第27話 エピローグ
呱々原さんと付き合う事になった翌週の日曜日。
初々しいながらも俺達は改めてアニメショップにデートに来ていた。
お互い異性を意識したデートなので、それなりに身なりは整えていて。
何よりも、
「あ、あのさ呱々原さん。……手、繋がない?」
「!!?? ……は、はい」
そんな感じでお互いに手を繋いで見たりとか、ちょっとしたスキンシップを挟んでみたり。
恥ずかしい気持ちが先行する中で、店内に鳳凰院はかせの広告のアナウンスが改めて流れてくる。
俺は呱々原さんを見る。
あれ、あんまり気にしてないような。
「……ど、どうしたの?」
呱々原さんが俺の顔を不思議そうに覗き込んでくる。
「い、いや、呱々原さん。以前はもっとこう、聴いたら動揺してたからさ」
俺はアナウンスされてるスピーカーを指さして言う。
「ああ」と思い当たるフシがある様子を見せる呱々原さん。
「……じ、自分の声が、あまり好きじゃなかったの。いや、……じ、自分の事が、かな」
「……そうなんだ」
「う、うん。でも、もう良いの」
「え?」
「あ、ありのままの私を好いてくれる人が出来たから」
そう言ってはにかむ呱々原さんは可愛かった。
思わず照れて顔をそむける俺の頬に、
「……だから__」
!?
次の瞬間柔らかいモノが振れる。
驚いて呱々原さんの方を見ると、顔を真っ赤にして俺から距離を取っていた。
「……い、今のって」
「な、内緒。……わ、忘れて」
む、無理だよ。
そんなやり取りをしながら、その日のデートは楽しく終了した。
その夜、〇INEにて。
呱々原『今日も観るの?』
槙島『観るよ』
呱々原『そんなに毎日観に来なくても良いのに』
槙島『好きだから。俺が観たいんだ』
呱々原『そ、そういうことなら。恥ずかしい』
デートの余韻に浸りながら、俺は『鳳凰院はかせ』の配信を見る。
■■■
◇鳳凰院はかせの配信◇
「わっはっは~! 『2.5Dプロダクション』所属の狂気のマッドサイエンティスト、『鳳凰陰はかせ』なのだ〜! 今日も皆を虜にして世界を混沌に陥れるのだ~!」
【コメント欄】
はかせ~!!
最近調子良いね
「そうかな? まあ、そうかも」
【コメント欄】
何か良いことあった?
また調子に乗って落ちる前振り
「なんだろうね。少しね、今の自分が好きになれたって言うか。ありのままの私を必要としてくれる人がいるのが分かったんだ」
【コメント欄】
俺達の事だな
PONなはかせも俺達は好きだぞ!
「そうだね。きっと肩書とか関係なく、私以上に私の事を見てくれてる人も沢山いて。そういった人たちの意見も盲目的になってたんだろうなって思って。だからさ、凄くお礼が言いたいんだ」
「こんな私を見つけてくれて、ありがとうって」




