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実家のパーティー


 実家でのパーティーをリュシエンヌは手伝いたいと言っていたが、周りが止めた。


 まだ子を産んだばかりで本調子ではないの。だが大人しくしていて欲しい。とも言えない……お茶会を家でするのは賛成しているし、人に会わないという事もない。


 今回の王家のパーティーから社交を再開した。うちの両親がそのまま泊まっていけば良いと準備をしていた。ニコラと遊びたいという兄の子供達もいるし、夜に家に帰すのも心配だから泊まって行ってもらう事になった。


 うちの護衛やら実家の護衛やらがニコラを見ているから問題ないだろう。リュシエンヌはパーティーを途中で抜けてニコラの元へ戻っても良い。





「立派なお屋敷ねぇ。閣下のご実家なんでしょう?」


 女王に聞かれ、はい。と答える。主催者である私の父に挨拶をする女王とエリック殿下。続いて母や兄、兄嫁、リュシエンヌが挨拶をしていた。滞りなくパーティーが始まりその後、女王とエリック殿下がダンスをする。美男美女のダンスは周りを魅了していた。


「次は閣下と踊ろうかしら!」


「またですか? 私は護衛として来ていますので、」

「あなたのご実家じゃない? 警備に穴でもあるの?」


 ない! 


 ネコ一匹入れない程に警備の強化をしている。こういっちゃなんだが王宮より(狭い分)安心だという自負がある。


「ありませんよ」


 すっと手を出された。踊るしかないんだな。


「閣下の筋肉はしなやかでもあるのね。ダンスがお上手だわ」

「ありがとう存じます」


 一曲踊ると、公爵家の執事がシャンパンを持ってきた。


「どうぞ」

「あら、ありがとう」


 この執事は我が家に忠誠を誓っている。女王とエリック殿下が口にするものは全て執事監修の元だ。


「このシャンパン美味しいわね」

「公爵家で作られているものです。ロゼのシャンパンで限定品です。華やかな場に合うと思い女王に飲んでいただきたくお出ししました」

「とてもエレガントな味ね」

「その年は葡萄の出来が良かったんですよ」



「あ、リュシエンヌさん」


 女王がリュシエンヌに気がつき声を掛けた。


「女王陛下、グレイソン様。素敵なダンスでしたわ! 目を奪われてしまいました」


 それ、本心だよな? 嫌味とかじゃないよな? リュシエンヌを放って他の女性とダンスをしたと怒っていたりとか?


「リュシエンヌさんは閣下のどこに惚れたの?」


 ゲホッ……

「急に何を言い出すんですか! リュシエンヌ答えなくてもいいから」

「いいじゃないの! 聞かせてよ。減るものではあるまいし」


「ふふっ。夫が困っていますが、優しいところですわ。騎士団で働いていてこんなに体が大きいのに本を読んでいると知性を感じられますし、何よりも声が好きですの。夫に名前を呼ばれるとドキドキして、初めて名前を呼ばれた時のことを思い出します」

「まぁ! ベタ惚れじゃない! 閣下やるわね!」

「えぇ、まぁ。妻限定ですけど」


 リュシエンヌは堂々と私の事を語るんだな……可愛いがすぎる!


「閣下はリュシエンヌさんのどこが好きなの?」

「難しい質問ですね……語るには時間が足りません」


 リュシエンヌの可愛さを語れと言われたら何時間でも語れるが、人に聞かせたくない。


「あら。優しい顔が出来るんじゃない。子供達って閣下の顔が怖くても、中身を見ていたじゃない? 閣下もそれに応えて最終的には優しい顔をしていたわよね。リュシエンヌさんは初めから本来の閣下を好きだった感じみたいね? とてもお似合いだわ」

「ありがとうございます」


 リュシエンヌが微笑んでいた。リュシエンヌを放って王女といる自分がなんだか後ろめたい……


「リュシエンヌさん、乾杯しましょう。閣下私にはおかわりを、リュシエンヌさんにも飲み物を」


 返事をして、取りに行く。リュシエンヌにシャンパンを飲ませるわけにはいかない。王女と二人にしてしまったが、近くに護衛もいるから大丈夫だよな? 変な事を言われてないと良いが。



「リュシエンヌさんお子さんは生後半年でしたわよね? いつご結婚を?」


「あ、実は──」





「まぁ、そうなの? 真面目そうな閣下が結婚式の前に……」

「あ! その、それは違うんです。夫の名誉にかけて……あの、わたくしから、その……お願いを……」


 もにょもにょとリュシエンヌが女王に言った。


「まぁ! 人は見かけによらないのね。でもそれだけ信頼して愛しているのね?」


「はい。わたくし夫が好きすぎて、」

「まぁ。可愛らしい! 素敵ね」


 ******


「お待たせしました。何か盛り上がっていたようですが」


 女王にはシャンパン、リュシエンヌにはフルーツ入りのアイスティーを用意した。


「良い奥様ね。乾杯!」


 グラスを傾け乾杯した。なんの話をしていたのだろうか……そう思っていたらエリック殿下が戻ってきた。この組み合わせはなんとなく気まずい。



「私抜きで乾杯してたのかい?」

「ふふっ。少し遅かったわね。あ、リュシエンヌさん、先ほどは閣下をお借りしたからうちの夫も貸し出すわ! ダンスを踊ってきて」


 は? リュシエンヌとエリック殿下が? いやいやいやいや! それはちょっと……


「そうだな。再会の記念に一曲付き合ってくれますか?」


 断れんやつ!


「あ、はい。喜んで?」

「なんで疑問系なんだよ。グレイソン殿が見てるから? それとも見てない所で誘った方が良かった?」


 ……それ、本心か? エリック殿下は死にたいのかな?


「ふふっ。相変わらず冗談がお上手ですわね。夫が妬いてしまいますわよ?」


 冗談? 相変わらず? ……女王の前だ。聞き流してやる!



 見たくなかった。妻が男と踊る所。って人のことがいえん!







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