活動記録【戦闘】
ついに書ける時間が取れました。
必死に睡魔とストリートファイトを続け、やっと午後の授業の終わりを告げるチャイムがウトウトとした教室の空気を入れ替える。
学級委員の良く通る声で号令をかけ、終わると教室は一気に騒がしくなる。
友人と無駄話を楽しむ者、帰りの支度をして部活へ向かう者、そのまま自宅へ向かう者。
もちろん俺はその中の帰りの支度をして部活へ向かう者、だ。
教材などを鞄に入れ、教室の扉へ歩を進める。もちろん読みかけのラノべも忘れない。
「おーい、和真ー」
ちょうど教室を出ようとしたところで後ろから声をかけられる。孝太だ。
「おう、どした?」
俺は孝太のほうに首だけひねりそう返した。
「なんか素っ気なくない?」
「そうか?そんなつもりはないんだけどな」
この無意識な素っ気ない態度が友達の少ない原因なのかも知れないと少し反省した。
「まぁ、いつものことだから良いんだけどさ。それより和真、これから部活だよね?」
「そうだな、帰ってもやることないし、お前もだろ、孝太?」
孝太は文芸部に所属している。
中性的な顔立ちと性格から先輩達からは中々好かれているそうだ。
「よかったよ、また部活サボって三村さんに怒られている和真の姿は見たくないからね」
孝太はそう言ってクスクスと笑った。
「大きなお世話だ」
俺は孝太の頭を軽く小突く。
「じゃあ、僕はそろそろ行くね!また明日!」
すでに歩きだしながら言う孝太に俺は小さく手を振って見送る。
するとまたもや後ろから声をかけられる。
振り向くと立っていたのは秋だった。
「おっす!和真!」
ずいぶんと漢らしい挨拶だった。
「おぉ、秋か、あれ?お前って同じクラスだったか?」
「何それ、ひっどーい!私は生まれたときから和真だけを見てたのにー」
こいつはこんなことを平気で言うので最初は驚いたが、もう慣れました。
「で、どうしたんだ?」
きれいにスルーして質問した。
「そうそう、今日ちょっと部活に遅れるから健也に言っといてー」
「わかった、伝えとく」
「うん、ありがと!じゃ!部活行ってらっしゃい!!」
俺はそんな秋に見送られながら旧校舎の部室を目指した。
廊下はたくさんの人で道をふさいでいる。
俺は人波の中をくぐりぬけて旧校舎に着く。
旧校舎はクラスの前の廊下に比べて人が少なかった。
大きく息を吐くとまた後ろから俺の名前を呼ぶ声がする。
今日はよく声をかけられる日だな。
たぶんこの声は健也のだ。
振り向くと案の定、健也だった。なぜかこちらへ走って来る。
だいぶ距離が近づいて来たなと思ったその時だった。
「・・・っつ!!」
走ってきたその速度で飛んできたのは健也の拳だった。
俺はとっさの判断で両腕を盾にして拳をガードした。
しかしそのガードした拳は、
左腕だった。
まさか!!
思った時にはすでにメインの右腕がサイドへ軌道を描くように飛んでくる。
胴体を狙った右ブロウだ。
最初に放った左ストレートはガードを推定した上での囮、つまりボクシングでいうフェイント。
メインである右腕でとどめを指す気か!!
しかし!!
俺は思いっきり胴体を後ろに反らして右ブロウもかわす、ギリギリだった。
予想外の瞬発力だったのか健也の体は大きくよろける、俺はそのスキを見逃さなかった。
下段から繰り出された俺の拳が健也の胴体を捕らえて振りぬく。
右アッパーだ。確実に決まった。そう思った。だが、
健也は足のバネを使い後ろへ飛んで胴体への衝撃を最小限に減らした。
たがいにしばらく睨みあってから健也が口を開いた。
「和真~腕を上げたな~アッパーだけに!!」
つまらないシャレと一緒に健也はカラカラと笑った。
「いきなり殴りかかってくんな・・・」
俺の攻撃は確実に決まったはずだ、威力を最小限に殺したとは言え、体には相当のダメージがいっている、それなのに何もなかったかのように話し始める。
「わりーわりー、そう言えば俺さーまた職員室から呼び出しくらっててさー部活遅れるわー」
「なんだ、お前もか」
そう言うと健也は身を乗り出して聞いてくる。
「え?ってことは和真も職員室に呼び出しくらってんの?」
「ちげーよ、秋だよ。なんか用事があってあいつも遅れるんだとさ」
「ほへーー」
健也は間抜けな顔をして納得する。
「じゃ、そういうことで!!空ちゃんと仲良くやれよ!!」
そう言って健也は走り出していった。
そうか、俺は部室で空ちゃんとふたりか。
特に俺は何も考えずにつぶやくと、部室へ向かって歩を進めた。
「腰痛てーな、さっきのでやっちゃたかな・・・」
俺ももう歳かなと腰をさすった。
ありがとうございました。
初の戦闘シーンです。
いかがでしたでしょうか。
アドバイス待ってます。
たぶんもう書きませんけど。
次回作はもう少し早めに出せたらいいなと思っています。




