表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
82/100

リュシエンヌは最高

『やっと笑いました! レイ様の笑った顔が好きです。レイ様はこれから今日のことも含めて忙しくなりますよね? でも私といる時はリラックスしていて欲しいのです。私はレイ様と結婚してレイ様のおかえりを待っています。どこにも行きませんよ?』



 リュシエンヌがどこかに行ってしまいそうな気がしたんだ……誰かに取られて私の知らないところへ……


 見透かされていたのかもしれない。だから冷静を装っていた。本当はシオンを殴り殺してやりたいと思った。私のリュシエンヌに勝手に触れるな! 馴れ馴れしくリュシエンヌの名前を呼ぶな!



『レイ様は責任感が強いのですわ。とっても尊敬します! それと、言いましたよね? 結婚後は生活に困らせる事はしないって。レイ様は頑張ってお仕事をして、いずれは本部の騎士団長になってください! 私は騎士団長の妻です。と皆に自慢しますわ! それにまだまだレイ様に買ってもらいたいものもたーくさんありますからレイ様は、私の物欲を満たす為にも今まで以上に働いてもらわないと困りますよ? お家に帰ってきたらお疲れ様でした。と毎日褒めてあげますから、疲れても帰ってきてくださいね?』



 私の稼いだ金は全てリュシエンヌに。望むのなら屋敷も全てリュシエンヌの物に……リュシエンヌは物欲がないくせにこんな可愛いことを言って私の尻を叩くのだ……リュシエンヌは騎士団長の妻という事を自慢するというが、リュシエンヌの性格上そんな事はしない。私に気を遣って言ったんだろうな……



 優しくて可愛くて最強のリュシエンヌ。



 ……子守唄を歌ってくれるって。理性が保てるか自信がない。結婚式まであと……





 食事を終えたので、湯浴みをする事になった。ハンナにリュシエンヌを頼んだ。一緒に寝るだけだ。


 

「レイ様お待たせしました」


「いや、そんなに待って、」


 ガウンを羽織るリュシエンヌの姿……気のせいか薄着のような?


「どうされましたか?」


 ……どうされたって。とにかく目を瞑る。見ていいものなのか、ダメなのか……思考能力が……


「レイ様?」


 リュシエンヌの顔が近くにあった。風呂上がりのリュシエンヌはいい香りがした。


「リュシエンヌ」

「ハイ」


 緊張してるよな……一緒に寝るだけだ。ベッドは広い。大丈夫だ。


「……寝るか?」



 しゅんと落ち込むリュシエンヌ。な、どうしたんだ!


「リュシエンヌ、どうした? どこか辛いのか?」


 辛そうな顔をしている。


「胸が……苦しいですわ」


「な、医者を呼ぶか?」



 今日は大変な日だったから急に辛いことを思い出したのかもしれない。ベルを手に取ろうとしたら、その手を阻まれてどきりとする。お互い夜着だから……



「違うのです。レイ様は私が……女性として見られませんか?」


「……何のことだ?」


「はしたなくも……レイ様にアピールをしているのですが……その、」


 理性よ……


「……婚前だが」


 婚前交渉はダメではない。婚約をしている時点で成立するから。しかし……ダメだろ……ダメじゃないのか?



「今日の事は忘れてレイ様との幸せな思い出に塗り替えたくて……」


 理性が自ら手を振っている。



「リュシエンヌ、愛している」


 リュシエンヌの顔に近づくとリュシエンヌは目を瞑った。近くで見ても白い肌にツヤツヤな顔に唇。私なんかに汚されても良いのだろうか……何度も自問自答したが答えは一つで……額に頬に目にキスをし、口付けを交わした。それを皮切りに今まで保っていた理性とか……保たねばならない全てのものが、一気に逃げ出した。





 ******


 


 ……やってしまった! やってしまった事は良い。同意があっての事だ。



 ただ、リュシエンヌがぐったりとしている。昼過ぎに仕事へ向かわなくては行けないのだが、このままリュシエンヌを置いていくわけにも行かない。



「……とにかく身体を清めなきゃな」


 近くに控えているであろうハンナを呼び湯船の準備をさせた。何か言いたそうな顔をしているが小言は後で聞く。と言った。するとすぐに私の部屋の浴室に湯を張ってくれた。


「リュシエンヌ、まだ辛いよな……」


 返事がないのでそのままリュシエンヌを抱いて浴室へ移動し湯船へ。

 

「伯爵家にはしばらく帰せないな」


 リュシエンヌの身体のあちこちに付いている跡を目にして自分でも呆れてしまう。

 


「んっ、レイさま」


 リュシエンヌが目覚めたようだ。


「目が覚めたのか? 昨日は無理をさせてしまった……その、身体に負担がかかってしまったよな……身体を清めてからまた休むと良い」


 一緒に湯船に入っている事に驚くリュシエンヌ。


「……恥ずかしいですから見ないで」


 そんな顔をされると元気になるからやめてくれ……


「……レイ様、その、お尻に何か当たって、」


 濡れた身体のまま、リュシエンヌを抱えベッドへ連れ込んでしまった……それからリュシエンヌはまた気絶したようにぐったりしてしまい私は仕事へと向かった。



 

 理性よ。そろそろ戻ってきても良いぞ。いや戻ってきてくれ……








お読みいただきありがとうございます。あと2話で一旦完結となり、その次からはグレイソン視点で全て合わせて100話になります!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ