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 ウメー。やっぱカーチャンの飯は世界一やな!


 と、昼飯を食べていたらじいちゃんがやってきた。


「おう。この前の案件、ありがとうな。斎藤さんも感謝してたぞ」


「そりゃよかった。ああいう世の為人の為になることならいくらでもやるよ」


「そう言ってくれると助かる。……恐らくこれからひっきりなしに来るが、まあ、ちゃんと選んでからお前に回す。そんときゃ頼むぞ」


「うん、わかった」


 ああいうのは頑張り甲斐がある。


「ところで、晃に聞いたがネタが無いんだって?」


「んぐっ。じいちゃんになに言ってんだあいつ。……まあうん。無いね」


「視聴者に聞いたやつは?」


「出来ないやつばっかり」


「ふうむ。……儂の知り合いを連れてきて対談……は、駄目だな。お前の言う五パーセントの奴はいるにはいるが依怙贔屓だと言われて面倒臭くなるな」


「だね。というか俺と話し合わなくない?」


「そうか? 意外と合う気もするが」


 そりゃ前世合わせりゃ五十代だけどさあ。正直俺の精神年齢なんて高校生ぐらいで止まってるから無理だよ。部分的には中二だし。


「む、時間か。話足りんが仕方ない。じゃあ、邪魔したな」


「うん。気を付けてねー」


 カーチャンが玄関まで送っていくのを見送る。じいちゃん、忙しそうだなあ。からあげもぐもぐ。うまーい。


 新しいネタかあ。はあ。なーんも思いつかね。







「……はい。……はい。いやいや、こういうのは持ちつ持たれつですよ。……はい。ではまた後程」


 携帯電話を切る。ふむ。


「ふー」


「お疲れですか」


 運転手の田沼が気遣わしげに聞いてくる。


「なに。可愛い孫を利用しているみたいでな」


「銀一様ですか……ですが啓一様が守っていることもまた確かです」


「そうなんだがな……だがまともな生活もさせてやれん。儂は無力だ……」


 天は孫に与え過ぎだ。これでは人並みの幸せも望めん。なんと不憫な……。


「だが、儂の目の黒いうちに。儂がいなくなっても出来た息子がおる。なんとか孫に結婚相手を……」


「ご無理をなさらず。倒れでもしたら元も子もありません」


「うむ。……だが今日はもうひと踏ん張りだな。次の予定は?」


 助手席の秘書がタブレットを操作する。


「はい。これから丸子議員と会食を……」







「ところでさ、兄さんって結婚願望とかあるの?」


「あると思うか?」


「だよね」

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