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活動記録【昼休み】

授業風景は飛ばします。

 長かった午前中の授業もチャイムと同時に終わりを告げ、それと同時に教室もにぎやかな昼休みへと表情を変える。

 

 高校生の昼休みといえば、屋上で一人イヤホンを着けながらパンをかじる、というイメージがあった。というかそれに憧れていた。


 しかし我が校、神木総合高校の昼休みの屋上は言うなればカップル専用のリア充の、リア充による、リア充のための空間となっている。

 

 そんなわけで彼女のいない俺はおとなしく教室の端で学食で買った焼きそばパンをかじっているというわけだ。

 今ごろ屋上では手作り弁当だなんだとのろけているんだろう。

 イケイケ女子高生の作る手作り弁当の味なんてたかが知れてる。

 なんならうちの和葉が作った弁当のほうが100倍うまいに決まっている。

 それはな、兄に込める愛情がちがっ・・・


 「和真~聞いてる~?」


 「・・・!?」


 「ボーっとしてたよ。またなんか考えてたの?」


 「あ、あぁ・・・そうみたいだ」


 どうやら妹のことを考えていて周りの音が聞こえなくなっていたみたいだ。

 我ながらどうかと思うが。


 こいつの名前は水野(みずの) 孝太(こうた)

 数少ない俺の友達だ。

 高校1年の頃、教室の隅で本を読んでいた俺に孝太から話しかけてくれたのが始まりだ。

 実は今でも感謝はしている。便所メシからは逃れることができたからな。

 とは言っても同じクラスだと知ったのは今日の朝のことなのだが。

 見た目は中性的な要姿していて、背は低め、女子と並んでもあまり変わらないくらいだ。

 

 「なに考えてたの?」


 「ん?あぁ、和葉・・・妹のことだ・・・」


 孝太は苦笑をこぼす。


 「相変わらず妹想いだね、和真は」


 「兄妹仲が良いのは良いことだろう・・・?」


 「まぁ、そうなんだけど・・・」


 「ふっ、では仕方がないから俺がお前に和葉の可愛い仕草best30を語ってやろう・・・!!」


 孝太は露骨に嫌な顔をする。


 「い、嫌・・・いいよ・・・別に・・・」


 「遠慮すんな、まず30位はな・・・・・」


 昼休みという貴重な時間を俺は孝太に和葉の魅力を語ることに費やした。

 嫌な顔をしながらもしっかり俺の話を聞いてくれるこいつは本当に人が良いやつだ。


 一通り和葉の魅力を語ったところで昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴った。

 


 まったく、昼休みを取ったからと言って午後の授業のやる気が出るわけではないんだがな。






 

ありがとうございました。

新キャラです。

孝太は良いやつなのです。

次回は再び部活です。

そして和真のおススメラノベ紹介のコーナーです。

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