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詩集:男性シンガー長いタイトル3

まぁ それなりのせいいっぱいでやれるだけのことはやったから

作者: 歌川 詩季
掲載日:2026/06/24

 それなりに……ね。

 重々承知の逆境で

 ひやりと 冷たい汗

 にたりと 不敵な笑み


 聡明なあんたらのことだから 今更(いまさら)

 虫が(しら)せるまでもないけれど

 もしものときは頼んだと

 丸投げしちまうおれを(ゆる)して欲しい


 まぁ それなりのせいいっぱいで

 やれるだけのことはやったから

 ()しとはすまいが ()しともすまい

 死力を尽くしたとまでは

 呼べたもんじゃないものの

 赤の他人からここぞと責められる(いわ)れはないぜ



 年々増加の傾向に

 ぐらりと 揺らいだ胸

 ぴたりと 止まった指


 透明な催促を寄越(よこ)すけど 殊更(ことさら)

 虫の居処(いどころ)までを(さぐ)らずに

 よもやのときが迫るんだ

 丸()みできないおれへ(あき)れも果てた


 まぁ それなりのせいいっぱいで

 やれるだけのことはやったから

 ()しとはせずとも ()しともせずか

 余力を残したリタイア

 ()めたもんじゃないだろが

 あらぬ角度から石まで投げられる筋合いねえぞ

 それ以上は知らんよ。


挿絵(By みてみん)

制作:ひだまりのねこ先生

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