表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/12

記録記録【トーク力】

本当に久しぶりであります!!

少しずつ書いていたのですが忙しかったもんでこのザマです。

分割して書いていたのでちょっと違和感があるかもです。

 

 いまだに腰に鈍い痛みを覚えながら、旧校舎の階段を一段ずつ上がる。

 

 二階は一階に比べて人が多かった。

 この旧校舎は一回が各部活の倉庫となっている部屋が中心だから人が少なかったのはそのためだろう。

 ちなみに生物部(同好会)の倉庫はない。

 まぁ、同好会だし・・・。置くもの無いしな・・・。

 倉庫なんてものは贅沢すぎだ。多くは求めない。贅沢は敵だ。

 

 そんなことを考えているうちに部室にたどり着く。

 こうやって色んなこと考えてるからよくボーっとしてると言われるんだろうな。


 部室の扉を開けると我が部活の新入部員の森田 空ちゃんが長机の前の席に座っている。

 

 「あ、先輩・・・こんにちは・・・」


 少し戸惑った様子でこちらに挨拶してきた。


 「こ・・・こんちわ・・・」


 先輩らしく爽やかな挨拶を心がけたが、後輩の戸惑った様子を見てこちらまで不自然な挨拶になってしまった。


 俺はそのまま何も言わず空ちゃんの向かい側の席に腰を下ろした。

 だって隣に座るわけにはいかないし、だからと言って距離を置きすぎるのもアレじゃん?


 俺はいつものようにライトノベルのページを開いた。


 ちなみに今日のは、


 『俺の兄貴がこんなに良い(おとこ)なわけがない』


 『僕には上の兄がいる。兄貴はとても良い(おとこ)だ。

 幼い頃は兄貴とはとても仲が良かったのだが、僕はいわゆる反抗期を迎え、

 兄貴どころか家族ともほとんど会話しない日々が続く。

 そんなある日、急に兄貴が僕の部屋に入ってきて人生相談を持ちかけられる。

 だんだんと縮まる兄貴との距離。僕と兄貴の危険な人生相談が始まる。』

 

 この作品は新たな感性が開けてしまいそうで困る。こちらも雷撃文庫で発売中だ。


 それにしても気まずいな・・・。これといって話すこともない。


 先輩としてこちらから話をふるべきなのか、でもなんと話しかければ・・・。

  

 ー脳内シュミレーションー


 「今日は良い天気だね」


 「あ・・・はい・・・」


 違う!!

 まず会話が続かない!!

 この後また沈黙が続き、余計に気まずくなるパターンだ!!

 何か別のものを・・・!!


 「好きな食べ物は何かある?」


 「え・・・ク、クラムチャウダーです・・・」


 教育実習に来た先生への質問か!?

 俺がいつも「その質問、意味あるのか」と疑問に思うやつじゃねーか!!

 つーかクラムチャウダーって!!可愛いな!!

 もっと会話の続く、内容の濃いものにしなければ・・・!!


 「なぁ、空ちゃん、本当の優しさって何なのかな?」


 「は・・・はい?」


 深い!!

 濃いというか深い!!


 何か・・・もう、頑張らなくて良いかな・・・。

 そうして俺は考えるのをやめた。


 「あの・・・先輩・・・」


 「・・・え?」


 驚いた。空ちゃんから話しかけてくるとは・・・。

 なんだかものすごい負けた気がする。


 「あの・・・他の先輩方、秋先輩や部長は・・・?」


 「あ、あぁ、あいつらは少し遅れるらしい、もう少ししたら来ると思うよ」


 「そうですか・・・」


 俺にトーク力のない若手芸人をバカにする資格はないらしい。

 

 部室は重たい空気のまま20分ほど時間が過ぎた、これまでの人生でこれほど長い20分があっただろうか。

 そんな部室の空気を一瞬で循環させたのは扉を開ける音と無駄にでかい声だった。


 「おーーーッス!!やっとるかーーー!!」


 お前の部活だろ・・・。


 「部長、こんにちは」


 空ちゃんは少しホッとしたようにして健也に丁寧な挨拶をした。


 「はい、こんにちは!!」


 本当に騒がしいやつだ。まず声のボリュームが違う。


 「それより、用事とやらはもう終わったのか?」


 別に大して気になる訳ではなかったが、こいつがいればこの部屋の空気は保たれる。

 だからこの空気清浄機がまだ用事が終わっていなく、ただ部室に顔をだしに来ただけなら今からまた話のネタを全力で練らなければならない。

 もうあんな凍りついた空気の部屋はごめんだ。


 「いや、全部終わらせてきたぞ!!」


 「ナイスだ、空気清浄っ・・・じゃねーや健也!!」


 ヤベぇ、口が滑った・・・!!


 「何がだ?あと空気清浄ってなんだ?」


 「何でもない!!こっちの話だ!!」


 心なしか空ちゃんも安心した様子だ。


 


 「それでよ~そしたらそいつがよ~」

 

 「へぇ~そうなんですか」


 健也は何故こんなに話のネタが尽きないのだろう。

 こいつを一人座布団に座らせておけば正月の番組くらいは成立しそうだ。

 こういうところは素直に尊敬する。

 尊敬する人の爪の垢を煎じて飲むというのは本当に効くのだろうか。

 ・・・きたねぇよな。


 「だから俺が言ってやったんだよ!!」


 「えぇ~本当ですか~?」


 これがコミュ力か・・・メモメモ・・・。

 そう言って手のひらに指で字を書くふりをしていると扉が叩かれる音が部室に響く。


 「開けて~~~」

 

 秋か・・・?

 そう思い扉を開けてやろうと席を立つ。両手でもふさがっているんだろう。

 俺ってば気がきく。


 「あ、私が開けますよ!」


 空ちゃん・・・ええ子やぁ・・・。


空ちゃんは扉の前に立ちゆっくりと開けた。


 「はろーーー!!空ちゃんありがとーーー!!」


 「いえいえ」


 騒がしく入ってきた秋は何やら段ボールを抱えている。


 「おッス、秋!!何だ、その段ボール?」


 「フフーン♪じゃあみんな集まってー!!」


 俺たちは机を端によせ、部屋にスペースを作る。

 秋が段ボールを床に置き、その周りに集まる。

 置いた瞬間、ガサゴソと箱の中から音がした。


 「じゃあみんな開けるよー、驚かないでよね!!」


 外はすでに薄暗かった。

 


 


 

 

 

 



 


 


 

 

ありがとうございました。

長く休んでいたため少し長いかな?

ラノベ紹介は楽しんでいただける人だけ楽しんでいただければ・・・。

次回はもう少し早く書けると思います。

ではみなさん、風邪ひくなよっ!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ