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南 緋色

近本 優斗

です。

「お邪魔しまーす」


「よー、久しぶりー」


「直接会うのは……卒業してからだから、もう半年になるのか」


 南と近本がウチに来た。


 南は前髪が目にかかる髪型をしている。いわゆるギャルゲーとかの主人公みたいな髪型だ。前髪上げるとイケメンだしね。名前は緋色と書いてヒイロと読む。主人公かな?


 近本は、なんというか優男だ。ただナヨっとはしていない。隠れ細マッチョである。あと何故か学校の女子の情報に詳しい。ギャルゲーの主人公の友達みたいな奴だ。ちょっと怖い。


 今日はこの三人で携帯ゲームの狩りゲーの金字塔、バケモン狩人を遊ぶのだ。


「ちゃんと菓子も買ってきたぞ」


「飲み物もな」


「すまんねえ、ウチにある飲み物、水か緑茶かコーヒーだけなんだよな」


「ところで晃君は?」


「なんかやる事あるって出かけた」


「ありゃ。晃っちバケ狩上手いからアテにしてたのに」


「俺がいるだろ」


「晃君と合わせてやっとプラマイゼロだよ」


「銀っちはちょっと……」


 二人がひどい。


「ま、早速やろうぜ」


「おうよ」


「よーし俺の双剣がうなるぜー」


「銀一は大人しく片手剣使いなさい」


「なんでだよヒイロ、片手剣のほうが難しいだろ」


「銀っち、いざというときガード出来た方が……いや、無理か」


「なんだよ、ガードぐらい出来るぞユート」


 失礼しちゃうぜ。じゃあ、片手剣でガードぐらい出来るってところを見せてやる。


「よし」


「よし」


「?」







 駅前にある喫茶店で待ち合わせ。まだ時間があるのでコーヒーをすすりながら夏休みの宿題をやる。


「すみません。お待たせしました」


 と、思ったらもう来た。まだ十分前だ。真面目だなあ。宿題を鞄に片付ける。


「待ってないよ白上さん」


 向かいの席に着いた白上さんに店員が注文を取る。さて。


「今日はねえ、一応確認したくてね」


「確認、ですか?」


「うん。南先輩と近本先輩に近づく不審者、別に減ってないんでしょ」


 ちょっと顔が強張る白上さん。


「……はい」


「別に咎めるつもりはないよ。兄さんに心配をかけないためだよね?」


「はい」


 減ってるって聞かされた時おかしいと思ったんだ。Ytubeで全世界に顔と声公開したのに。全国から不審者が集まってくるはずだ。それが減ってる? そんなわけない。中川さん、兄さんの為なら平気で嘘つくしなあ。


「まあ、僕からは、これからも頑張ってね、としか言えないよ」


「はい」


 紅茶が運ばれてきた。


「……人、足りてる?」


「鍛えてはおります。が、我々と行動を共に出来るか、と言われると……」


「そっか。まあ、新発田さんとか中川さんみたいな凄い人、そう簡単には出てこないよねえ」


「あの二人は別格です」


「白上さんもね」


 この三人は本当に凄い。兄さんを守る為に鍛えまくったら才能があったらしく滅茶苦茶強くなったそうだ。特に中川さん。あの人フィクションに出てくるニンジャみたいでかっこいい。


「……兄さんの平穏な日常を守るには皆の協力が必要だからね。これからも頼むよ」


「命に代えましても」


「……白上さん死んだら兄さん悲しむよ」


「もったいないことです」


 駄目だこりゃ。いざという時の覚悟が出来てるわ。まったく兄さんも罪な男だよ。

ヒイロ君とユート君は銀一君がいなければギャルゲーの主人公とその友人みたいな学生生活を送れました。そうはなりませんでしたが。

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