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転校生
教室についても、私たちは"ドッペルゲンガー"の話を続けていた。
もちろん、さっきのことも話していた。
「でも本当に誰かが通って行った気がしたんだ…」
「勘違いじゃないの?」
「…そうなのかもしれないけど……」
「みんな席についてくださいねぇ〜つかないとハリセンですよぉ〜」
あっ、江原先生だ。
この人はおっとりした口調だけど、言うことが時々物騒になっちゃうんだよなぁ…
「今日も物騒だね」
「そうだね(笑)」
私の隣の席は空席だ。智子とも席が離れているので、仕方なく前の席にいる女子と話す。
「今日は転校生が来てま〜す!みんな仲良くしてあげてねぇ〜」
そういうと、教室のドアが開く。
ガラッ
「…因幡 真冬です。これからよろしくね。」
…似たような名前。どんな人なのかな…?
ゾワッ
彼女を見た瞬間、あの時と同じ悪寒を感じた。
私とよく似ている姿だった。首元に、私のものとソックリなチョーカーが付いていた。
「空いている席に移動してくださいねぇ〜」
…空いている席って、私の隣じゃん!
まじかぁ…嫌だよぉ……
そう思っていると、いつの間にか隣に彼女が座っていた。