは・・・、


 「あっ、おかえり!お兄ちゃん!!」


 妹である。


 高木(たかぎ) 和葉(かずは)中学三年の俺の妹だ。


「おう、ただいま」


 「晩ご飯、もう出来てるよ!今日はカレーだよ」


 両親が共働きであるため、俺たちより早く仕事から帰ってくるなんてことはほとんどない。

 そのため先に学校から帰ったほうが夕食を作るというのが兄妹の決まりだ。

 しかし俺はいつも帰りが遅いため妹の和葉がほとんど作ってくれる。

 出来た妹である。


 俺は二階の自室へ行き、ベッドに鞄を放り投げ部屋着に着替える。

 階段を下りてリビングへ入ると和葉はカレーをよそい終わりすでに席に着いていた。


 「お兄ちゃん!早くしないと冷めちゃうよ!」


 俺はせっかく妹が作ってくれた料理を冷ますわけにはいかないとイスに腰を下ろした。


 カレーのスパイシーな香りが鼻をくすぐり食欲をそそる。

 和葉は俺が座ったことを確認すると手を合わせた。

 すでにスプーンを手に取っていた俺はあわててスプーンを置き、手を合わせる。


 「「いただきます」」


 再びスプーンを持ち、カレーをすくう、そして頬張る。


 「おいしい?」


 聞かれたのでは答えない訳にはいかない。

 俺は何度か咀嚼してから飲み込み、口を開く。


 「ああ、おいしいよ」


 「それはよかった」


 こいつは良い嫁になるぞ。

 まあ、和葉は誰にもやらんけどな・・・。


 その後は和葉の学校であったことなどの世間話を、ときどき相づちを打ち、食事は終わった。


 

 食器を洗うのは夕食を作っていないほうの役目である。

 俺は慣れた手つきで次々と食器を片づけていく。


 「はあ~良いお湯でした~」


 和葉が風呂から上がったらしい。

 旅番組かっ!


 リビングに入ってきた気配を感じたのでふと目をやる。


 「・・・ッ!!」


 和葉は生まれたままの状態にバスタオルを巻いただけという格好だった。

 妹といえどこういう格好で出てこられると少しびっくりする。

 しかし所詮は家族なのですぐに冷静にもどる。


 「・・・風邪ひくぞ」


 「ちぇ、サービスショットなのに~」


 「そんなのいらん」


 「こんな可愛い妹がこんな格好で出てきたのに感想はないの?」


 「・・・防具はちゃんと装備しないと効果がないぞ」


 「意味わかんない!」


 和葉はしぶしぶと自室へ着替えを取りに行く。


 まあ、確かに可愛いんだけどな。

 自覚している。俺は重度のシスターコンプレックスだということは。

 

 

 俺も風呂に入り、自室へ向かう。

 階段を上り終えた所で背後から騒がしい音が近づいてくることに気がついた。


 「おやすみ!お兄ちゃん!」


 和葉だ。上り終えたと同時に俺の背中に体当たりをくらわす。

 おかげで俺は壁に体当たりをすることになった。


 「っつ!ったくお前は・・・、もう寝るのか?」


 俺は背中の鈍い痛みに耐えながら聞いた。

 時間はいつもの就寝時間よりも少しばかり早い。


 「うん!早く起きて少し勉強する!」


 「そうか、おやすみ」


 俺が言い終わる前に扉がしまった。

 確かに和葉も今日から受験生だ。

 どこの高校に行くかは知らないが、頑張ってほしいものだ。


 俺も自室に戻った。

 今日は勉強をする予定もないので暇だ。


 「俺も早く寝るか・・・」


 俺は布団に入り、電気を消す。


 「和葉・・・神木総合高校を受けなさい・・・」


 シスコンな俺は静かに目を閉じた。



 

ありがとうございました。

僕には妹はいませんからね!

いたらこんなの書けませんよ!

よって僕はシスコンじゃないです。


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