活動記録【部活動紹介】
健也は立ち上がったまま、全員の顔を見渡して言った。
「では仕切りなおしてこの生物部(同好会)とはどういう物なのかというのを説明していこうではないか!!」
まあ、それが妥当だな。
「まずはこの部の部員を紹介しよう!!」
すると空ちゃんは目を丸くして、
「えっ!?3人だけじゃないんですか!?」
「生物部(同好会)で飼ってる生き物のことだよー!」
秋は空ちゃんに抱きついたままいった。
つーかいつまで抱きついてんだよ!
百合みたいじゃねーか!
って!!何言ってんだ俺は!!
「なーんだ、生き物のことですか」
「普通に言えよ・・・」
正気に戻った俺が冷静につっこむと健也がいきり立って、
「ヴァイヴァリオン達だって立派な部員だぞ!!」
「そうだそうだ!!」
2人を敵に回しちまった・・・。
「あの・・・ヴァイヴァリオンって言うのは一体・・・?」
「あー・・・ヴァイヴァリオンってのはここで飼ってるメダカの名前だ。健也が名付けた」
あいつが付ける名前はいつも変ってるんだよなー。
「ちょーかっこよくない?」
そして秋はその名前をすごく気に入っている。
こんな複雑な名前のせいで俺は全然覚えられない。
「なんか・・・すごくかっこいいです!!」
「でしょーー!!」
俺に共感してくれるやつはいないらしい。
「そしてたった今生まれたヴァイヴァリオンの子どもの名前がヴァンダルギアだ!!」
また覚えにくい名前を・・・。
「やっぱり健也のネーミングセンスは最高だね!!」
「だろー!!」
その後、健也と秋は他の飼っている生き物の紹介とこの部の決まりを説明していた。
その間、俺は『とあるベッド下の禁書目録』を読みながら笑いをこらえていた。最新刊待ってます!!
他に飼っている生き物というのは、簡単に説明してしまうと、メダカ、祭りで取った金魚、川で捕まえた亀、そしてよくわからないトカゲがいる。
名前は覚えてません・・・。だ、だって覚えにくいんだもん!!
この部の決まりっていうのは特にない。
いや、あるのだと思うが、単に俺が知らないだけなのかも知れない。
だが知らなくてもやっていける程度の決まりなのだろう。
気がつくと、窓の外はずいぶんと暗くなっていた。
「じゃあ今日はこの辺で終わりにすっか!!解散!!」
「おつかれーー、空ちゃん!一緒に帰ろうよ!!」
「あ、はい!!」
秋が空ちゃんの手を引いて扉の前で振り返った。
「2人とも!また明日ね!!」
「ありがとうございました!」
そう言って部室から出ていった。
俺は健也のほうを見ると、健也はニヤニヤしながら
「なんかいいですね・・・、あぁいうの、ほほえましいね!」
早く医者に見せたほうが良いのかもしれない。
「俺たちもそろそろ帰ろうぜ」
たまに秋と健也俺の3人で帰ったりするが、秋は他の部活の友達と帰ることが多いので、俺と健也、いつも2人で帰っている。
「わりー!俺先生に呼び出しくらっててさー・・・先帰ってて!!」
「なにやらかしたんだよ・・・」
「ま、まあ・・・気にすんな」
「そうか・・・じゃあな」
ここで深く追求すると俺まで巻き込まれそうなのでやめておいた。
部室を出ると廊下には誰もいない。もうずいぶん遅いしな。
だいたい始業式の日に部活をやるのも禁止こそされてはいないものの、本当にやる部活は少ないだろう。
まだ春とは言ってもさすがに暗くなってくると肌寒さを感じる。
「つかれた・・・」
自分の筋金入りの体力のなさに実感しながら俺は旧校舎を出た。
ありがとうございました。
次回からまた短いのが続くかも!!
しかしこの言葉が本当だということを確かめる方法はただ一つ!!
次回も見てね!!