活動記録【新入部員】
ガチャリ。
扉が音を立てて、誰かが入ってきた。小柄な女の子だった。
「し、しつれいしまーす・・・」
お?お客か?まぁ、あいつらが何とかするだろう・・・。
接客は苦手だからな。
「赤ちゃんかわいー!!」
「超ちっちぇーー!!」
聞いてない・・・。
それどころじゃないってことか・・・。
しかしそれはいかんだろう!!
「おい、誰か来たぞーー」
「ねえねえ、名前はどうする?」
「そうだなー・・・、じゃあヴァイヴァリオンの子どもだからー、こいつの名前はヴァンダルギアだ!!」
意味わかんねーよ!!!
ったくこいつら・・・。仕方ない、俺がでるか・・・。
「えっと、君は・・・、一年生か?なにかよう・・・かな?」
俺はなるべく丁寧に話したつもりだ・・・。
神総の制服は男子がネクタイ、女子はリボンの色が学年によって違う。
3年は赤、2年は青、1年が緑に分けられている。
だからリボンを見れば学年が一目瞭然というわけだ。
「え・・・えっと」
「まあ、とりあえず座ってくれ」
俺は自分の座っている向かいの席を勧めた。
「あ、はい!しつれいします・・・」
この部室は長方形に近い形になっていて、真ん中に長机があり、入口の向かい側には色々な生き物を飼うための水槽がおいてある。
あとはロッカーや資料などが入っている本棚など、あと一応黒板もある。
それと生き物のえさを入れておくための小さい冷蔵庫があったりする。
何もないと言ったら何もない部室だ。
「で、あらためて生物部(同好会)に何かようか?」
「あの・・・入部希望なんですけど・・・」
「ほー入・・・」
そう言いかけたときだった。
「あれーー?誰かいるよーー?」
「誰だお前は!和真から離れろ!!」
「ていうか和真来てたんだ!」
「え・・・えっと・・・」
「さっきからいただろ!お前らさすがに気がつけよ!!しかも俺が部室に来たのは1話前の話だぞ!!」
そんな問題のある発言をしてる場合じゃない。
まずはこの女の子の紹介をせねば。
「入部希望だとさ・・・」
「なに!?入部希望!?」
「大歓迎だよ!!いやーまさかこの部に入部希望者が来るとはねーー」
たしかに・・・こんな部に入りたいやつがいるとは・・・。
「よし!まずは面接だ!全員席に着け!!」
え・・・なに?そういうのやんの?もう入れてあげればいいじゃん!
とりあえず俺たち3人と向かい合う形で入部希望の1年生に座ってもらった。
「ではこれから生物部(同好会)の入部面接を始める」
・・・なんで口元で手を組んでんだ?
それ某アニメの父さんがやってたぞ?
「まず君の名前は?」
「森田 空です・・・」
「俺は部長の山岡 健也だ・・・趣味はギターをやっている!!」
嘘つけ!!
お前は中学の時にFコードがおさえられなくて挫折したって言ってたろ!
キース・リチャードに憧れてましたね!!
俺も好きです!!
「私は三村 秋だよ!好きな食べ物はゴーヤです!」
嘘つけ!!
お前はこの前ゴーヤチャンプルーが嫌いとか言ってたろ!!
沖縄の方たちに謝れ!!
俺はゴーヤチャンプルー大好きです!!
「そんでこの無愛想なのがー・・・」
「誰が無愛想だ。ったく・・・高木 和真だ。よろしく」
こちらが軽く頭を下げると空ちゃんもぺこりとお辞儀した。
あ、勝手に空ちゃんって呼ぶことにしました。
「では入部希望の理由を聞かせてもらおう・・・」
「生き物が好きだからです・・・」
「採用!!君も今日から生物部(同好会)だ!!」
「早っ!!それでいいのかよ!!」
どうやらこの部の入部条件は生き物が好きかどうか、らしい。
「ありがとうございます!!」
ふたたびぺこりとお辞儀をする。
すると秋は空ちゃんに抱きつく。
そういうのは男子がいる前ではやめていただきたい。
「やったあ!!新入部員だ!!よろしくね、そして生物部(同好会)へようこそ!!」
相変わらずのテンションの高さだな・・・とか言う俺も後輩が出来て少しばかり嬉しかったりする。
すると健也は勢いよく立ちあがった。
「ではさっそく我が生物部(同好会)の紹介のほうもしていこうか!!」
「あのーー・・・」
「ん?どうした?」
「その(同好会)って付けなきゃいけないんですか?そこは略してしまって良いような・・・」
「あたりまえだろ!」
「あたりまえでしょ!」
「あたりまえだ!」
「え、えー・・・そうなんですか!?」
これだけは譲れない。別に決まりなどないがここは生物部ではない!!
省略してはいけない!!なぜならここは生物部(同好会)だからだ!!
「わかりました・・・じゃあそう呼びますけど・・・」
空ちゃんはあまり納得がいってないらしい。
だがすぐに慣れるだろう。いや・・・時間はかかりそうだ・・・。
ありがとうございました。
今回は長いですね。
ついにキャラの名前がわかりましたね。
次回もまた見てくださいね。
じゃんけんポン!!
うふふふふふ。