斑点
少年達が帰り道に見つけた施設とは…?
「なぁ、ここ何だと思う?」
帰り道に兄が丘の上を指さした。
俺たちが通学路として使う場所には丘があり、そこに何やら大きな建物があるのだ。
何なのかは分からないし、いつそこに出来たのかも知らない。
「ちょっと行ってみようぜ」
兄は興味津々で丘の上と向かう。
「ちょっ、待ってってば!」
そさくさと走っていく兄の背中を追いかける。
黒い正方形の建物。
小さいから中も狭いのかも知れない。
自動ドアから中へと入る。
「…うわぁ…!」
中は広く、奥までガラスケースが続いていた。
「なぁ見ろよコレ…!」
兄はガラスケースに近づいていく。
展示されている植物や生物は、どれも見たことがない。
アクアテラリウムの水の中をプカプカと浮かぶクラゲに似た生物。
森のようなガラスケースの中にはネズミサイズの鹿のような生き物が、群れで草を頬張っていた。
「カード見ても何書いてんのかは分かんないな〜」
僕もカードをみてみる。
日本語だけど、その展示されている生き物の名前も説明も聞いたことが無い。
あたりに人もいないから、名前を聞くこともできない。
「ん〜僕にも分からないかも」
そう答えて隣を見ると、もうそこに兄はいなかった。
「…兄ちゃん?」
僕の声は館内に響き渡るのみで、返事は返ってこない。
確かに、ついさっきまで隣にいたはずなのに…。
心配になって歩き出す。
なんだか胸がザワついた。
探している間にも、変な植物や生物が沢山いた。
タコのような生き物や昆虫に似た生き物。
トゲトゲした牙を大量に生やした桜のような植物。
角のようなものがある苔…
兄と見ていたときは楽しかったのに、いなくなると一気に不気味に感じる。
(どんだけ広いのここ…)
外に出て兄を探してもらうのがいいだろうか。
そもそも、どうしてここは従業員らしき人もいないのか。
困り果ててソファがある休憩スペースに座り込む。
流石にずっと探し続けて疲れた。
座っていると誰かに見られているような気配を感じた。
ふと、顔を上げると大きな百合のような花がある。
ガラスケースの中でシン…と静かに咲いていた。
何本もあるそれには、模様がある。
思わず近づき、じっと模様を見つめる。
黒い斑点で出来た美しい模様。
突如として、模様はグニャリと歪む。
「わぁっ…!」
驚いて腰を抜かした僕の目の前で変化した斑点が形を作る。
それは、兄の顔にソックリだった。
最後まで読んでくださりありがとうございます!
不思議な植物や動物が展示されている場所があったら面白そうだな〜と思い作成してみましたφ(..)
もし、気に入ってくださった皆様ら他の作品も読んでくださると嬉しいです!m(_ _)m




