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気合を入れて作ります


 今日でレイ様の騎士団公開練習が最終日です。朝から張り切ってランチの準備をします。お肉はシェフが焼いてくれるので私は具材をパンに挟みサンドイッチを作ります。ビーフ、サーモン、エビ、卵、チーズ、ハム、タマネギ、レタスなど具材は豊富です。


 それと私は追加でマフィンを作ることにしました。いい感じに焼き上がりましたわ!



「ハリスとパティの分を合わせても楽しくてたくさん作りすぎてしまったわね……」


 ハリスとパティはいつもレイ様ばかりズルいと言っていましたものね。マフィンも沢山ありますしティータイムで家族と食べましょう。


 それでも余った分は手伝ってくれたシェフやメイド達に片付けてもらいます。後ほど意見を聞かせてもらいましょう。


 レイ様にプレゼントしてもらったサーモンピンクとシルバーグレーのストライプワンピースに着替えました。アクセサリーもレイ様からプレゼントしてもらったお気に入りを選び、髪の毛もゆるふわに編んでもらって出発です。



 普段は落ち着いた服装で行きますが、今日で練習を見納めということで、少しだけおめかししてしまいましたわ。レイ様可愛いって言ってくださるかしら? 




「あ、姉様……浮かれてるね」


「ハリス、またそんな事を言って……私の事を揶揄っているんでしょう?」


「……本気で言ってるんだけどね」


 ハリスは最近私とレイ様のことを揶揄ってくるようになりました。ハリスの成長が見られるようで嬉しいですわ。


「ねぇこのワンピースどう? 似合っている?」


 ハリスの意見を聞いてみましょう。


「あー、うん。似合っているよ。いつも色味を抑えた服を選んでいるのに。あ、浮かれているからか。何かあったの?」


「……可愛い?」


 チラッとハリスを見るとハリスは呆れているように言いました。


「あー、うん、良いと思うよ……可愛い。義兄様をどうしたいんだと聞きたいよ」


 意味がわかりませんわ。


「今日が最後の練習だから思い切り応援しようと思って……」


「あれ、今日だった? それなら僕もいけば良かったな……剣術の稽古があるんだよ。今更キャンセル出来ない。残念だ」


「レイ様に教えて貰えば良いのに」


「ヤダよ! 身体がどれだけあっても足りないよ。義兄様と同じ人間だと思わないでほしいね」


 同じ人間でしょう? 私の弟は人間以外の物ではないと思うのだけど……


「違うから! 義兄様が普通じゃないんだよ」


 ハリス最近しっかりしすぎではなくて? 心配になってきたわ。


「確かにレイ様は人間離れした素敵な人よね」

「そっち?!」


「厚い胸板、がっちりした腕、どれをとっても素敵よね……それなのに本を読んでいる時の知性溢れる眼差し。あのハスキーで素敵なお声も、」

「ねぇ、早く行ったら?」


「もう、聞くだけ聞いといて聞いてくれないの?」


「聞いてないからね?」


 え? そうだっけ? なんの話をしていたのかしら?! レイ様のお話でしたわよね?


「あ、そうそう。今日ね沢山サンドイッチを作ったの。ハリスとパティの分もあるのよ」


「いつもご苦労なことだねぇ」


「楽しいわよ。レイ様も喜んでくださるし。今日はマフィンも焼いたの。帰ってきたらみんなで食べましょうね」


 ******




「最近さ……弟から見ても姉様が可愛いんだけどどう思う?」


「ハリスから見ても可愛いからお父様が複雑な顔をしているんじゃないの? よくぶつぶつ言ってるじゃない。お嫁に行くのが寂しいって」


「でも孫が欲しいとも言っているしいつも言っている事が違うんだよね」



 姉様が作ってくれたサンドイッチを食べながらパティと話をしていた。


「あ、このサーモンのサンドイッチ美味い」


「私は卵のサンドイッチが好き」


 少し形の悪いものもあるけれどきっとこれは姉様が切ったんだろうな。



「ねぇねぇ、お父様とお母様の結婚式の写真を見て不自然だと思わない?」


「あ、パティも気がついた?」


「うん。お母様のお腹にはお姉様がいたんだね。ちょっとお腹が目立ってきてたんだね」


「結婚が決まっていたから、ちょっと順序が変わったくらいよ。って母様は笑っていたから良いんじゃない? 父様は僕たちに言われて恥ずかしかったみたいですぐにいなくなったけど」



 真面目な父様が結婚前に母様に手を出したと思うと何故か笑ってしまった。父様はあんな顔をして異性に対して潔癖だし、母様は安心だよね。


「お姉様も早く子供を作ってくれれば良いのに」


 ぶふぁっ!


「ちょっと! ハリス汚いわね! 吐き出さないでよ!!」


「パ、パティが変なことを言うからだろ! 姉様に子供なんてまだ早いよっ!」


「分かんないじゃない! あんなにラブラブなんだから、いつ何があってもおかしくないわよ。お姉様の子なら絶対可愛いもん!」


「……姉様に似たら可愛いだろうけど、義兄様に似たらどうする? 厳つい女の子とかさ……」


 義兄様にも子供の頃があったはずだし、可愛い時期もあったんだろうが……義兄様に似た女の子だったらどうしよう。僕たちも可愛がってあげないと……


「どっちでも良いんじゃない? お義兄様に似てもお姉様は可愛いって言って大事に育てるだろうし」


 それにしてもパティはよく食べるな。サンドイッチがなくなる勢いだ。


「このサンドイッチ美味しくて止まらないわ。太っちゃうわね」


 確かに顔が丸くなってきた……言ったら怒られそうだから言わないでおこう。


「そういえば義兄様はまた顔が優しくなってきたよね」


「お姉様のおかげだね」




 最近姉様は学園に行っても帰りに公爵家に行ったり忙しそうだ。家でゆっくりしてほしいから早く帰ってこないかな……






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