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コロッセオ

ゴーグルというか目隠しを買いました。


流石に『宣伝』のためとは言えあからさま過ぎるとそれがバレるのを恐れてですかね?


ゴーグルを目に覆います。


おおっ!

視界がより鮮明にというか高機能ゴーグルと言えば良いでしょうか?


色々な機能が視界に表示されます。まさに近未来的? というか。


テンションが上がりますね。



目隠しには悩みましたね。


白が良いか黒が良いか悩んだ末両方とも買いました。


そして剣は幾何学模様の入ったMPを消費すれば溝が青緑色に光り輝き力を放つ【光刀】を買いました。



「ふふっ、全財産出したかいがあります」



と言っても二周年記念だそうで一万円以内なら好きに買えるという超絶ラッキーな時に私は始められましたし。



私はコロッセオの前を通りかかります。


コロッセオの見た目はギリシャの遺跡に出てくるアレを模した外観。


コロッセオは賭けアリのトーナメント式バトル。


推奨Lv30以上。


当然ですが私の今のレベルじゃ無理です。


ですが観客となって賭けには参加できます。


「ま、行くのも良いでしょう」


私はコロッセオに入ると入る場所に赤い文字で空間に『推奨30Lv以上』と『観客席』と白い文字で書かれた二つの入り口に『観客席』の通路を選びます。



席に着くとコロッセオの闘技場の空間に時間が表示されていました。どうやら時間ギリギリでしたね。


他プレイヤーたちが、

「よっしゃ間に合ったぜ」

「早く早く」


パンパカパーンッ!


という音と共にコロッセオ内に折り紙の紙片が飛び交います。


闘技場の四角い場所の中央にウサ耳の(恐らく装備品)タキシードを着た少女がプラカードを両手に持って掲げます。


するとプラカードからどデカいホログラムと二人の女性が映し出されます。

 


音速の女剣士はショートパンツに黒のタイツ。

軽量で細身の刀剣。



対して天使剣士は神聖な光を放つ細身の剣。柄には天使の羽根の模様が彫られており刃は輝くように磨き上げられている。


スカート部分が裾が広がるようにできており軽やかに揺れるデザイン。金の縁取りがされており神聖さを強調されている。




(これは見た目的にも音速の女剣士の負けですね、なんだか腹が立ちます)




『さあ!! 賭けの時間だよ! 右手側が音速の剣士!! ユークリッド!! 左手側は天使剣士!! リリアス!!』



「おいこれ勝負見えてるだろ」

「卑怯だぜ! 運営! 負け試合とか!」

「せめて花の女剣士辺りにしとけよ」



観客席のブーイング。


なんだか腹が立って音速の剣士に入れました。




『やはりと言うべきか天使剣士の圧勝! 賭けにすらならない賭け! それではお楽しみください』







『Ⅲ』


女剣士が柄に触れる。



『Ⅱ』


天使剣士は笑っている。酷薄に見えるのは気のせい?


いや慢心の現れか。


『Ⅰ』



音速の女剣士が構える。




『GO!』



ウサ耳の審判がぴょんと闘技場から降ります。



音速の女剣士ーーユークリッドの姿が一瞬で掻き消えた。


天使剣士のーーリリアスの喉元に剣が迫る。


そこから先を見えない盾で阻まれているかのようにどれだけ力を込めても刀身がブルブルと揺れるだけ。


「だから言ってるでしょう?」

「アナタのレベルじゃ私には剣すら届かない」


「っ! ディバインシールドか」


ユークリッドは「ソニックストライク」と短く言うと構えて超高速の斬撃を繰り出し相手に複数の攻撃を一瞬で与える。


だが、攻撃は見えない盾に阻まれる。


(どうやら私と同じスキルを持っているようですね)


「次は私から」

「ホーリーブレード」


観客席が目を覆う。それほど眩しく強大な目潰しの光。


剣に神聖な光を宿し斬撃と共に聖属性の追加ダメージを与える。悪魔やアンデッドに対して特に効果的。




(酷いな、敵は悪魔でもアンデットでもないのに。いやあの人にとってその程度の認識でしかない、もしくは)


(あの人の中で最低限のスキル)



ユークリッドは頭上に居た。


刀で突き刺すように落下する。


それをリリアスは躱す。



「どうやら二重掛けスキルはできないみたいだないつも目潰しの後、倒されてたからな」


思わぬタネの割れ。


観客席が沸き立つ。

「うおおおぉ!! やっちまえ天使ちゃん!!」

「TE•N•SHI!! TE•N•SHI!! TE•N•SHI!!」


リリアスは「セラフィックストライク」と背中に翼が生え敵に向かって突進し強力な一撃を繰り出す。聖なるエネルギーで敵を浄化する。


リリアスは笑う。酷薄に。神話の天使が実は残酷な事に。


ユークリッドに刺したと思ったソレは残像でありカウンターのスキル「ライトニングリフレックス」


いつのまにかリリアスの背後に回っていたユークリッドがリリアスの胸を突き刺す。


「アンタとの戦いは観客席でも観てた」


刺されたリリアスは膝を落とす。


「これまでの負けは勝つための茶番だ。油断したな本来の実力を発揮せずに」


リリアスのHPバーが急速に減っていく。


HPバーが1で止まる。


それに気づいたユークリッドはリリアスの頭を叩いた。


「HP1での【逆境】は阻止させてもらう。アンタと本気で戦いたいわけないだろ」



観客席が沸いた。

「ふざけんな! このクソ試合! いくら賭けたと思ってやがる!!」

「天使がたかが音速の剣士に負けるわけないだろ!!」

「金返せ! 大穴試合とか聞いてないって」


観客の罵声にユークリッドは出てきた場所に引き返す。



対してリリアスは「殺すっ! 殺してやるっ! あんな雑魚に負けたの本当の実力じゃないっ! 絶対に殺す!」


闘技場の床を剣で何度も突き刺していた。



〈300,000ルーを手に入れました〉


桁の額に余程の大穴試合だったんだなと分からせられました。

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